[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第262回】
Fostexの組み立てキット「RPKIT50」で自作体験!世界基準の平面駆動型モニターヘッドホンを自分色にしよう
■チューニングパーツの変更可能箇所とその効果
このキットのいちばんの醍醐味であり、最大の購入動機となるのはもちろん、自分でチューニングできるというそこ!そこ詳しく!
こちらは製品ウェブページや説明書等に記載の「チューニング変化一覧表」だ。表中の「標準仕様」がT50RPmk3に近い音になる選択肢となる。
続けて、チューニングパーツ各要素についてもう少し詳しく解説しよう。
◯ハウジング用チューニングシート
ハウジングの開口部に内側から貼り、完全に塞いで密閉型構造にしたり、通気性を少し残して半開放型にしたり、何も貼らないで開放型にしたりする。最も根本的で、チューニングの土台となる要素。
◯ユニット用チューニングダンパー
ドライバーユニット背面の開口部をスポンジ素材のダンパーで塞いで、低域をダンピング、抑制することができる。振動板背面の空気圧を調整することで振動板の動きを制御し、振動板から発せられる音自体をチューニングするというのがポイント。
◯バッフル用チューニングダンパー
ドライバーからの音の出口を囲むように、バッフル内に入れるダンパーパーツの選択。低密度ふわふわタイプで標準チューニング、高密度しっかりタイプで低域ブーストチューニングにできる。
先のユニット用ダンパーは、ドライバーの動きを制御してそこから発する音自体をチューニングするものであるのに対して、こちらのバッフル用ダンパー以降は、ドライバーから発せられた音を整えるチューニング要素。
◯イヤーパッド
合皮素材とベロア素材、二種類のイヤーパッドが付属し、合皮が標準チューニングで、ベロアが中域ダンピング。後者は余計な中域を抑えることで抜け感や透明感を強める、相対的に低域と高域を目立たせるといったチューニングを狙える。
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