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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第262回】

Fostexの組み立てキット「RPKIT50」で自作体験!世界基準の平面駆動型モニターヘッドホンを自分色にしよう

公開日 2021/08/12 06:30 高橋 敦
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Point 5
『ネジを締め直すときは、木ネジ式にまずは逆回し』


このキットの場合、一回完成しても再びバラしてチューニング変更し、組み直すことも多々あるはず。そこで気に留めておいてほしいのが、一度外したネジを再び締め直す際には、ネジ穴内のネジ山を潰さないように注意すること。

プラスチックのネジ穴にネジを無造作に再びねじ込むと、既存のネジ山からズレた新しいネジ山が強引に刻み直しされてしまうことがある。それが繰り返されるとネジ山がボロボロになり、締めても締めても締まらないなんてことに……

そこで、プラスチックと同じようにネジ山が痛みやすい、木材に木ネジを再度締め込むときの方法に倣っておくのがおすすめ。

時計回りでネジを締め込む前に、ネジをネジ穴に軽く乗せて力を入れない状態で、反時計回りにゆっくり回す。するとネジがストンとほんの少しだけ落ちる感触が伝わってくるポイントがある。そこがネジがネジ山の入り口にハマるポイントだ。そのポイントから締め込めば既存のネジ山を痛めずに締められる。

実際は明快なストンという感触は得られないこともあるが、「ここかな?」と当たりをつけてから締め込むと意識するだけでも、無造作に締めるよりはずっとマシだ。

Point 6
【使わなかったパーツをしっかり保管しよう!』


当然だが、今回は使わなかったチューニングパーツ、予備として多めに入れてくれてあるパーツなどはしっかり保管すべし。

好みが変わってチューニングをやり直したくなることもあるだろうし、好みドンピシャで聴きまくったらエージングが進んで音が変わってきて微調整が必要になったりもするかもしれない。その時に備えてパーツはしっかり保管!

チャック付き収納パックは何かと便利なので、細々としたパーツを扱う趣味のある人は百均等で確保&常備!


趣味性と実用性をハイレベルに兼ね備える優良キット!

最後に筆者が実際にチューニングプランを検討し、組み立て、その音を確認しての手応えはというと……

現在は聴き込み、そして鳴らし続けて、耳とヘッドホンの双方の慣らし運転中だが、現時点でかなり好感触!個人的には大満足!

人にオススメする観点で考えても、完成品のヘッドホンには「音の好みは人それぞれだから…」問題があるのに対して、このキットなら「好みにだいたい合ってれば、あとはそこからのチューニングで合わせ込めるよ!」とオススメしやすのも魅力。

さらに組み立てキットとしての優位として、標準仕様完成品におおよそ相当する「T50RPmk3」の存在も挙げられる。このキットが気になったら、まずはT50RPmk3をチェックすればいいわけだ。そうすることで、前述の「好みにだいたい合ってれば」も確認できる。

強いて追加要望を挙げるとすれば、高域側の和らげ具合を調整するフィルターパーツなども用意されていれば、チューニングの幅はより広がりそうだ。

だがしかし、このキットのパッケージ内容に不足を感じるような部分が出てきたなら、そこから先は各自の工夫で!というのが、この手の趣味の在るべき姿なのかもしれない。

組み立てとチューニングという行為自体の楽しさ。様々な好みに合わせてチューニングできるという幅広さ。そもそもの基礎体力的な音の優秀さ。それら趣味性と実用性をハイレベルに兼ね備える優良キットだ。



高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。


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