[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第262回】
Fostexの組み立てキット「RPKIT50」で自作体験!世界基準の平面駆動型モニターヘッドホンを自分色にしよう
Point 1
『吸音材の貼り付けは、まずはピンセットでふわっと置き、位置が決まったら指で押して貼り付け確定』
特にバッフルに小さな吸音材を大量に貼り付けるところは、吸音材をまずはピンセットでふわっと置いて、その位置で間違いないと確認したら指先で押して完全に貼り付ける!という手順がやりやすかった。
Point 2
『バッフルへの吸音材貼り付け位置は高精度でなくても多分OK』
バッフルへの小さな吸音材の大量の貼り付けにおいては、その貼り付け位置はさほど高精度である必要はなさそう。1mm未満のズレ、左右での多少の不揃い程度は、あまり気にしないでいいはずだ。
この数の吸音材を僅かなズレもなく貼り付けないと音が破綻するようなシビアな設計のヘッドホンだとしたら、それを組み立てキットとして提供しようなんて発想にはならないだろう。そもそもこのヘッドホンは内部形状自体が完全な左右対称ではなかったりするが、それで問題なく素晴らしい音を出しているのだ。
Point 3
『はんだ付け難易度は初級(※基板へのはんだ付けとしては)』
ドライバー周りでのはんだ付けは、基板へのはんだ付けとしては初級程度の難易度かと思う。ドライバー基板側にはあらかじめハンダが盛られてあり、配線側も予備ハンダ済み。基板側のハンダを溶かしたところに配線を滑り込ませる感じでいける。
ただし「基板へのはんだ付けとしては」初級程度であるが、基板へのはんだ付けに慣れていない場合は少し苦戦するかもしれない。というか筆者がまさにそれ。
それも加味した難易度の目安としては、「基板へのはんだ付けには不慣れでも、ギターの内部配線くらいはこなせる程度の経験があれば、苦戦しつつも成功はできるはず」といったところか。
Point 4
『ドライバーは「"先が細い"+1番」のご用意を!』
組み立てに必要なドライバーは説明書の記載としては「プラスドライバー(1番)」となっているが、少し注意が必要だ。ネジのサイズ的には+1番で適合するが、ネジ穴のうち何箇所かは窪みの底にあるため、先が細いタイプでないとドライバーがそのネジまで届かない。この点は前述のビデオでも触れられている。
筆者は締め切りのプレッシャーに負けて手持ちの+0番で代用したが、サイズが合っていないドライバーでの締め込みはネジ頭の+を舐めて潰してしまう危険が増すためおすすめできない。皆様はぜひ「"先が細い"+1番」のご用意を!
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