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Shureの完全ワイヤレス「AONIC 215」第2世代レビュー!高音質はそのままに使い勝手が格段に進化

公開日 2021/09/17 06:30 野村ケンジ
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手持ちのShure製イヤホンを完全ワイヤレスイヤホンとして生まれ変わらせることができるワイヤレスアダプター「RMCE-TW1」は、独立したヘッドホンアンプを搭載するなど、サウンドにこだわったモノづくりによって、2020年の発売以来、多くのShureユーザーから好評を博してきた。

特に「SE215」とセットになった「AONIC 215完全ワイヤレス高遮音性イヤホン」は、音楽の魅力を存分に引き出すベストなサウンドを聴かせてくれると、こちらも評判が高い。

そんなShure製完全ワイヤレスイヤホンが、このたび第2世代へと進化した。それが「AONIC 215完全ワイヤレス高遮音性イヤホン(第2世代)」だ。同じくワイヤレスアダプターも「RMCE-TW2完全ワイヤレス・セキュアフィット・アダプター(第2世代)」としてブラッシュアップされている。

「AONIC 215完全ワイヤレス高遮音性イヤホン(第2世代)」を検証。ブラッシュアップされたポイントを一つずつ紹介する

名前のとおり、先代と新モデルの違いは “第2世代” という部分のみで、見かけもほとんど変わらない。“シュア掛け” とも呼ばれる耳掛け型の完全ワイヤレスアダプターユニットと、「SE215」のイヤホン本体を組み合わせた製品となる。

イヤホン部「SE215」とアダプターの組み合わせによる完全ワイヤレスイヤホン

MMCX端子でイヤホン部の付け替えが可能。Shure製イヤホンのユーザーなら手持ちのイヤホンと交換も楽しめる

ちなみに同梱するイヤホン部の「SE215」は、トランスルーセントブラックのノーマル版、トランスルーセントブルーのスペシャルエディションの2モデルがラインナップされている。色やサウンドの好みに合わせて選択できるのは嬉しいかぎりだ。

プロユースでは音が変わらないことがとても重要であるため、Shureでは一度作ったモデルは何も変えずそのまま作り続ける。今回の製品においても当然のごとく、SE215のイヤホン本体の部分はまったく変わっていない。

進化した点はアダプター部分。第2世代モデルでは、ユーザビリティの向上を意図した様々なバージョンアップが行われており、使い勝手の面では格段の違いを見せる。

さまざまな機能面がブラッシュアップされ、第二世代モデルではユーザビリティの向上が図られている

まず注目したいのは「通話機能」。ステレオコールに新対応し、第1世代では右側のみだった通話機能が、第2世代では左右どちらでも利用できるようになった。これにより、両耳での通話はもちろん、左右で好きな方のイヤホンを使った片耳通話も行える。

また、左右2つずつ搭載されたビームフォーミングマイクによって、通話品質そのものにもさらなるクオリティアップが押し進められているという。通話時には、ケースから先に取り出した方のマイクを使用し、アダプターをケースに戻すと自動的に外に出ている方のマイクに切り替わる仕組みとなっている。

独得な機能性を持つ「外音取り込み機能」も便利だ。新たに「PausePlus機能」が追加され、電車乗車中にアナウンスを聞きたいときなど、曲を一時停止するだけで自動的に外音取り込みモードへと切り替わってくれるようになった。ちょっとしたことだが、使ってみるとこれがなかなかに便利である。

電車を降りて歩き出すときや、交通量の多い道路を横断するときなど、外音取り込みがオンになっていても、音楽が鳴っている状態では安全性が高いとはいい難い。音楽を一時停止するだけでは、「SE215」の高い遮音性によって、外音が耳に入ってこない。これを1回のボタン操作で解決できるため、とても使い勝手のよい機能なのだ。なお、PausePlus機能はデフォルト状態ではオフになっているので、使用する際にはスマートフォン用アプリから設定をオンにしておこう。

また、物理ボタンの操作は反応も素早く、コントロールのパターンが増えたことで、操作できるコマンドが多彩になったことも嬉しいポイント。もちろん、前モデルでもアダプター部分からのコントロールは可能だったし、着実な操作感を持つ物理ボタンを採用している点は大いに好感を持っていたが、音量調整ができないなど少し不満もあった。

しかし第2世代では、プッシュ回数ごとにシングル/ダブル/トリプルプッシュで割り当てられ、さらにシングルプッシュ+長押し(左イヤホン操作で音量ダウン、右イヤホン操作で音量アップ)が加わることで、音量調整が可能となった。また、通話中のマイクミュートもボタンで行えるようになったため、通話はもちろん、オンライン会議などで一段と扱いやすくなった。

アダプター下部の丸い部分は、側面が物理ボタンになっていて、操作もしやすい。マイクミュートも割り当てられるので、昨今のリモートワークにも活躍する

さらに、スマートフォン用アプリを活用することで、操作内容をパーソナライズすることも可能となっている。しかも、設定したパターンはアダプター本体に保存されるようになったため、アプリをインストールしていないスマートフォンやDAPに接続しても設定は保持される。使い勝手の面で、着実なグレードアップを果たしたといえるだろう。

アプリからボタンコントロールのコマンド設定を変えることも可能だ

このほか、新たにIPX4の防滴性能も確保されていて、スポーツユースや屋外での突然の雨などでも安心して活用できる。イヤホンをケースから取り出すだけですぐ使える、自動電源オン機能にも対応した。

BluetoothコーデックはSBC、AAC、そして高音質コーデックのaptXに対応しており、この点は第1世代から継承している。連続再生時間は最大8時間、専用ケースからの充電あわせると最大32時間で、こちらも従来と変わらない。

だが、第二世代ではBluetoothチップにQualcomm製「QCC3020」というモデルを採用しており、これによりケースから先に取り出した方がマスターユニットとなってくれる(第1世代は片側固定だった)。今回テストまではできなかったが、意識して先に取り出す側を変えれば、多少なり再生時間が延びてくれる可能性もある。

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