【特別企画】従来モデルとの違いも比較
ULTRASONEの新“Signatureシリーズ”3モデル一斉レビュー!「S-Logic 3」がもたらす一段上の聴き心地
■3モデルそれぞれが着実に進化!聴き心地の良さ/細部の表現は特筆もの
ということで、3製品それぞれのサウンドを、先代に当たるモデルとも比較しつつ確認してみた。
まずは「Signature MASTER」から。自然な音色と、ダイナミックな抑揚表現を併せ持つ音。「Signature PRO」に対して、随分とニュートラルな高域表現に生まれ変わっているため、女性ヴォーカルなどはなかなか心地よい歌声を聴かせてくれるようになった。
Aimerなどは、ほんの少しハスキーな方向にシフトしているが、ディテールが細部まで伝わる丁寧な表現によって、普段よりも一段と印象的な歌声に感じられる。声質の描き分けも巧みで、ヴォーカルそれぞれの特徴がしっかりと伝わってくる描写力の高さも嬉しい。解像感が高く、空間的な広がり感も3製品中いちばん良好など、実力の高さもかなりのもの。それでいて随分と聴き心地が良くなっているのだから、なかなかに魅力的な製品といえる。
聴き心地のよさという点では、「Signature NATURAL」も秀逸だ。高域がさらに耳馴染みのよい音色となり、かつ低域から高域まで一体感のある表現となっているため、ゆったりとした気分で音楽を楽しめる、リスニングにはもってこいの1台となっている。解像感の高さやキレのよさなどは「Signature MASTER」に譲るが、それほど大きい差ではなくモニター用途でも充分使用できる。
いっぽう、Jポップやアニソンの一部など、クセの強いミックス&マスター曲はこちらのほうがバランスよく再生してくれたりもするので、どちらを是とするかは、あくまでもよく聴く楽曲の傾向や音の好みの範疇といえる。
ちなみに、こちらの製品は価格の近い従来モデル「Signature STUDIO」と比較試聴してみたが、バリバリのプロモニターである同製品とは全く異なるサウンドキャラクターで、モニター、リスニングの両方で活用できる「Signature NATURAL」の実力の高さに大いに感心させられた。
最後の「Signature PULSE」は、先の2製品とは全く異なるキャラクターで、ダイレクト感の高いパワフルなサウンドが特徴。ヴォーカルは、とても近い距離で活き活きとした歌声を聴かせてくれる。特に女性ヴォーカルは、普段より伸びやかなヌケのよい歌声を楽しめる。
先の2つと比べると厳密にはややSN感が劣るが、それを補う勢いのよさ、メリハリのよさを持ち合わせているため、それほど気にならない。「S-Logic 3」の効用なのか嫌なピークがなくディテール表現もしっかり伝わってくれるため、こちらの音色のほうが好みという人も少なからずいることだろう。なかなかに魅力的なサウンドといえる。
「Signature DJ」と比較試聴してみたが、解像感やダイナミックレンジの幅広さなどは前者に分があるものの、音色のニュートラルさなど質感については「S-Logic 3」を搭載する新モデルならではのアドバンテージを持ち合わせている。サウンドキャラクターの好みはあるかもしれないが、DJ系Signatureを購入したいと考えている人は、まずは「Signature PULSE」から試聴することをオススメしたい。
このように新 “Signature” モデル3製品は、元となる製品が異なっていたり、サウンドキャラクターがそれぞれ違っているなど、どれも特徴的な製品に仕上がっている。まずは3つを聴き比べてみて、自分好みの製品はどれか、選び出して欲しい。
(企画協力:株式会社アユート)