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【特別企画】リアルさと迫力、どっちが好み?

着けているのを忘れる“超快適”ゲーミングヘッドセット、オーディオテクニカ「ATH-GDL3/GL3」レビュー

公開日 2021/11/17 06:30 関根 慎一
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Far Cry 6は敵の拠点に一人で乗り込み、1対多の戦闘を繰り返すのが攻略の基本パターンだ。攻略の仕方はプレイヤー次第だが、忍び寄って一人ずつスニークキルをしてもいいし、真正面から突撃して鉛玉の雨を降らせるもよし、時には敵の車両を奪って建物に突っ込んでみたり、特殊な薬物を投入して敵の同士討ちを狙ってみるといった戦法も用意されており、多様なプレイスタイルが許容されている。

開放型のATH-GDL3と密閉型のATH-GL3を交互に使ってプレイしてみた感覚としては、ATH-GDL3は環境再現重視、ATH-GL3はその場の迫力重視という印象を受けた。

ATH-GDL3はプレイヤーを中心に周囲の物音がどの方向から聞こえてくるのかが掴みやすく、距離感や空気感の再現性に優れる。物陰に隠れて聞き耳をたてれば、遠浅の海岸に寄せる波音や、手前の道路を走る軍用車両の走行音、基地の警報装置が発するビープ音、そのすぐそばを巡回する敵兵士の足音などが重なり合うように感じられ、作品世界にリアリティを与えている。

開放型の「ATH-GDL3」は、音の距離感や空気感の再現が得意。

一方のATH-GL3では、ATH-GDL3にあった定位感は薄れ、聞こえてくる音そのものが強調されているように感じた。乗り物に乗っているときの排気音や、車上で乱射する軽機関銃の連射音、炎上しながら墜落するヘリの爆発音、通信から聞こえる味方からの称賛の声など、耳に入るあらゆる音が間近で生々しく再現される感覚があり、迫力、臨場感という点ではこちらに軍配が上がる。

どちらが良いかというよりは好みの問題なので、作品世界を楽しみつつステルス戦闘を楽しむのか、とにかく銃を撃ちまくりたいのか、ゲームに何を求めているかによって選べばいいのではないだろうか。

密閉型の「ATH-GL3」は、より迫力に優れた音作り

いわゆる“バトロワゲー”、PvPシューターは、いかに自分の位置を悟られずに相手の位置を掴むかが短期的な勝敗を分ける大きな要因になる。ざっくりとでも相手の位置を把握できたならば、そこから相手がどのように動くのか予想を立てられるし、敵が顔を出す位置が予測できれば、狙いをつける動作や時間が少なくて済む。

とても微妙な差ではあるのだが、結局は小さな積み重ねが結果につながりやすい。そうした小刻みな決断を行うための判断材料のひとつが「物音」だ。それは例えば遠くから聞こえる銃声だったり、建物内部からかすかに聞こえる駆け足の足音だったり、ドア越しに敵チームがアイテムを物色している音だったりするだろう。

ハウジングには、マイクのミュートスイッチやボリュームダイヤルを内蔵

ことApex Legendsでの実用性を考えれば、ATH-GDL3とATH-GL3では比べるべくもなく前者の方が優れている。もちろん距離感まで正確にわかるはずもないが、敵キャラクターがいる方向の掴みやすさでいえば、ATH-GDL3の方が圧倒的にわかりやすい。

ATH-GL3では近くで音が鳴っているのはわかるが、その方向を瞬時に判断する際の精度はATH-GDL3に譲る。この場合は音の迫力や臨場感などは重要でないので、「音の聞こえる方向が正確にわかる」点でATH-GDL3を選ぶメリットは大きい。



繰り返しになるが、今回「ATH-GDL3」「ATH-GL3」の両製品を使ってみて改めて感じたことは、軽量であることのすばらしさだった。実用品として使うかぎり、長時間装着してもそれほど疲労を感じないのは美点だと言える。イヤーパッドやヘッドバンドなどを含むヘッドセット全体の設計が優れていることの賜物であるとは思うが、それにしても「長時間使うヘッドセットが軽量であること」は、少なくとも本機を使う理由のひとつに十分なりうる体験だった。

本機は「ゲーミングヘッドセット」というカテゴリに属する製品だが、長引くコロナ禍で遠隔授業やテレワークが普及し、いまやヘッドセットは多くの個人ユーザーにとって「色々なシーンで使える便利デバイス」という認識ではないだろうか。

利用シーンが増えればユーザーの装着時間も増えるので、できれば一定のクオリティに達している製品を選びたいところ。その点、ヘッドホンやマイクの単体製品を多く擁するオーディオテクニカの「ATH-GDL3」「ATH-GL3」は、音質や装着感、価格のバランスという点で、良い選択肢になりうるだろう。

(企画協力:オーディオテクニカ)

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