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Polk Audioのスピーカーはなぜ「安くても高音質」なのか? 新入門機「Monitor XT」でわかった魅力
■フロア型2モデル「MXT60」「MXT70」を試聴
フロアスタンディングタイプの「MXT60」を試すと、こちらは低域の量感に余裕が生まれレンジも伸びる。良いなと思ったのは、このスピーカーも小音量時の低域のやせが極小であるということ。さらにBTSではボーカルがしっかりと前へ出て、バックミュージックとの対比に深さが出てくるから興味深い。
また、エスペランサ・スポルティングはベースの表現力が増すことで、生音の表現に近くなる。低域の表現力が上がっているため、音楽に一番大事なリズムに活動感も生まれてくる。山田和樹はパッと聴いてもスケール感が増しているが、コントラバスなどの低域楽器のディテールも明瞭になっており印象が良かった。
最後は、シリーズで最も大型の「MXT70」を試した。ユニットとしてはトゥイーターに加えて、16.5cm径のバイ・ラミネート・コンポジット・ウーファー2基と16.5cmのパッシブラジエーター2基搭載。このスピーカーは全帯域におけるディテールの表現が大変優れており、シリーズの中でも1つ抜けた音質をもつ。
全帯域の音の質感がより統一され、付帯音も少ない。大型のキャビネットを生かし、ウーファー/パッシブラジエーターを合計4基も搭載したことで、低域のリアリティが上がっている。シリーズに共通する鳴りっぷりの良さはそのままに、エスペランサ・スポルティングや山田和樹ではベース、コントラバスなど低域のエネルギーが厚い表現だった。
「Monitor XT」シリーズは、アメリカらしくグルーブ高いサウンドが特長だが、その音の良さは1つの画期的技術ではなく、複数の技術の組み合わせによって生まれている。グレコ氏によると、Polk Audioはイギリスのスピーカーがもつ優れた音場表現に注目しており、サウンドステージの広さや奥行きもしっかり出す傾向にあるという。
また、大切なのは技術だけではない。Polk Audioでは製品のプロトタイプが出来上がると、上述のゴールデンイヤーズが音質を確認するのだが、「測定値が優れていても良い音が出るとは限らない」とスターンズ氏は話していた。実際に耳で聴いて、音質チューニングを徹底して行うことで、音の完成度を上げているというわけだ。
ほかにも、いつも開発時に念頭に置くことに「容易なスピーカーセッティングでも良い音が出せる」というものがある。自宅にオーディオルームを持たない人も増えているなか、音響には不利な場合も多いリビングなどの室内でも、良い音が出せるというのはありがたい。これは同社の「幅広いユーザーに良い音を体験してほしい」という開発理念にも通じるポイントである。
グレコ氏は「予算の制限がない状態であれば、良いスピーカーを作ることはさほど難しくありません、しかしお手軽な価格で良い音を作ることは企業にとってチャレンジングであり、そして誇りに思っていることです」と語る。そして来年で創立50周年にあたる同社、どうやら節目の年に合わせて注目製品も出てきそうだ。
(提供:ディーアンドエムホールディングス)