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【特別企画】オーディオアクセサリー銘機賞 グランプリ受賞

徹底したノイズ対策、主役に比肩する電源ボックス。オーディオリプラス「STP-6」の音を審査員が語る

公開日 2021/12/14 06:30 福田雅光/井上千岳/林 正儀/炭山アキラ/生形三郎
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■繊細な部分が磨き抜かれたように透き通る(井上)

19年ぶりのリファインということだが、そのノイズ対策が大変周到だ。そしてそれを反映しているのかS/Nが非常に高い。音の隅々までクリーニングが行き届いているような清浄感と透明感が際立っている。

特に惹かれるのはディテールのごく繊細な部分が、その先端まで磨き抜かれたように透き通るような感触を備えていることだ。バロックの弦楽器やピアノ・ソロ、オーケストラの大音量時でさえそれを感じる。汚れという汚れが全て拭い去られ、純白の光を放っているかのようだ。

■ローレベルの美しさは別格。定位鮮明だ(林)

恐しいほどのノイズ消滅能力である。新構造や加工精度の進化は見事で、聴力の限界まで静かにデリケートに……。雑味や付帯音のまるでない、音源そのものといえる音楽世界が眼前に現れたのだ。ローレベルの美しさは別格で、管弦楽は壮大かつ起伏に富む再現性だ。

澄み切った空間に「椿姫」のアリアが響き、重なりあった音色を愉しむ。定位鮮明。フォーカスがしぼられ解像力もアップ。ジャズは突進力や熱量の高まりを体じゅうに浴びた実感だ。究極のパワータップといってよいだろう。

■S/Nが猛烈に上がり、実体感がみっしりと詰まる(炭山)

我が家では自作電源タップと相当の高級品メーカー製ボックスを併用している。そのうちのメーカー製ボックスと本機を置き換えて音を聴き比べたのだが、あまりの音質差に言葉を失った。S/Nが猛烈に上がって音像に実体感がみっしりと詰まり、音場の広大さと濃厚さはまさに比類がない。

ただし、副作用も散見された。具体的には声の帯域に少々詰まるというか、キツい部分が現れたのだが、おそらくこれは私が自身の装置を長年「メリハリ調」に躾けてきたせいであろう。機器の選択まで変えさせてしまう圧倒的な影響力を持つ電源ボックスだ。

■明瞭な輪郭、背景の静けさに息を呑む(生形)

まず実機を目の前にすると、外観の重厚さに加え、その重さにただただ圧倒される。佇まいからして尋常ではない。試聴室のパワーアンプに接続されていた電源ボックスを「STP-6」に変更すると、静寂で心地よい冷涼感を湛えたサウンドが飛び出してきた。とりわけピアノ弦やシンバルなどの金属を材質に使った楽器のアタックが、明瞭な輪郭でもってクールな音色感で立ち上がるさまが快い。同時に、音楽の背景の静けさがひとしおで、演奏空間の空気感までが如実に伝わってくる。

(提供:オーディオリプラス)

本記事は『季刊・Audio Accessory vol.183』からの転載です。

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