【PR】評論家・山之内正氏がテスト
“音が変わらない”正確なCDリッピングが魅力。パイオニア製BDドライブ最新機「BDR-X13J-S」を試す
■「PureRead 4+」でリッピングした音源を聴く
BDR-X13J-Sでリッピングした音源を筆者が普段使っている複数の再生方法で試聴した。まずはMacBook ProのAudirvanaで再生し、USB DAC(エソテリック「K-01Xs」のDAC部を活用)に入力。リファレンスシステム(アキュフェーズ「C-2900」+「A-75」、ウィルソンオーディオ「Sophia3」)で聴く。
最初に聴いたのはビル・エヴァンストリオ《ビハインド・ザ・ダイクス》の「ワルツ・フォー・デビー」。昨年後半に発売されたばかりの新しいディスクで、盤面にキズはなく、汚れもついていない状態だ。
ピアノ、ベース、ドラムスそれぞれの楽器イメージが鮮明かつ揺らぎなく定位し、50年以上前の録音とは思えないほど各楽器のセパレーションも高い。録音年代は古くてもコンディションの良いマスターからリマスタリングしているので、音の鮮度は非常に高いのだ。エディ・ゴメスのベースは一音一音のアタックが曖昧にならず、E線やA線の緩みがないタイトな音色をつねにキープしているし、マーティ・モレルのドラムスは立ち上がりが俊敏で、録ったばかりのマスターを聴いているようなフレッシュな音が飛び出す。
同じ音源をfidataのサーバーに保存し、Roonを経由してリンの「KLIMAX DS」で再生すると、ピアノの和音がさらに澄んだ響きになり、短いコードでも自然にきれいなバランスに整うビル・エヴァンスのマジックが実感できる。ベースは弦が指板に当たる音の生々しい感触や驚異的な速さのポジション移動など、演奏現場の光景が目に浮かぶようなリアリティがある。
次に、盤面全体に細かいキズが付いてしまったジェーン・モンハイトの《テイキング・ア・チャンス・オン・ラヴ》をリッピングし、さきほどと同じ2つのシステムで試聴した。新しいディスクに比べるとリッピングにかかる時間は明らかに増えているので、複数のアルゴリズムを組み合わせながらリトライを行っていることがわかるが、パーフェクトモードで正常にリッピングを終えることができた。
このアルバムは、CDをそのまま再生するとプレーヤーによって音の鮮度や勢いが失われているように感じることがあるのだが、パソコンのAudirvana、リンのKLIMAX DSどちらで再生してもそんな不満は微塵も感じない。それどころかホーン楽器群の鋭く明るい音色やモンハイトのボディ感あふれるヴォーカルの良さが全開となり、生まれ変わったような鮮度の高い音を味わうことができた。ベースやドラムなどリズム楽器は音像が引き締まっているし、モンハイトとのデュエットで登場するマイケル・ブーブレのなめらかな声の質感も忠実に引き出すことができた。
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