【特別企画】装着性や機能性も高水準
ヤマハ「TW-E5B」レビュー。“耳の健康”にまでこだわる、楽器メーカーならではの完全ワイヤレス
■通話や外音取り込みでも音質向上。マイクの作り込みにも注目
いっぽうで、イマドキはテレワークやオンライン会議(学生ならオンライン授業)などの機会が多くなっているため、外音取り込みや通話音声の品質も気になるところだろう。
TW-E5Bはマイクにもかなり注力しており、「Qualcomm Clear Voice Capture(cVc)」に対応しているほか、音質自体についてもかなりの作り込みがおこなわれている様子が窺える。実際、外音取り込みモードの「アンビエントサウンド」に切り替えてみると、まるで周りの音を直接聞いているかのような、まったく違和感のない音声が聞こえてくるのだ。
また、通話品質も試してみたところ、人の声が聞き取りやすい、話している内容がとても分かりやすい音声になっている。こういった、良質な外音取り込みや通話音声を持つ製品はまだまだ少ないため、この点だけでもTW-E5Bの大きな魅力といえるだろう。
■長く音楽を楽しむために、耳をいたわる独自機能「リスニングケア」
第1世代から続くヤマハ完全ワイヤレスイヤホン独自のコンセプトも引き続き盛り込まれている。それが「リスニングケア」だ。
「リスニングケア」とは、小さなボリュームの時ほど低域と高域が聴こえにくくなる人間の聴感特性や、リスニング環境ごとの聴こえ方の違いに着目して、帯域バランスが最適になるように補正するもの。音量の大小にかかわらず自然で聴きやすい音を再現することで、過度な音量アップによる耳への負担を抑えるシステムだ。
実際、TW-E5Bに搭載されているリスニングケア機能を利用すると、かなり小さめのボリュームでも演奏の迫力が損なわれず、ヴォーカルの声がしっかりと届いてくれる。装着感のよさとも相まって、電車内など周りの騒音レベルが高い場所でも、それほど音量を大きくしなくても充分に楽しむことが可能だ。
聴覚は音を聴き続けている量によって劣化することが分かっており、それは音量と時間の積算である程度の数値が推測されている。つまり、大音量/長時間で音楽を聴く習慣が続けば続くほど、耳が聴こえにくくなるリスクが高まっていくということだ。
その点、長く音楽を楽しみ続けるためにも、「リスニングケア」は大いに魅力的なシステムといっていいだろう。通勤通学時のながら聴きの際にはオンに、集中して楽しみたいときだけオフにするなど、強弱を付けて積極的に活用したいところだ。
ちなみに、TW-E5Bには新開発のスマートフォン用アプリ「Headphone Control」が用意されている。こちらを活用することでリスニングケアはもちろん、外音を取り込むアンビエントサウンド、ゲームや動画視聴時などの音ズレを低減する「ゲーミングモード」といった機能を手軽に切り替えることができる。
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