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Astell&Kernはワイヤレスでも強い!初TWS「AK UW100」&BTスピーカー「ACRO BE100」一斉レビュー
そのハウジングはイヤーモニター的なフォルムで耳にフィットし、柔らかめの感触のイヤーピースも耳穴に優しく密着する。それらのおかげで実際、遮音性はかなりのハイレベルだ。本格的なイヤーモニターには及ばないが、「ステージレベルの遮音性を誇る本格イヤモニを比較対象に持ち出したくなるレベルの遮音性」なのだから一般には十分だろう。
いよいよサウンドをチェック。聴いてみると、前述のBAドライバーらしい繊細さや自然さを生かしつつ、BAシングルらしからぬワイドレンジさも感じられるのが驚きだ。
BAドライバーらしい繊細さとしては、例えば、女性ボーカルの子音や息の成分の感触が素晴らしい。シャープでありながらも耳に刺さる鋭さではなく、心地よい刺激を鼓膜に与えてくれる。
YOASOBI「怪物」のボーカルの透明感、いくつも重ねられたボーカルの立体的な配置や重なりの再現性も見事だ。同曲でのシンセによるテーマリフ、他の曲ではDream TheaterやKornのヘヴィなギターリフなどでは、音のエッジの鋭さによってフレーズの攻撃力もしっかり表現される。
音楽全体の印象としても、シャープネスとクリアネスが際立ち、空間全体の見晴らしが良い。様々な音が広いレンジに詰め込まれているAimer「残響散歌」のサウンドも、その全ての音を容易に耳で追えるほどだ。手数の多いドラムも一発一発の抜けがよいので、ひとかたまりになってしまうことなくフレーズとして届いてくる。
BAシングルでは対応が難しいはずの低音側にも不足は感じられない。Robert Glasper Experiment「Human」では、冒頭のワイドレンジかつディープなベースも、その音色を飽和させることも潰すこともなくしっかり受け止めて再生する。さすがにサブベース帯域の響きこそ薄まるものの、BAシングルで出せる範囲の帯域での、低音の整え方が巧みなのだ。無理矢理捻り出された重低音のような不自然さがないのが好ましい。
完全ワイヤレスにして、有線を含めたBAシングルイヤホン全体の中でも、特に優れたモデルのひとつと言えるサウンド。Astell&Kernの名を完全ワイヤレスユーザーにも知らしめる一撃となり得るだろう。
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