PR下位モデル「ROG Delta S」にも注目
ガチの音響設計、動くドットで個性バツグン!「ROG Delta S Animate」の完成度がかなり高い
ゲームでも音楽再生でも活用できる「高音質」
それではサウンドのレビューに移っていこう。本機種はDACチップとしてMQA対応の「ESS 9281 Quad DAC」を搭載しているなど、音質面へのこだわりも見逃せない。
内蔵されているドライバーユニットは20Hz - 40kHzの周波数特性で、ハイレゾへの対応も謳っている。ゲームプレイ時の音質だけでなく、音楽の再生能力にも期待できそうだ。
細かな音まで把握できるサウンド。PS5やSwitchとの相性も◎
まずはPCで「Apex Legends」をプレイし、サウンドの定位感や効果音の質感を確かめてみる。一聴してすぐに感じるのがS/Nの良さで、背景で鳴っている小さな音も容易に聞き取れる。遠くの戦闘の様子なども把握しやすいため、敵を避けながら進んでいくというルート選択にも役立った。
また、前後左右の定位感の正確さに加え、上下方向の再現性もなかなかに優秀だ。頭上の屋根の上を走る敵の足音など、咄嗟の状況把握においても優位な試合運びが期待できるだろう。さらに音自体のディテールも細かく、発砲音の聴き分けもしやすい。
イヤークッションのフィッティングの良さも相まって、気がつけばレビューのことを忘れてプレイに没頭してしまうほど、深い没入感を得ることができた。試合上のアドバンテージとしても、純粋なゲーム体験としても素晴らしい時間を楽しむことができるはずだ。
ちなみに本機はPCやMacだけでなく、スマートフォンや、PlayStation 4/5、Nintendo Switchなどのゲームコンソールにも対応している。ヘッドセット本体から伸びているケーブルはUSB-Cだが、USB-Aオス to USB-Cメスの延長ケーブルも付属しているため、別途変換アダプターなどを用意する必要もなく使用できる。
PS5とNintendo Switchでもテストしてみたが、どちらも接続しただけで認識されてすぐに使用できた。PS5では「ELDEN RING」、Nintendo Switchでは「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」をそれぞれプレイしたところ、風が吹いて草木を揺らすような環境音や、敵との迫力ある戦闘など、各タイトルの作り込まれたサウンドを存分に楽しめた。
特にNintendo Switchでは、ゲーム機本体のUSB-C端子にも接続できるため、携帯モードでも気軽にヘッドセットを使用できるのが嬉しいところ。PCゲームのみならず、コンシューマーゲームも手広く遊んでいるゲーマーにもぜひ使ってみてほしい。
普通のヘッドホンとしても使える音楽再生能力
続いて、音楽再生はどうだろうか。今回はPCで音楽再生ソフト「Audirvana Studio」を使い、鈴木このみ「Missing Promise」のMQA音源(96kHz/24bit)を再生してみた。
全体的にやや硬質でライトめな質感ではあるものの、細やかな音の粒立ちもなかなかのものだ。ドラムスはレスポンシブで深く鳴り、ストリングスにはハリ感がある。ダイレクトなボーカルの表現力も良い。
正直、ゲーミングデバイスで音楽を聴いていることを忘れてしまいそうになるほど、普段のオーディオ体験に近い感触を覚えた。
マイクは着脱式になっているため、マイクを外してしまえば普通のヘッドホンと何ら変わらない使い勝手になる(USB接続ではあるが)。ヘッドホンアンプなどにこだわりのある人でない限りは、手軽な環境としてこれ1本で事足りてしまいそうなほどに、音質・実用性ともに使い勝手に優れたクオリティだと感じた。
なお、「Armoury Crate」では詳細なオーディオ設定も用意されているため、こちらをとことん調整し、自分好みのサウンドにセッティングしていくのも面白いと思う。