PR110周年機の技術を多数投入の中級機
日本のアンプもここまできた。デノン「PMA-1700NE」が“超ハイコスパ”である理由
デノンより、ミドルクラスの新プリメインアンプ「PMA-1700NE」が登場した。本機は110周年機「PMA-A110」の技術が多数投入された、まさに“デノンの新しい10年”を象徴するようなモデルだ。果たしてどのような音を聴かせてくれるのか、前モデルの「PMA-1600NE」、そして「PMA-A110」の両方を知る石原 俊氏が検証する。
■110周年機の技術が投入された新プリメイン「PMA-1700NE」
デノンが人気プリメインアンプ「PMA‐1600NE」の後継機、「PMA-1700NE」をリリースした。このモデルには、同社の創業110周年記念モデル「PMA-A110」を開発する過程で得られた技術が投入されている。
筐体の剛性はこのクラスのモデルとしては比較的高いが、天板などはガチガチに固めているというわけではない。おそらくは多少の「鳴き」を活かした、伸びやかな音作りを狙ったのだろう。
天板を外した状態で、上から見て左側が2基のトランスを擁する電源部だ。2つのトランスは漏洩磁束が打ち消されるよう対向に配置されている。整流回路には低損失かつ低ノイズのショットキーバリアダイオードが採用された。ブロックコンデンサーは本機専用の特注品で、ダイオードとは最短の配線で接続されている。
昨今はパワーアンプに可変抵抗をつけたようなプリメイン機が幅を利かせているが、本機の筐体右側には立派なプリアンプ部がマウントされている。プリアンプ部はPMA-110と同様、一般的な音量では増幅を行わず、パワーアンプ部のみで増幅することでノイズレベルを低減させることに成功した。
またPMA-110と同様、電子式ボリューム回路が採用されており、可変抵抗器は使用されていない。プリアンプ部にはMM/MC対応のフォノイコライザーが搭載されている。さらにはDSD 11.2MHz、PCM 384kHz/32bit対応のUSB-DACも搭載しており、入力はデジタル/アナログとも万全の構えだ。
筐体の中央には大規模なヒートシンクを擁するパワーアンプ部が鎮座する。終段はUHC(Ultra High Current)MOSのシングル・プッシュプル。この手法は1993年にリリースされた「POA-S1」という超弩級モノラルパワーアンプに由来するものだ。本機の出力は70W×2(8Ω)/140W(4Ω)と、このクラスのモデルとしてはリニアリティが高い。
電源を投入し暖機運転を施すと、本機は比較的発熱が多いことに気づく。伝統的なソリッドステートAB級方式で出力値が高いのだから、これはいたしかたない。フロントパネル中央のボリュームノブと右側のセレクターノブの操作感は抜群だ。動きが滑らかで、しっとりとした手応えがある。
左端の電源スイッチの右に3つ並んでいる小さなスイッチは、左からデジタル回路とインジケーター回路をオフにするための「アナログモードスイッチ」、信号がトーンコントロールとバランス調整回路をパスする「ピュアダイレクトモードスイッチ」、フォノイコライザーの「MM/MC切り替えスイッチ」だ。
アナログ入力はシングルエンドのみで、フォノが1系統、ラインが4系統。デジタルはUSB-B/同軸/光の3系統。スピーカー出力は2系統でバイワイアリングにも対応している。
■110周年機の技術が投入された新プリメイン「PMA-1700NE」
デノンが人気プリメインアンプ「PMA‐1600NE」の後継機、「PMA-1700NE」をリリースした。このモデルには、同社の創業110周年記念モデル「PMA-A110」を開発する過程で得られた技術が投入されている。
筐体の剛性はこのクラスのモデルとしては比較的高いが、天板などはガチガチに固めているというわけではない。おそらくは多少の「鳴き」を活かした、伸びやかな音作りを狙ったのだろう。
天板を外した状態で、上から見て左側が2基のトランスを擁する電源部だ。2つのトランスは漏洩磁束が打ち消されるよう対向に配置されている。整流回路には低損失かつ低ノイズのショットキーバリアダイオードが採用された。ブロックコンデンサーは本機専用の特注品で、ダイオードとは最短の配線で接続されている。
昨今はパワーアンプに可変抵抗をつけたようなプリメイン機が幅を利かせているが、本機の筐体右側には立派なプリアンプ部がマウントされている。プリアンプ部はPMA-110と同様、一般的な音量では増幅を行わず、パワーアンプ部のみで増幅することでノイズレベルを低減させることに成功した。
またPMA-110と同様、電子式ボリューム回路が採用されており、可変抵抗器は使用されていない。プリアンプ部にはMM/MC対応のフォノイコライザーが搭載されている。さらにはDSD 11.2MHz、PCM 384kHz/32bit対応のUSB-DACも搭載しており、入力はデジタル/アナログとも万全の構えだ。
筐体の中央には大規模なヒートシンクを擁するパワーアンプ部が鎮座する。終段はUHC(Ultra High Current)MOSのシングル・プッシュプル。この手法は1993年にリリースされた「POA-S1」という超弩級モノラルパワーアンプに由来するものだ。本機の出力は70W×2(8Ω)/140W(4Ω)と、このクラスのモデルとしてはリニアリティが高い。
電源を投入し暖機運転を施すと、本機は比較的発熱が多いことに気づく。伝統的なソリッドステートAB級方式で出力値が高いのだから、これはいたしかたない。フロントパネル中央のボリュームノブと右側のセレクターノブの操作感は抜群だ。動きが滑らかで、しっとりとした手応えがある。
左端の電源スイッチの右に3つ並んでいる小さなスイッチは、左からデジタル回路とインジケーター回路をオフにするための「アナログモードスイッチ」、信号がトーンコントロールとバランス調整回路をパスする「ピュアダイレクトモードスイッチ」、フォノイコライザーの「MM/MC切り替えスイッチ」だ。
アナログ入力はシングルエンドのみで、フォノが1系統、ラインが4系統。デジタルはUSB-B/同軸/光の3系統。スピーカー出力は2系統でバイワイアリングにも対応している。