ハイレゾ再生から人気スピーカーとの相性までチェック
デノンの小型アンプ「PMA-60」を全方位レビュー。従来機PMA-50から進化した音質を検証
■大ヒットとなったUSB入力搭載・小型プリメインがモデルチェンジ
オーディオメーカーにとって、人気製品のモデルチェンジは正直プレッシャーがかかるものだろう。現行製品の優秀な点をさらに伸ばしつつ、新たな価値をユーザーに提示しなくてはいけない。もちろん製品を刷新する意義は大きい。発売後に発見した新たなアイデア、新しく登場したパーツやデバイス、さらにユーザーから寄せられたフィードバックを“上積みするかたち”で搭載でき、より強力なブラッシュアップを狙えるからだ。
そして、今回レビューするデノンのUSB-DAC付きプリメインアンプ「PMA-60」は、まさにそんな「人気モデルの高い進化」を具現化した1台である。
ご存知の方も多いと思うが、PMA-60の前モデルは一時品薄になるほど人気のあった「PMA-50」(関連ニュース)だ。小型でデザイン性の高いシャーシ、そしてその小型ボディ内にクアルコム社の先進的なデジタルアンプ・デバイス「DDFA」を搭載し、従来のデジタルアンプのイメージを覆す高い音質と強力なスピーカー駆動力をもって多くのオーディオファンから高い評価を受けた。
果たしてPMA-60の能力は、このPMA-50からどれほど進化したのだろうか。本稿では、ライン入力、USB-DAC、Bluetoothなど多角的なソースを使用しながら、PMA-50との音質比較、スピーカー組みあわせテストも行い、その性能を徹底的にレポートしたい
■新たにDSD 11.2MHz、PCM 384kHz/32bitまで対応
まずは、プリメインアンプとしてのスペックを従来モデルと比較しながら確認しよう。PMA-60はデノンの“デザインシリーズ”と言われるラインナップに属する。第一印象はそのシリーズ名のとおり、質感の高いデザインに目が行くはずだ。
3mm厚のアルミニウムパネルにサンドイッチされた筐体には、有機ELディスプレイが備えられいる。一見するとPMA-50とまったく同じに見えるが、ボリュームノブがアルミ化されるなど細部はさらに洗練された。もちろん縦置にも対応しているので、デスクトップや部屋のちょっとしたスペースにも容易に設置できる。つまり、今日的なライフスタイルに合わせやすい、ちょうどよい大きさとデザインなのだ。
入力はアナログRCA、同軸デジタル、光デジタル(2系統)、USB-Bを搭載。さらに、高音質コーデックのaptXとAACに対応するBluetooth接続機能を備えている。これにより、CDプレーヤー、パソコンをトランスポートしたUSB-DAC、スマホにも柔軟に対応する。
出力は最大50W+50Wで、1系統のスピーカー端子とRCAのサブウーファー出力、また6.3mm標準ジャックのヘッドホン端子も搭載されている。これは余談になるが、小型ボディを生かしてテレビの横などに設置して、光入力とサブウーファー出力を利用すれば、より良質で迫力のある音でテレビや映画を楽しむことにも使えそうだ。
そして、今回のモデルチェンジで大きな変更点となったのが、PMA-60の心臓部といえるDDFAが最新世代になったことだ。
DDFAは入力段から最終段のPWM変調まで一貫してデジタルでの処理を行う。さらに出力した信号をフィードバックして、入力信号を高精度に補正するクローズループ機能を備えている。これらはDDFAが他のデジタルアンプ・デバイスと一線を画す点であり、優れたオーディオ特性を実現できる理由ともいえる。
PMA-50に搭載された従来型のDDFAデバイスも同様の機能を備えていたのだが、デジタル信号処理とフィードバックを別々のチップで行う2チップ構成だった。それに対しPMA-60は、オーディオ特性を維持しながら1チップ構成を実現。これによりさらなる小型化はもちろん、回路設計に自由度が生まれ、より音質を優先した設計や部品選定が可能になったのである。
さらに、デノンが長年かけて築き上げ、大切にしてきたビット拡張&データ補完によるアナログ波形再現技術「Advanced AL32 Processing」は、新たに「Advanced AL32 Processing Plus」に進化。合わせて、USB-DACの対応レゾリューションは、DSD 5.6MHz & PCM 192kHz/24bitから、DSD 11.2MHz & PCM 384kHz/32bitへと進化した。
■従来モデルと比較試聴して目の当たりにした飛躍的な進化
それでは試聴に入ろう。まずはPMA-60と前モデル PMA-50との比較を軸に、アナログ入力、USB入力、ワイヤレス再生の試聴を行った。
オーディオメーカーにとって、人気製品のモデルチェンジは正直プレッシャーがかかるものだろう。現行製品の優秀な点をさらに伸ばしつつ、新たな価値をユーザーに提示しなくてはいけない。もちろん製品を刷新する意義は大きい。発売後に発見した新たなアイデア、新しく登場したパーツやデバイス、さらにユーザーから寄せられたフィードバックを“上積みするかたち”で搭載でき、より強力なブラッシュアップを狙えるからだ。
そして、今回レビューするデノンのUSB-DAC付きプリメインアンプ「PMA-60」は、まさにそんな「人気モデルの高い進化」を具現化した1台である。
ご存知の方も多いと思うが、PMA-60の前モデルは一時品薄になるほど人気のあった「PMA-50」(関連ニュース)だ。小型でデザイン性の高いシャーシ、そしてその小型ボディ内にクアルコム社の先進的なデジタルアンプ・デバイス「DDFA」を搭載し、従来のデジタルアンプのイメージを覆す高い音質と強力なスピーカー駆動力をもって多くのオーディオファンから高い評価を受けた。
果たしてPMA-60の能力は、このPMA-50からどれほど進化したのだろうか。本稿では、ライン入力、USB-DAC、Bluetoothなど多角的なソースを使用しながら、PMA-50との音質比較、スピーカー組みあわせテストも行い、その性能を徹底的にレポートしたい
■新たにDSD 11.2MHz、PCM 384kHz/32bitまで対応
まずは、プリメインアンプとしてのスペックを従来モデルと比較しながら確認しよう。PMA-60はデノンの“デザインシリーズ”と言われるラインナップに属する。第一印象はそのシリーズ名のとおり、質感の高いデザインに目が行くはずだ。
3mm厚のアルミニウムパネルにサンドイッチされた筐体には、有機ELディスプレイが備えられいる。一見するとPMA-50とまったく同じに見えるが、ボリュームノブがアルミ化されるなど細部はさらに洗練された。もちろん縦置にも対応しているので、デスクトップや部屋のちょっとしたスペースにも容易に設置できる。つまり、今日的なライフスタイルに合わせやすい、ちょうどよい大きさとデザインなのだ。
入力はアナログRCA、同軸デジタル、光デジタル(2系統)、USB-Bを搭載。さらに、高音質コーデックのaptXとAACに対応するBluetooth接続機能を備えている。これにより、CDプレーヤー、パソコンをトランスポートしたUSB-DAC、スマホにも柔軟に対応する。
出力は最大50W+50Wで、1系統のスピーカー端子とRCAのサブウーファー出力、また6.3mm標準ジャックのヘッドホン端子も搭載されている。これは余談になるが、小型ボディを生かしてテレビの横などに設置して、光入力とサブウーファー出力を利用すれば、より良質で迫力のある音でテレビや映画を楽しむことにも使えそうだ。
そして、今回のモデルチェンジで大きな変更点となったのが、PMA-60の心臓部といえるDDFAが最新世代になったことだ。
DDFAは入力段から最終段のPWM変調まで一貫してデジタルでの処理を行う。さらに出力した信号をフィードバックして、入力信号を高精度に補正するクローズループ機能を備えている。これらはDDFAが他のデジタルアンプ・デバイスと一線を画す点であり、優れたオーディオ特性を実現できる理由ともいえる。
PMA-50に搭載された従来型のDDFAデバイスも同様の機能を備えていたのだが、デジタル信号処理とフィードバックを別々のチップで行う2チップ構成だった。それに対しPMA-60は、オーディオ特性を維持しながら1チップ構成を実現。これによりさらなる小型化はもちろん、回路設計に自由度が生まれ、より音質を優先した設計や部品選定が可能になったのである。
さらに、デノンが長年かけて築き上げ、大切にしてきたビット拡張&データ補完によるアナログ波形再現技術「Advanced AL32 Processing」は、新たに「Advanced AL32 Processing Plus」に進化。合わせて、USB-DACの対応レゾリューションは、DSD 5.6MHz & PCM 192kHz/24bitから、DSD 11.2MHz & PCM 384kHz/32bitへと進化した。
■従来モデルと比較試聴して目の当たりにした飛躍的な進化
それでは試聴に入ろう。まずはPMA-60と前モデル PMA-50との比較を軸に、アナログ入力、USB入力、ワイヤレス再生の試聴を行った。