【特別企画】米国では“身近な存在”のPolk Audio
5万円で買えるPolk Audioの“3.1.2ch”サウンドバー「Signa S4」が威力抜群すぎる
Polk Audioでブラタモリ
接続自体は至極簡単で、Signa S4側で設定する項目はほとんどない。悩むのはサブウーファーの置き場所くらいだが、とりあえずテレビボードの右横に置いた状態で視聴開始だ。
ちなみに、テレビ内蔵スピーカーと較べてもSigna S4が勝つのは当たり前(そのためのサウンドバー)なので、比較対象は拙宅リビングの現用システムであるマランツ「NR1200」とハーベス「HL-Compact」のコンビになる。30年以上前のスピーカーではあるが、総額では優に30万円を超えるステレオシステムなので、金額だけで考えたら5万円のサウンドバーが敵う相手ではない。筆者自身も「さてさて、どこまで健闘できるかな?」くらいの感覚で視聴に望んでいたことを先に告白しておこう。
まずはSigna S4の素性を知るために、普段よく観ているコンテンツ、それもサウンドの演出が過多でないテレビ番組でチェックしてみよう。この時点で違和感があるようなら失格である。選んだ番組は毎週欠かさず観ている「ブラタモリ」だ。冒頭からタモさんの声の実在感がイイ。ボリュームを上げても筐体がビビったり、音がコモったりすることがなく、しっかりと造られた製品であることが伝わってくる。
初めてサウンドバーを体験した家族にも感想を聞いてみると、少し離れた場所では今までのステレオシステムよりも声が聞き取りやすいという。なるほど、センターで聴いているとわからないのだが、たしかにファントム定位が基本のステレオシステムでは、スイートスポットを外れた時にSigna S4よりも声の実在感が薄くなる傾向がある。
言い忘れたが、Signa S4はフロントL/Rとセンター、さらに上向きにイネーブルドスピーカーを2基搭載したリアル3.1.2ch構成だ。これがテレビ画面の前に置いてあるわけで、ファントム定位ではないセンタースピーカーならではの力強いダイアローグが得られるという利点は、よく考えれば当たり前なのだが、正直盲点だった。
一方で、草Kくんの低音成分多めのナレーションではサブウーファーの音質も重要になってくるが、こちらも重量感と明瞭さを兼ね備えた、プライスタグを忘れさせるクオリティだ。低域のレベル調整はリモコンで可能だが、拙宅のリビングでは本体側のインジケーターで1.5に当たるところでバランスが取れた。
初めてサウンドバーを買ったときなど、ついついサブウーファーのレベルを上げたくなりがちだが、少なくともSigna S4の低域は量より質で勝負するタイプなので、控えめの設定でも満足度は十分に高い。