【特別企画】米国では“身近な存在”のPolk Audio
5万円で買えるPolk Audioの“3.1.2ch”サウンドバー「Signa S4」が威力抜群すぎる
サブウーファーどこに置くか問題
ただし、気になる点が無いわけではない。これはSigna S4に限った話ではないのだが、草Kくんの声がサブウーファーの置いてある画面右下にどうしても引っ張られるのだ。そもそも、LFE(Low-frequency effects)の「.1」というフォーマットが好きではない筆者は、本格的なホームシアター環境であればサブウーファーは2本使うべきだと考えているが、サウンドバー、ましてや5万円の製品にそれを求めるのも酷な話だ。
そこでサブウーファーの設置場所をあれこれ検証してみた結果、拙宅のリビングではテレビの後ろにある出窓に置いた場合が、草Kくんのナレーションだけでなく、井上陽水のテーマ曲のリバーブの深さや広がりまで格段に良くなってベストだった。
こういう時にサブウーファーがワイヤレス接続なのはじつに有り難い。テレビの後ろにサブウーファーを置けるケースは少ないかもしれないが、Signa S4のポテンシャルをフルに享受するためにも、ここは粘り強く設置場所を探してみてほしい。
お待ちかねアトモス再生
ブラタモリが十分に満足のいくクオリティとなったところで、お待ちかねのドルビーアトモス再生といこう。選んだのは圧巻のアトモスサウンドが収録された「DUNE/デューン 砂の惑星」である。
まずはApple TV 4Kで配信版を視聴したが、高さ6cmほどの薄いサウンドバーから、一体どうやって、このようなリビング全体を包み込む音場を作り出しているのか。ここ最近のサウンドバーの進化には心底驚かされるが、特にSigna S4は包囲感に作為的なところがなく、演出過多な色付けも皆無で、こうした実直なチューニングにもPolk Audioのフィロソフィーがしっかりと感じられた。
続いて、同じくDUNEを今度はUHD BDで再生(プレーヤーはパナソニックDP-UB45)してみると、冒頭のあの轟くような「夢は深淵からのメッセージだ」という台詞からして、まるで別次元。それこそ低域の深淵まで覗き込めるような、ディープな表現力には舌を巻いた。
と同時に、ロスレスとロッシーでは同じアトモスでも情報量がまるで違うということを、(繰り返しになるが、5万円というプライスタグで)ここまで克明に描きわけるSigna S4は、日本再上陸の挨拶代わりにしては威力抜群すぎる、本格派AVファンにもオススメしたいサウンドバーだ。
(協力:ディーアンドエムホールディングス)