[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第266回】
DITA新イヤホン「Perpetua」が過去最高レベルの高音質!大好物な超ハイエンドイヤホンに出会ってしまった
過酷なVGPタッチ&トライに一筋の光明
VGP審査員のお仕事のうち時間的に多くを占めるのは、投票でも審査会でもなく、そこに向けてエントリーメーカー各社から音元出版に貸し出された、膨大な数の新製品や未発表製品をチェックしまくる「タッチ&トライ」だ。1日数時間かけて一つ一つチェックしていく、最も重要な時間ともいえる。
数が数なので、より速くッッ!より迅くッッ!より疾くッッ!そしてより短時間にチェックしていく必要がある。しかしチェックが甘くなってはいけないので、そこは集中力でカバーだ。審査員としてもちろん重要なことだが、一方で長時間集中することによって疲労が蓄積していくのは否めない……
が!大変ながらも、素晴らしい製品、素晴らしい音にいち早く出会えるという、大きな魅力がそこにある。
今回のVGP審査で出会った素晴らしい製品の一つがこちら、DITA Audioの10周年記念モデルでもある、新たなフラグシップイヤホン、「Perpetua」だ。
税込42万8,000円と、現実的におすすめするのは難しい価格の製品ではある。しかし買える買えないは別として、こんなすごいイヤホンが存在することは知っておいてほしい。そう思わされる逸品だ。
DITAフラグシップの歴史
まずはDITA Audioについて、そのフラグシップイヤホンの歴史に沿って復習しておこう。
シンガポールのブランドであるDITAの名が日本でも広く知られるようになったのは、「秋のヘッドフォン祭2013」への参加からだろうか。当時のラインナップは「Answer」とそのケーブルアップグレード版「Answer Truth Edition」だった。
2017年には「Awesome Truth」をリリース。現在では各メーカーが様々な構造で採用している「プラグ部交換機構によるバランス駆動対応」をいち早く提案してくれたモデルだ。
同じ年には、同社の名声を決定付けたフラグシップ機「Dream」も発表。これは、現在まで同社ハイエンド機の特徴であるチタン製ハウジングを初採用したモデルでもある。
2019年末には「Dream XLS」を発表。質実剛健な雰囲気だったDreamに対して、サファイアガラス製フェイスプレートも装着され優美な雰囲気に。先立って発表されていたOSLO Cableの装備もポイント。
そしてここで紹介したモデルは全て、10mm口径ダイナミックドライバーのみによるシングル構成。DITAはダイナミック型ドライバーにこだわり、それに注力するイヤホンブランドのひとつなのだ。
Perpetuaをスパパパパーン!とチェック
そして2022年、Perpetua。まずは写真をスパパパパーン!と並べ、その外観からもわかるポイントを押さえていく。
次ページドライバーサイズの変更は、面積比以上に大きなポイント。超絶レベルアップが期待!