[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第267回】
業務分野のトップランナー「アシダ音響」が熱い!人気沸騰のヘッドホン/イヤホンを一斉レビュー
なお、筆者は基本が小音量派なので、筆者にとっての「少し上げめにした音量」は一般的には「普通の音量」か「それでもまだ小さめな音量」程度でしかないかもしれない。
さてアンプパワーとの兼ね合いでの音の変化というところでは、実は今回ここまでの試聴はハイエンドDAP、Astell&Kern「KANN MAX」と組み合わせての印象で、そこからiPhoneとApple純正のLightnig-イヤホンアダプタの組み合わせに替えてみたところ、前述の音の詰まりに加え、超低域の響きや中高域のクリアさもかなり損なわれてしまった。
どうやらこのイヤホン、本領発揮のためには組み合わせる再生機器にもそれなりの力を要求するタイプ。スマホと組み合わせて使う場合でも、スティック型USB DAC/ヘッドホンアンプ等との組み合わせを推奨したい。そのジャンルは現在活況で、1万円未満で十分なクオリティのものを購入できる。
音楽用ヘッドホン「ST-90-05」
続いてST-90-05を紹介。レトロデザインと軽やかな装着感が特徴のオンイヤースタイルのヘッドホンだ。
サイズはコンパクトではあるが、折りたたみ機構はなく、ケーブルも1.5mとやや長め。しかしシンプルな構造だし、実物の手応えとしても丈夫そうなので「カバンのストラップに引っ掛けて持ち歩く」などラフなポータブル使いも似合いそうだ。
音の方はというと、そのルックスのかわいらしさと質実剛健さのうち、質実剛健の方の印象に似つかわしいサウンド。ギターのカチッと硬質なアタック成分を強めるトレブル帯域、ベースやバスドラムの同じくアタックの圧を強めるミッドからローミッド帯域に主張があり、音像が近距離から勢いよく耳に飛び込んでくる。
ハイエンドオーディオ的な精密描写よりもシンプルなパワフルさを好むユーザー、特に重低音型のパワフルさではなくミッドレンジがガツンと充実したパワフルさを好むユーザーはチェックの価値ありだ。
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