PR110周年機の技術を搭載するなど大きく進化
デノンからHi-Fi新シリーズ「900」「1700」が登場! 最注目の3モデルを評論家5名が徹底レビュー
国内屈指の強力なラインナップを誇るデノンから、新たにプリメインアンプ「PMA-900HNE」と上位モデル「PMA-1700NE」、そしてCDプレーヤー「DCD-900NE」が登場した。
PMA-900HNEはネットワーク再生機能の搭載に対して、PMA-1700NEはUSB DACを搭載。一方で、DCD-900NEは上位モデルと同じレイアウトを採用するなど、それぞれのモデルが大きな飛躍を遂げている。今回は、5名の評論家が3モデルの魅力を徹底的に解説する。
■逼塞と停滞の時代との訣別を高らかに告げるハイファイ新3機種(文:大橋伸太郎)
デノンからプリメインアンプ「PMA-900HNE」「PMA-1700NE」、そしてCDプレーヤー「DCD-900NE」が発売される。投入できる物資とコストの制約の大きいベーシック機の出来栄えは、メーカーの充実の度合い、ひいては現在のオーディオホビー全体の健全さを知る尺度となりうる。今年上半期の最も注目すべき3機種といえよう。
昨期までの「PMA-800NE」に置き代わるのがPMA-900HNE。NEがHNEになったことに注目したい。HEOSの搭載を意味し、前面パネルに入力ソース情報の表示窓が新設された。HEOSはD&Mが独自開発したワイヤレス再生のアプリで登場5年目。ワイヤレススピーカーやAV機器への搭載が完了し、残すところピュアオーディオ機器のみとなったわけだ。HEOSが対応するストリーミングサービスは多岐にわたるが、Amazon Music HDに対応し定額サービスでハイレゾ音源が楽しめるのは大きなメリットである。
光、同軸、USB-A等々のデジタル入力を備えるが、増幅部は手堅いアナログ構成。800NEの増幅段は固定利得だったが900はFLATアンプとパワーアンプ素子の二段構成とした。「PMA-A110」で採用された方式だ。初段の抵抗で発生する熱雑音はアンプの音質上の大敵である。通常のリスニング領域でゲインを最大-16.5dBまでダウンさせるFLATアンプを前段に追加することでゲインと増幅率が下がり、ノイズ量を減らせる。
増幅回路もA110同様の差動2段回路を採用した。デノンのハイファイアンプは機械式ボリュームを採用することが多かったが、増幅段の変更に合わせ本機ではロータリーエンコーダー方式の電子ボリュームを採用した。高減衰領域でのギャングエラー(左右のばらつき)をなくすことと、長寿命化が目的だ。
CDプレーヤーDCD-900NEは、大型化したPMA-900HNEと共通の筐体サイズを採用。800に比べ容積に余裕が生まれ、上位機種「DCD-1600NE」同様のデジタル/アナログ部分離レイアウトになった。
回路面ではオペアンプの高性能化に注目したい。差動合成のローパスフィルターを高性能化し、PMA800比で1.35倍のスルーレート値を達成。信号回路は左右に加え上下の対称性を見直し、オーディオ電源を他の電源と基板を分け、さらにディスクリート化した。
もう一台のプリメインアンプがPMA-1700NE。長くベストセラーだった「PMA-1600NE」に置き換わる重点製品である。HEOSを搭載しないかわりにUSB DAC部を重視。電源、回路、グラウンドを専用とし、パソコンからのノイズ混入を遮断した。
本機も手堅いアナログ構成。FLATアンプとパワーアンプ素子の二段構成で900同様に増幅回路に差動2段を採用するが、本機はUHC-MOSシングルプッシュプル。電子ボリュームもPMA-A110で採用済の、ノブの角度を感知してA/D値を設定して送り込みゲインをコントロールする方式にグレードアップ。信号経路の最短化に貢献する。
DAC部は超低位相雑音のクロックを近傍に設置、4層基板で構成し対称性を重視した。アナログ部品にはDCD-SX1 Limitedで採用の各種コンデンサーを投入、カスタムブロックコンデンサーは新規開発するなど、アンプの地力にコストが注入されていることがわかる。静寂の表現に優れるのはピュア再生の最重要要件だ。試聴は本誌試聴室で行った。スピーカーシステムにはダリの「OPTIKON2 Mk2」を使用した。
PMA-900HNEはネットワーク再生機能の搭載に対して、PMA-1700NEはUSB DACを搭載。一方で、DCD-900NEは上位モデルと同じレイアウトを採用するなど、それぞれのモデルが大きな飛躍を遂げている。今回は、5名の評論家が3モデルの魅力を徹底的に解説する。
■逼塞と停滞の時代との訣別を高らかに告げるハイファイ新3機種(文:大橋伸太郎)
デノンからプリメインアンプ「PMA-900HNE」「PMA-1700NE」、そしてCDプレーヤー「DCD-900NE」が発売される。投入できる物資とコストの制約の大きいベーシック機の出来栄えは、メーカーの充実の度合い、ひいては現在のオーディオホビー全体の健全さを知る尺度となりうる。今年上半期の最も注目すべき3機種といえよう。
昨期までの「PMA-800NE」に置き代わるのがPMA-900HNE。NEがHNEになったことに注目したい。HEOSの搭載を意味し、前面パネルに入力ソース情報の表示窓が新設された。HEOSはD&Mが独自開発したワイヤレス再生のアプリで登場5年目。ワイヤレススピーカーやAV機器への搭載が完了し、残すところピュアオーディオ機器のみとなったわけだ。HEOSが対応するストリーミングサービスは多岐にわたるが、Amazon Music HDに対応し定額サービスでハイレゾ音源が楽しめるのは大きなメリットである。
増幅回路もA110同様の差動2段回路を採用した。デノンのハイファイアンプは機械式ボリュームを採用することが多かったが、増幅段の変更に合わせ本機ではロータリーエンコーダー方式の電子ボリュームを採用した。高減衰領域でのギャングエラー(左右のばらつき)をなくすことと、長寿命化が目的だ。
回路面ではオペアンプの高性能化に注目したい。差動合成のローパスフィルターを高性能化し、PMA800比で1.35倍のスルーレート値を達成。信号回路は左右に加え上下の対称性を見直し、オーディオ電源を他の電源と基板を分け、さらにディスクリート化した。
もう一台のプリメインアンプがPMA-1700NE。長くベストセラーだった「PMA-1600NE」に置き換わる重点製品である。HEOSを搭載しないかわりにUSB DAC部を重視。電源、回路、グラウンドを専用とし、パソコンからのノイズ混入を遮断した。
本機も手堅いアナログ構成。FLATアンプとパワーアンプ素子の二段構成で900同様に増幅回路に差動2段を採用するが、本機はUHC-MOSシングルプッシュプル。電子ボリュームもPMA-A110で採用済の、ノブの角度を感知してA/D値を設定して送り込みゲインをコントロールする方式にグレードアップ。信号経路の最短化に貢献する。
DAC部は超低位相雑音のクロックを近傍に設置、4層基板で構成し対称性を重視した。アナログ部品にはDCD-SX1 Limitedで採用の各種コンデンサーを投入、カスタムブロックコンデンサーは新規開発するなど、アンプの地力にコストが注入されていることがわかる。静寂の表現に優れるのはピュア再生の最重要要件だ。試聴は本誌試聴室で行った。スピーカーシステムにはダリの「OPTIKON2 Mk2」を使用した。
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