PR3年越しでようやく完成した「完璧なサウンドの一つの答え」
ハイレベルな音質を多彩なチューニングで拡張!FAudio「Mezzo」の実力を試す
セミホロウボディとは、いわゆるセミアコースティック(セミアコ)のことで、ギターの中央がソリッドでその両脇が空洞となったボディを指す。この構造がもたらす「微振動効果」を再現すべく、ダブルレイヤーピエゾドライバーを搭載。これが、イヤホン全体の音の立ち上がりの速さや、響きの良さにつながっているという。
ダイナミック型ドライバーのために設計されたという「Triple Built-in Acoustic Chamber(T.B.A.C)」という三層構造のアコースティックチャンバーを内蔵する点も見逃せないポイント。これにより、ダイナミック型特有の周波数特性の不安定さと過剰な空気の流れを適正化し、エネルギー効率を向上させている。このT.B.A.Cも特許を取得しているそうだ。
組み合わせるリケーブルもこだわり抜かれたものだ。今回専用品として、「Tone Master Shield」と名付けられた新たなケーブルが付属する。
芯線には黄金比率を採用したという日本製UPOCCクリスタル銅導体を採用。これに銀メッキを施し、撚り合わせている。各芯線の外装には純銀製のシールドを備え、対電磁場能力を向上。さらに医療グレードのソフトPVCジャケットを採用し、酸化も軽減するという。内部のはんだは、Hi-Fiオーディオ用のもので、専門の技術者がはんだ付けしている。なお、このはんだはMezzo内部にも使われているそうだ。
これらを組み合わせながらテストを重ねた結果、「あらゆるスタイルの音楽を聴くことができるIEM」の一つの答えとして、サウンドをチューニングできるIEMであるMezzoが完成した。
情報量が多くキレのあるサウンドが魅力。さらに8通りのチューニングも楽しめる
試聴の前に、Personal Tuning Controlの仕組みを紹介しよう。イヤホンの側面に極小のディップスイッチあり、これを切り替えることでサウンドが変化する。スイッチは左から『Low』『Mid』『High』の3種類。下側がオフ、上側にするとオン(Boost)となる。これらを組み合わせることで最大8通りのサウンドキャラクターを選べる格好だ。ちなみに、スイッチの操作用にロゴ入りの金属製パーツが付属する。
早速チューニングを変えてサウンドの違いを確認していこう。プレーヤーには、ソニーのDAP「NW-ZX507」を使った。まずは、チューニングをしていない『ニュートラル』状態で、耳に装着する。フィット感は良好で、正しく装着すれば外音がほとんど聞こえなくなるほど密閉度が高い。
まずは、映画『ONE PIECE FILM RED』の主題歌となっているAdoの新曲「新時代」を再生する。
冒頭、Adoの伸びやかなハイトーンが広い空間に響き渡る。これだけで、Mezzoが相当の実力を秘めているとわかる。一般的なイヤホンでは音が伸びきらず、それが天井や壁のように感じられるが、本機はそのような窮屈な感覚がまったくないのだ。
レトロな風味の音色が印象的な演奏が始まると、音の厚みに耳を奪われる。特に目立って感じられたのが、驚くほど量感豊かなベースやドラム。情報量が多く音が濃い。それでいて音のエッジにキレがあるため、曲の疾走感が心地よい。
続けてVaundyの「恋風邪に乗せて」を聴く。イントロから濃厚なコーラスとベースラインが耳に絡みついてくる。かといって、重々しい感じはなく、ボーカルもギターも音像が明確でキレがある。
サビは音数が多いため、1つひとつの音にフォーカスすると音像がぼやっとしているケースが多いが、本機では細部までしっかり再現されており、高い表現力を有していることがわかる。
ここで「恋風邪に乗せて」を再生しながら、Personal Tuning Controlのスイッチを1つずつ切り替えてみた。
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