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PR3年越しでようやく完成した「完璧なサウンドの一つの答え」

ハイレベルな音質を多彩なチューニングで拡張!FAudio「Mezzo」の実力を試す

公開日 2022/08/24 06:30 草野晃輔
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『Low』のみをオンにすると低域のエネルギー感がグッと増し、『Mid』のみがオンの状態だと、ボーカルを中心にギターやキーボードが前に出てくる。『High』がオンの場合は、これが逆転してより高い音を多く含むギターやキーボードがサウンドの中心になる。

文字だけでは変化が少なく感じられるかも知れないが、明確に音が変化している。過去にも調整機能が付いた製品はあったが、「比べれば変わっている」といった程度で、ここまでサウンドキャラクターが変わるモデルはなかったように思う。それほど、音の変化がわかりやすい。

ここからは複数のスイッチを組み合わせて切り替えていく。曲に合わせて、最適なモードを選ぶのも楽しいが、今回は各モードの音質傾向を探るため、そのサウンドキャラクターにマッチした曲を探すことにした。

複数のスイッチを組み合わせて試聴。どんなジャンルの音楽も最適に鳴らすチューニングが見つかるはず

最初に3つが全部オンの『High Gain』モードにする。正直なところただ音が大きくなるだけだと思っていたが、再生音全体のエネルギー感が2段ほどアップし、メリハリのある力強いサウンドに変化した。このサウンドにピッタリだったのは、言わずと知れた天才ギタリストであり、ストラトキャスターの名手であるジミ・ヘンドリクスの「Purple Haze」だ。

歪んでいるのにメロディアスなギターサウンドがステージ中央で展開し、その左右にボーカルやコーラスが漂う。スピーカーでしか味わえないと思っていた、けだるいサイケデリックサウンドを見事に再現している。本モードは「Rock、Metal、Animation」向けとあるが、それも納得。エレキギターから着想を得て作られただけあり、Mezzoとギターサウンドとの相性は抜群によい。

次に「Dance、Hiphop、EDM」向けの、『1+2 Mode』に切り替える。設定は左側2つがオンの状態だ。高域が軽くなり、中低域の押し出し感が強いサウンドに変化する。すかさず、ケンドリック・ラマーの「HUMBLE.」をプレイ。低域がズンズンと頭を揺さぶるように刺さってくる。クラブで音を浴びているような感覚だ。余計な高域成分がないためか、リリックもキレが抜群。リズムと言葉のキメが面白いほどピタッとハマっていた。

続けて『2+3 Mode』にする。右側2つがオンで「Pop、R&B、Soft Rock」向けを謳う。先ほどのモードからのギャップが大きいこともあるが、低域がウソのように控えめに感じられる。かといって物足りない訳ではなく、しっかりと楽曲のボトムは支える。対照的に中高域は力強い。

YOASOBIの「夜に駆ける」を再生すると、声に艶が出て陽性のエネルギーに溢れだす。高域の表現力を謳うイヤホンの中にはハイトーンで音が刺さるように感じられるモデルが少なくないが、本機は豊富な情報量でしっかりと高域の音の際まで丁寧に描写する。ボーカルと相性がよいのかと男性ボーカルも数曲聴いたが、いずれも低域のバランスがよい『ニュートラル』のほうが合っていた。

最後は左右がオン、真ん中がオフの『1+3 Mode』。「Classical、Gaming、Movie、Live」向けとのことだが、筆者的には最も好みのサウンドだった。エネルギー感は1+2 Modeや2+3 Modeとそれほど変わらないが、中域の主張が控えめで聴きやすい。

このモードと特に相性がよかったのがジャズだ。マイルス・デイビスの「SO WHAT」は、いつもならトランペットに耳を奪われるところだが、このモードではフラットに曲を俯瞰して楽しめる。まるで、静かな喫茶店でBGMとして曲を聴いているかのような感覚で、つい時間を忘れて長い間楽しんでしまった。

素のサウンドパワーが高く、さらにチューニングで魅力が広がる。1台であらゆるサウンドを楽しめる、手にしておきたい一台だ

今回は限られた期間の試聴だったが、曲とサウンドキャラクターの組み合わせをあれこれと楽しむMezzoの魅力を存分に味わえた。もし、複数のイヤホンを使い分けて音の違いを楽しんでいるなら、1台であらゆる楽曲に対応できるMezzoはぜひとも手に入れておきたいモデル。100台限定のレアアイテムだけに、迷っている猶予はあまりなさそうだ。


(協力:ミックスウェーブ)

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