【特別企画】“弟クラス”に留まらない完成度
幅広いマニアに推奨したい、オーディオテクニカの新ケーブル「FLUAT 500シリーズ」をチェック!
オーディオテクニカという会社は、一つひとつの製品を非常に長く売り続ける傾向があるように認識している。私が絶対リファレンスとして愛用しているカートリッジ「AT33PTG/II」も、7、8年くらい使ったかなと思っていたら、何と発売からもう12年も経っているではないか。もちろん未だ現役の製品だ。
ケーブルをはじめとするアクセサリー類もその傾向は同様で、高級ケーブルの「ART LINK」シリーズは20年以上売れ続けたのではないかと記憶している。設計に徹底して時間とリソースを注ぎ込み、歳月に色褪せない製品を作るというのが同社のフィロソフィなのであろう。
そのART LINKを引き継ぐ形になる新シリーズ「FLUAT(フリュエット)」は、「Audio-Technica Excellence」という飛び抜けた “世界のハイエンド” を除けば、同社の最高峰に位置する700シリーズが2021年に登場。そしてこのたび、その弟クラスというべき500シリーズがインターコネクトケーブル「AT-IC500R」(RCA)/「AT-IC500X」(XLR)と、電源ケーブル「AT-AC500」の3種類にてデビューを遂げた。偉大なる “普遍の音” を実現した700シリーズの弟分となる500シリーズの実力を紐解いてみたい。
まずケーブル構造に目を向けてみよう。RCA/XLRインターコネクトのケーブル部は700と同じ4芯であるが、信号線は700が6N-OFCとPCUHD、HYPER OFCのトリプルハイブリッドであるのに対し、500はPCUHDとHYPER OFCのハイブリッドとなっている。
個人的に、ケーブルの断面を見た時に芯線の配置が対称のケーブルは音が良いような経験的印象があるので、この作りは大いに共感する。絶縁体は架橋PEで、綿糸の介在を経て銅テープとHYPER OFC編組線による二重シールドが施され、PVCのシースで覆われるという構成だ。
このケーブル両端に、RCAは信号線のプラスとマイナスをそれぞれホットとコールドへつなぎ、アース線とシールドはコールド端子の上流側へのみ接続されている。XLRは1番ピンにアース線を2本、2番と3番にそれぞれ信号線を両端に接続、シールドは1番の上流のみにつながっている。
RCAプラグは中心導体を中空にし、そこへ制振性の高いPBT樹脂を注入した高品位なものを採用。700とほぼ同等だが、一見した違いとしてはリングパーツに樹脂製部品が使用されているところだろうか。XLRについても700シリーズと同様に信頼性の高いノイトリック社製プラグを採用。接点はすべて金メッキがかけられている。
電源ケーブルはケーブル部が2芯ノンシールド構成で、導体はこちらもPCUHDとHYPER OFCのハイブリッド。導体断面積は2.5スケアと結構太い。こちらの絶縁体はPVCで、綿糸の介在へ紙テープが巻かれ、PVCのシースに覆われるという作りだ。
プラグはコンセント側が2ピンで機器側がIEC規格となっている。同社技術陣によると、すべての機器を3ピンの電源プラグでつないでしまったら、機器間でアース・ループが起こって音質が劣化する可能性も否定できないとのことで、700をはじめとする3ピンの電源ケーブルと使い分けることが好ましいのではないか、との談だ。
また、両端ともにモールド成型でプラグ部を処理。こういう製品は得てして安っぽく見られがちなのだが、ネジ留め式の高級プラグに比べて内部が稠密に充填されており、音質的にはむしろ優位な側面もあるそうだ。モールド部分の材質は、まず透明のPPで成型をした上に黒いPVCの外装を重ねてあるという。両端の端子はこちらも金メッキ、コンセント側のプラグは2ピンといっても、ベース部分はコンセントとの接触面積が大きく、安定度は高い。
ケーブルをはじめとするアクセサリー類もその傾向は同様で、高級ケーブルの「ART LINK」シリーズは20年以上売れ続けたのではないかと記憶している。設計に徹底して時間とリソースを注ぎ込み、歳月に色褪せない製品を作るというのが同社のフィロソフィなのであろう。
そのART LINKを引き継ぐ形になる新シリーズ「FLUAT(フリュエット)」は、「Audio-Technica Excellence」という飛び抜けた “世界のハイエンド” を除けば、同社の最高峰に位置する700シリーズが2021年に登場。そしてこのたび、その弟クラスというべき500シリーズがインターコネクトケーブル「AT-IC500R」(RCA)/「AT-IC500X」(XLR)と、電源ケーブル「AT-AC500」の3種類にてデビューを遂げた。偉大なる “普遍の音” を実現した700シリーズの弟分となる500シリーズの実力を紐解いてみたい。
“弟クラス” に終わらないオーディオライクな構造
まずケーブル構造に目を向けてみよう。RCA/XLRインターコネクトのケーブル部は700と同じ4芯であるが、信号線は700が6N-OFCとPCUHD、HYPER OFCのトリプルハイブリッドであるのに対し、500はPCUHDとHYPER OFCのハイブリッドとなっている。
個人的に、ケーブルの断面を見た時に芯線の配置が対称のケーブルは音が良いような経験的印象があるので、この作りは大いに共感する。絶縁体は架橋PEで、綿糸の介在を経て銅テープとHYPER OFC編組線による二重シールドが施され、PVCのシースで覆われるという構成だ。
このケーブル両端に、RCAは信号線のプラスとマイナスをそれぞれホットとコールドへつなぎ、アース線とシールドはコールド端子の上流側へのみ接続されている。XLRは1番ピンにアース線を2本、2番と3番にそれぞれ信号線を両端に接続、シールドは1番の上流のみにつながっている。
RCAプラグは中心導体を中空にし、そこへ制振性の高いPBT樹脂を注入した高品位なものを採用。700とほぼ同等だが、一見した違いとしてはリングパーツに樹脂製部品が使用されているところだろうか。XLRについても700シリーズと同様に信頼性の高いノイトリック社製プラグを採用。接点はすべて金メッキがかけられている。
電源ケーブルはケーブル部が2芯ノンシールド構成で、導体はこちらもPCUHDとHYPER OFCのハイブリッド。導体断面積は2.5スケアと結構太い。こちらの絶縁体はPVCで、綿糸の介在へ紙テープが巻かれ、PVCのシースに覆われるという作りだ。
プラグはコンセント側が2ピンで機器側がIEC規格となっている。同社技術陣によると、すべての機器を3ピンの電源プラグでつないでしまったら、機器間でアース・ループが起こって音質が劣化する可能性も否定できないとのことで、700をはじめとする3ピンの電源ケーブルと使い分けることが好ましいのではないか、との談だ。
また、両端ともにモールド成型でプラグ部を処理。こういう製品は得てして安っぽく見られがちなのだが、ネジ留め式の高級プラグに比べて内部が稠密に充填されており、音質的にはむしろ優位な側面もあるそうだ。モールド部分の材質は、まず透明のPPで成型をした上に黒いPVCの外装を重ねてあるという。両端の端子はこちらも金メッキ、コンセント側のプラグは2ピンといっても、ベース部分はコンセントとの接触面積が大きく、安定度は高い。
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