「remote」「wireless」がモデルチェンジ
beyerdynamicのテスラテクノロジー搭載イヤホン、第2世代「XELENTO」を聴く
■Bluetooth再生の音質を高める「エンハンスメントモード」
XELENTO wirelessは、テスラテクノロジーを搭載するベイヤーダイナミックのプレミアムイヤホンが持つ魅力を、ワイヤレスリスニングでも100%以上引き出すために開発された。先述した通り、イヤホン部はXELENTO remoteと共通だが、ネックバンドユニットに最先端の高音質化技術を惜しみなく投入している。
新しいXELENTO wirelessは、扱いやすいネックバンドスタイルのワイヤレスイヤホンになった。シリコン製のしなやかなネックバンドの左右先端には、バッテリーやICチップなどを搭載するボックスユニットがある。その先に伸びるケーブルは長さを均一にしているが、右側にはマイクつき3ボタンリモコンがある。
左側ボックスユニットの先端に電源ボタンを配置。この電源ボタンのクリック操作により、後述する「エンハンスメントモード」のオン・オフが切り換えられる。
BluetoothオーディオのシステムICには型番を公開していないが、クアルコムのチップを搭載している。オーディオコーデックはaptX Adaptive、aptX HDのほか、aptX Classic、AACとSBC、そしてLHDCをサポートする。
そして、クアルコムのシステムICをBTレシーバーとして使い、D/A変換とアンプ処理はネックバンドユニットに内蔵の旭化成エレクトロニクス製「AKM4377A」に任せる「エンハンスメントモード」を新設した。エンハンスメントモードを選択すると、バッテリーをより多く消費することになるが、一段と高品位なワイヤレスオーディオ再生が楽しめる。
なおXELENTO wirelessは、最大96kHz/24bitのハイレゾワイヤレス再生にも対応するイヤホンだが、クアルコムのSnapdragon Soundはサポートしていない。
■音のパーソナライゼーションなど多彩な機能を備える「MIY」アプリ
beyerdynamicのiOS/Androidに対応するモバイルアプリ「MIY」を活用すると、XELENTO wirelessの楽しみ方に広がりが生まれる。
アプリからは、音声プロンプトの詳細を設定したり、通話時にユーザー自身の声をフィードバックして聴く「サイドトーン」機能の有無などが選べる。7種類のプリセットが揃うイコライザーを活用すれば、好みのサウンドを選んで楽しめる。
beyerdynamicが2017年に発売した「Aventho Wireless」から、同社のワイヤレスヘッドホン・イヤホンのプレミアムモデルが対応する「MOSAYCサウンドパーソナライゼーション」にXELENTO wirelessも対応。ユーザーの音の聴こえ方に合わせて、イヤホンのチューニングを自動で最適化する機能で、beyerdynamicがドイツのスタートアップ、Mimi Hearing Technologies社と共同開発したソフトウェアの技術をベースにしている。
アプリからチェックテストを起動して、左右の耳それぞれに聴こえ方をテストする。正確なプロファイルを生成するために静かな場所で行う必要があるが、テストは5分前後で完了する。
サウンドプロファイルを適用すると、ベースがニュートラルなバランスに仕上げられているXELENTO wirelessの元のサウンドが少なからず変化する。アプリから効果のオン・オフを切り換えたり、スライドバーなどを使って強弱のレベルを変えることも可能だ。XELENTO wirelessは、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載していないイヤホンなので、賑やかな場所で音楽や動画を楽しんだり、ハンズフリー通話に活用する際に、音の聴こえ方を調整する機能として位置付けるといいだろう。