PRテレビの“声”が聞き取りやすい
小さな音で大迫力!? 高コスパブランドPolkの2万円サウンドバー「REACT」は“いつもの音量”で試してほしい
初期設定がかんたん、3ステップで完了
今回は実際の使用シーンを想定し、自宅1Fの試聴室に55インチのテレビ環境を構築。REACTは全高が57mmに抑えられているので、画面下部分が隠れないのも良い。ボディ全体が質感の良いファブリックで覆われ、正面右側に装着された「polk」のロゴは、同社スピーカーがもつ音の良さを知っている筆者からすると頼もしい。
良いなと思ったのは、箱から出してから音を出すまでのセットアップが楽なこと。本体に電源ケーブルを接続して、付属のHDMIケーブルでテレビのHDMI(ARC対応)端子と接続するだけ。メーカーが謳っている「3ステップで接続終了」に嘘はなく、すんなりとセットアップできた。
なおテレビの機種によっては、音声の出力先をテレビ本体からHDMI(ARC)にするステップが追加されるので、もし接続して音が出なかった場合は、この設定を確認してみてほしい。またAmazon Alexaを使いたいユーザーは、スマホ等のAlexaアプリから設定を行う必要がある。
声が聞き取りやすく、小音量でも音が痩せない
いつもであれば、ここで大迫力のSF映画などをある程度大きな音量で再生してしまうのだが、今回の目的はそうではない。音量を抑えた、日常使用でのクオリティチェックである。
ということで、まず再生したのは、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』だ。最初はテレビのスピーカーで試聴し、次にREACTから音を出して違いを確認。サウンドモードは「ムービー」に設定した。
REACTから音を出した瞬間、テレビの音とは違う良質なサウンドが部屋に流れ出した。端的に言うなら、すべての音のディテールが明瞭になり音の数が全然違う。福原遥が演じるヒロインの岩倉舞や、高橋克典が演じる岩倉浩太の声、つまり男女の声の両方が明瞭で聞き取りやすい。また音に滲みがないから、環境音もリアルでストーリーへの没入感が上がる。テレビ単体の音も悪くはないのだが、それでもREACTとは雲泥の差がある。
次にサウンドモードを「スポーツ」にして、ワールドカップの「日本vsクロアチア戦」を鑑賞した。スポーツモードは、より音のディテールをはっきり聞かせ、解説者の声がクッキリハッキリと聞きやすいサウンドだ。
REACTは、小音量であってもスタジアムの熱狂が伝わってくる。もちろん大音量にすればさらに臨場感は高まるが、この音量であっても会場の雰囲気がよく伝わってくるのが印象的だ。また、この状態からリモコンでVoice Adjustボタンを押してみると、アナウンサーの声が強調され、さらに音量を下げても楽しめるから凄い。
すでに時計は深夜1時を回っていた。隣の部屋で寝る家族に配慮するため、サウンドモードを夜間での小音量時での再生に最適化された「ナイトモード」に変更したのだが、これが効果てきめん。すべての音のディテールがさらにハッキリと聞こえつつも、部屋の外に漏れがちな低域成分が少なくなる。
いくつかテレビ番組をチェックして印象に残ったのは、このサウンドバーは小音量であっても音が痩せづらく、高域から低音域の全てで、音のディテールがしっかりと聞こえること。これはPolk Audioのアイデンティティである中音域を大切にした音作りと、スピーカー専業メーカーらしい技術力の賜物だろう。この時点でも、REACTのコストパフォーマンスがかなり優れていることわかった。
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