PR想像を超える実力のヘッドホン/プリアンプ
音質にサイズは関係ない。EARMEN「CH-AMP」が机上を最高峰のリスニング空間に変える
コンパクトな筐体ながらモニター的なサウンドを展開
試聴については、CH-AMPの能力を可能な限り開示すべく、ヘッドホン、スピーカー(アクティブ・パッシブ)という3つのシチュエーションで実施した。
まずはヘッドホン環境から。ドイツ・ゼンハイザー社の「HD 800 S」と組み合わせる。再生システムは、Mac用再生プレーヤーソフト「Audirvana」をインストールしたMacbook Proをトランスポートとして、TraduttoとUSB接続(ケーブルは付属品)。TraduttoとCH-AMPは別途用意した「4.4mmバランス-4.4mmバランスケーブル」で繋ぎ、HD 800 Sを駆動する布陣だ。
目の前にはTraduttoとCH-AMPの合計3筐体が置かれている。スクエアなシャーシで無駄な装飾がなく、ムラのない艶消しブラックのカラーはオーディオルームに適度な存在感を与えてくれる。CH-AMPの電源を入れると有機ELパネルにメーカーロゴが出た。よし聴くぞ!
まずはJ-Pop/アニソンのYOASOBI「祝福」(96kHz/24bit)を再生した。HD 800 Sから音が流れた瞬間、「おー!」と思わず声が出た。ハイスピードかつ透明感抜群。イントロのバスドラムはスピード感がかなり高く、音の滲みも少ない。ものの10秒ほどで、CH-AMPとTraduttoによる音が予想以上に優れていることを判断する。
ボーカルのikura(幾田りら)の口元の動きがシャープで、この楽曲は音圧が高くヘッドホン環境でも音が団子になりやすいが、そう感じない。低域のダンピングも優れているし、ローゲインであっても音量を稼げる(本機の最大ボリューム値は30だが、ボリュームを大きめにした状態で16くらい)。表示部にはボリューム、アンバランス/バランス出力表示、ハイ/ローのゲイン、さらにレベルメーターも表示される。
続いてクラシックのオーケストラ。ヤニック・ネゼ=セガン/ヨーロッパ室内管弦楽団から「ベートーヴェン: 交響曲全集」を聴いた。サウンドステージ表現は幅広く、中心部から耳元までのステージにムラがない。また低域の食いつきが良く、コントラバスなど低域楽器が増えても追従してくる。こんなにコンパクトな筐体から出ているとは思えない、自然な分解能とモニター的なクセのない音で、素晴らしく上質だ。
Traduttoとの連携に真価あり。CH-AMPからの電源供給で圧倒的な音質改善
続いてTraduttoにCH-AMPからの電源供給を試してみた。Traduttoの発売当時は「ACアダプターによる電源供給によるノイズは大丈夫なのか?」とネックの一つになっていたが、CH-AMPの登場で、その理論的なネガは解消した。
改めて上述の2曲を再生してみると、あまり大袈裟に書きたくないのだが、数秒でわかるほどの違いが出た。分解能、聴感上のS/Nやダイナミックレンジとも向上し、嬉しいのは音に迫力が出てくること。密度と分解能が同時に向上しており、本曲が主題歌になっているアニメのオープニング映像が初めて目の前に浮かんできた(ここ大切)。
ヤニック・ネゼ=セガンは1つ1つの楽器のディテールがより明瞭になり、色彩感も増しているので、音楽が魅力的かつ情緒的に聴こえる。CH-AMPによるTraduttoへの電源供給への音質改善効果は高いので、ぜひ試すべきである。
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