PR車載用には振動対策も施した「ve-02p」を展開
“挿すだけ”仮想アース「Crystal Ep」はヘッドホン&カーオーディオ環境でも効果的!クオリティアップを専門家がチェック
カーオーディオでの使い勝手を向上、仮想アース「ve-02p」の実力は?(土方)
11月6日に開催された「まいど大阪 秋の車音祭」が終了し、2022年のカーオーディオコンテストシーズンが終わった。今の時期は、束の間の休息をカーオーディオショップの仲間と楽しんだり、来年に向けてオーディオのグレードアップを考えている方もいるだろう。
今回ご紹介するのは、青森に本拠を構える光城精工から新登場した、カーオーディオ専用のスティック型仮想アース「ve-02p」。すでに大ヒット中のスティック型仮想アース「Crystal Ep」を車載専用に改良した製品だ。
ラインナップは3モデル。 RCAプラグタイプの「ve-02pR」は主にパワーアンプやヘッドユニット等の入力端子に装着する。φ3.5ステレオミニプラグタイプ「ve-02pT3」は主にDAPの3.5mmのヘッドホン/ライン出力に、M5スクリュータイプ「ve-02pM(2本set)」はスピーカーのマイナスターミナルへ装着できる。
各モデルはプラグ/本体/キャップの3ピース構成。本体部の仕様はCrystal Epと同じで、内部には光城精工が発案した特殊専用コンデンサが充填されている。Crystal Epとve-02pの違いは2点あり、1点目はアイドリング/走行中のネジ緩みに対応する緩み止め用のワッシャーが追加されていること。2点目はCrystal Epにはない、M5スクリュタイプがラインナップされることだ。
近年、光城精工は車載用の仮想アースにも力を入れており、初代モデルが「ve-01」、現在は第2弾モデル「ve-02」も発売中だが、ve-02p最大のアドバンテージは小型で場所を取らないこと。さらに3ピースの構成を生かし、同シリーズ2本を連結して増設、拡張も可能だという。
仮想アースの基本的な理論について土岐さんの解説も参照してほしいが、至極シンプルに話すなら接続したオーディオ機器のシャーシ電位を安定させノイズを低減させる効果を狙っている。
と、ここまではスペックや理論をお伝えしてきたが、実際にve-02pがもたらすカーオーディオへの音質向上効果はどれだけのものなのか? そこで、カーオーディオブランドのaudisonやBLAMなど多くの製品を輸入するトライムのデモカー、フォルクスワーゲンGolf Variantを使い、ve-02pのクオリティチェックを行いたい。
4ウェイ8スピーカー構成、コンテストの基準車にも選定されるトライムのデモカーでテスト
まずはGolf Variantのオーディオ構成について触れておこう。DAPはiBasso AudioのAV KANSAI特注モデル「DAP300APEX Ti」、そこからUSBケーブル経由で、audiosonのDSP内蔵8chアンプ「AFC8.14 bit」と接続。スピーカーは、BLAMの新フラグシップライン「Signature Multix 3WAY」の3ウェイ+ステレオ配置された2基のサブウーファー「WS8.120」の合計4ウェイ8スピーカー構成だ。
再生曲は9月24日(土)・25日(日)に静岡県掛川市で開催されたハイエンドカーオーディオコンテストの課題曲、ノラ・ジョーンズの「Come Away With Me[Remastered]」と、Trondheim Symphony Orchestra 「Ujamaa」を用いた。
まずはノーマルに近い状態で試聴。ノーマルに近いと書いたのは、すでにドアに装着されたミッド/ウーファーユニット「WS6Multix」にはve-02pMが装着されていることがその理由。全て取り外して効果を確かめればベストだが、取材現場ではそれもできないのでご了承いただきたい。
気になる素の状態での音質だが、仕上がりは良好だ。トゥイーター/ミッド/ミッドローの各ユニットの左右のバランスは均等で、ボーカルの定位もセンターコンソール上部に出ている。高音域は若干シャープでシンバルの音が細く感じたが、ピアノの質感はほぼソースに忠実で、低域は量感こそ欲張っていないものの、ベースのディテール表現は中々のものでリズムが崩れない。
クラシックはサウンドステージの歪みも少ないし抑揚への追従力もある。個人的には低域の押し出し感が欲しかったが、トライムの石井氏によると、指摘した問題点は把握しており改善に向けてトランクに積んだウーファー周りの改良を考えているそうだ。
RCA、3.5mm、スピーカータイプの3種類を繋いで音質をチェック
続いてve-02pT3とve-02pRをそれぞれ、DAP 300APEX TiとAFC8.14 bitに装着。ドアのミッド/ウーファーユニットに装着したve-02pMと合わせ、合計3つのve-02pで2曲を再生した。
「あまり派手に書きたくない」。そう思いながらも違う、違いすぎるのだ。一聴して分かるS/N感の向上、ノラ・ジョーンズは高〜中音域の透明感が大幅に上がり、1つ1つの音のディテールが浮かび出てくる。ピアノのタッチのリアリティやリバーブ成分もよりリアルに聴こえるし、クラシックでは少しのっぺりとしていたサウンドステージが前方に定位するようになり、音場に立体感が出てくるではないか。
最初は素の状態でも悪くないと思った。だけど聴き比べると、素の車は音全体が少し騒がしく感じるほど。ノイズフロアが高く音のディテールが埋もれている。帯域バランスには大きな差異は感じないが、センター定位するボーカルの口元の大きさやバックミュージックに対するボーカルの浮かび上がり方さえ変わってくる。「うーん、まるでセッティングを煮詰めたように音場が深くなるなんて」。想像以上の音の変化に愕然とする。
ve-02pには音が変わる以上の効果が聴き取れた。僕が感じたサウンドステージ表現の大きな向上は、タイムアラインメントや位相管理などDSPの基本的な調整がある程度完成されていることが前提となる。しかし最終的に調整で成し遂げられると思っていたプラスのサウンドステージの立体感が、ve-02pを繋ぐことで向上したことに感心した。
カーオーディオ用アクセサリーは多々あれど、ve-02pは音質向上効果を感じやすい製品だと確信した。コンテストに参加する車両オーナーにはぜひ注目してもらいたいし、ve-02pを各所に装着することで得られる音質向上は確かなもので、ナビヘッドを中心としたライトなカーオーディオファンにもおすすめだ。充実したテストになったことを報告したい。
ピュアオーディオ&ビジュアル環境のグレードアップはこちら!
>>話題沸騰、光城精工の“挿すだけ”仮想アース「Crystal Ep」。音質/画質のクオリティアップを徹底チェック
(提供:光城精工)