【特別企画】モジュール次第で多種多様な組み合わせを実現
LINNの理念が込められた中核ネットワークプレーヤー「SELEKT DSM」。ORGANIK DAC搭載モデルのオーディオ的進化をチェック
LINNの中核グレードとなるネットワークプレーヤー「SELEKT DSM」シリーズが大幅に進化した。“本体” となるヘッドユニットとして「SELEKT DSM:Edition Hub」が加えられるとともに、ORGANIK DACを含む各種「モジュール」も新登場し、ユーザーのスタイルに合わせたさまざまな「SELEKT DSM」を構築できるようになっている。
ここでは、「SELEKT DSM:Edition Hub」と主要モジュールによる基本ラインナップを整理しながら、トップグレードとなる「SELEKT DSM-EMO」と、パワーアンプまで一体型の「SELEKT DSM-EOA」のサウンドを探ってみよう。
2018年秋にリンがSELEKT DSMを発表したとき、MAJIK、AKURATE、KLIMAXの既存ラインナップとは独立した新たな提案と受け止めた。モジュール構成やデザインが斬新で、「SELEKT」に由来するシリーズ名はカジュアルな印象を与える。フレッシュな大型新人登場というイメージだった。
その3年後、新世代の「KLIMAX DSM」が発表され、基本デザインと操作部の構成がSELEKTと共通することが明らかになった。筐体の作り込みは別次元だが、ダイヤルやPinボタンなど実際に手で操作するインターフェースと大型ディスプレイの組み合わせはSELEKTから引き継いでいたのだ。そういえば、操作ダイヤルこそ省かれているものの、KLIMAXの前年にリニューアルされたMAJIK DSMも同じ顔つきだった。
つまり、SELEKT DSMはリンにとってネットワークプレーヤー世代交代の布石となる重要な製品だったのだ。同社のラインナップのなかで中心に位置し、脇役ではなく主役を演じる重要な存在ということになる。
そして2022年秋、SELEKT DSMの役割をさらに強化する新たな提案が届いた。同シリーズの導入後初となるラインナップの見直しと新製品の投入により、モジュール構成の選択肢を大幅に拡大したのである。
EXAKTヘッドユニット(=ネットワークトランスポート)として機能する2種類の筐体(Edition Hub/Classic Hub)を用意し、そこにDACモジュールとライン出力モジュールを組み合わせる形でプレーヤーを完成させるというのが基本のスタイル。
DACはORGNIKのデュアルモノラル仕様とステレオ仕様、さらにKATALYSTとスタンダードDACを加えた計4グレードを用意し、パワーアンプの有無も選択肢に入る。さらにHDMI拡張やサラウンドなど既存のモジュールも選べるので、組み合わせの自由度は高い。全バリエーションの数がいくつになるのか、すぐには思いつかないほどだ。
今回追加されたEdition Hubの外装には、切削アルミプレート4枚をボルトで固定した高剛性シャーシを導入しており、トップパネルのスリットもClassicとは異なる精緻な加工が目を引く。大型のガラスダイヤルはステンレス製ペアリングを用いてなめらかな動きを実現し、音量などを表示するLEDイルミネーションの美しさはKLIMAX DSMとほぼ同等だ。
Edition HubとClassic Hubの追加でSELEKT DSMの価格レンジは高価格側に広がり、リンジャパンが提案する完成パッケージの最上位モデル「SELEKT DSM-EMO」は3,080,000円で、ハイエンドの領域に到達した。税抜2,800,000円というDSM-EMOの価格は偶然にも2007年に初代KLIMAX DSが登場したときと同額。この15年間にDS/DSMが飛躍的な進化を遂げているのはたしかだが、準フラグシップがかつてのフラグシップと同じ価格に到達したことには驚きを禁じえない。
リンジャパンが推奨する基本組み合わせ
(1)SELEKT DSM-EMO(3,080,000円)
モノラル型ORGANIK DACモジュール+プリアンプ機能搭載ネットワークプレーヤー
(2)SELEKT DSM-EOA(2,640,000円)
ステレオ型ORGANIK DACモジュール+プリメインアンプ機能搭載ネットワークプレーヤー
(3)SELEKT DSM-EO(2,530,000円)
ステレオ型ORGANIK DACモジュール+プリアンプ機能搭載ネットワークプレーヤー
※上記以外にも、KATALYST DACモジュールやHDMI拡張モジュール、サラウンドモジュールも展開されており、テレビとの連携やサラウンドシステムの構築も可能。詳しくは専門店またはリンジャパンへお問い合わせを。
ちなみに型名末尾のEはEdition Hubの略で、Mはモノラル、OはORGANIKの意味だ。モノラル構成のORGANIKはKLIMAX DSMのORGANIKに比べると回路構成が若干簡略化されているようだが、ディスクリート回路の基本設計は共通で、SELEKT用DACモジュールのなかでは最高峰の位置付けだ。
同じORGANIKでもステレオ仕様のモジュールを組み込むと価格が変わり、ステレオDACモジュール(O)+スピーカー出力モジュール(A:パワーアンプ内蔵)を組み合わせたSELEKT DSM-EOAが2,640,000円になる。ライン出力モジュールとスピーカー出力モジュールの差額は11万円なので、パワーアンプ追加時の価格上昇分は意外に少ない。
今回はSELEKT DSMシリーズ最上位でモノラル仕様のORGANIKを積む(1)SELEKT DSM-EMOと、ORGANIKステレオ仕様+パワーアンプ内蔵の(3)SELEKT DSM-EOAの2機種を試聴した。正面から見た外見は2機種まったく同じだが、リアパネル右側のモジュール増設部に違いがあり、EMOは3スロット中2スロットを使用、EOAは1スロットで完結するので2つのスロットが空いている。ここに出力モジュールを追加すればSELEKT DSMを5.1chサラウンドアンプに拡張することも視野に入る。
まさに用途に応じて最適な構成を選べるSELEKTシリーズの醍醐味だ。なお、ツインモノ仕様のEMOはモジュールの増設に制約があるので注意したい。ステレオ再生の音をきわめるためのピュアオーディオグレードという位置付けなのだ。
ここでは、「SELEKT DSM:Edition Hub」と主要モジュールによる基本ラインナップを整理しながら、トップグレードとなる「SELEKT DSM-EMO」と、パワーアンプまで一体型の「SELEKT DSM-EOA」のサウンドを探ってみよう。
LINNの中核グレードにして、使いこなしを “選べる” プレーヤー
2018年秋にリンがSELEKT DSMを発表したとき、MAJIK、AKURATE、KLIMAXの既存ラインナップとは独立した新たな提案と受け止めた。モジュール構成やデザインが斬新で、「SELEKT」に由来するシリーズ名はカジュアルな印象を与える。フレッシュな大型新人登場というイメージだった。
その3年後、新世代の「KLIMAX DSM」が発表され、基本デザインと操作部の構成がSELEKTと共通することが明らかになった。筐体の作り込みは別次元だが、ダイヤルやPinボタンなど実際に手で操作するインターフェースと大型ディスプレイの組み合わせはSELEKTから引き継いでいたのだ。そういえば、操作ダイヤルこそ省かれているものの、KLIMAXの前年にリニューアルされたMAJIK DSMも同じ顔つきだった。
つまり、SELEKT DSMはリンにとってネットワークプレーヤー世代交代の布石となる重要な製品だったのだ。同社のラインナップのなかで中心に位置し、脇役ではなく主役を演じる重要な存在ということになる。
そして2022年秋、SELEKT DSMの役割をさらに強化する新たな提案が届いた。同シリーズの導入後初となるラインナップの見直しと新製品の投入により、モジュール構成の選択肢を大幅に拡大したのである。
EXAKTヘッドユニット(=ネットワークトランスポート)として機能する2種類の筐体(Edition Hub/Classic Hub)を用意し、そこにDACモジュールとライン出力モジュールを組み合わせる形でプレーヤーを完成させるというのが基本のスタイル。
DACはORGNIKのデュアルモノラル仕様とステレオ仕様、さらにKATALYSTとスタンダードDACを加えた計4グレードを用意し、パワーアンプの有無も選択肢に入る。さらにHDMI拡張やサラウンドなど既存のモジュールも選べるので、組み合わせの自由度は高い。全バリエーションの数がいくつになるのか、すぐには思いつかないほどだ。
シャーシや内部回路も進化。SELEKTの最上位クラスはかつてのKLIMAXの同価格に
今回追加されたEdition Hubの外装には、切削アルミプレート4枚をボルトで固定した高剛性シャーシを導入しており、トップパネルのスリットもClassicとは異なる精緻な加工が目を引く。大型のガラスダイヤルはステンレス製ペアリングを用いてなめらかな動きを実現し、音量などを表示するLEDイルミネーションの美しさはKLIMAX DSMとほぼ同等だ。
Edition HubとClassic Hubの追加でSELEKT DSMの価格レンジは高価格側に広がり、リンジャパンが提案する完成パッケージの最上位モデル「SELEKT DSM-EMO」は3,080,000円で、ハイエンドの領域に到達した。税抜2,800,000円というDSM-EMOの価格は偶然にも2007年に初代KLIMAX DSが登場したときと同額。この15年間にDS/DSMが飛躍的な進化を遂げているのはたしかだが、準フラグシップがかつてのフラグシップと同じ価格に到達したことには驚きを禁じえない。
リンジャパンが推奨する基本組み合わせ
(1)SELEKT DSM-EMO(3,080,000円)
モノラル型ORGANIK DACモジュール+プリアンプ機能搭載ネットワークプレーヤー
(2)SELEKT DSM-EOA(2,640,000円)
ステレオ型ORGANIK DACモジュール+プリメインアンプ機能搭載ネットワークプレーヤー
(3)SELEKT DSM-EO(2,530,000円)
ステレオ型ORGANIK DACモジュール+プリアンプ機能搭載ネットワークプレーヤー
※上記以外にも、KATALYST DACモジュールやHDMI拡張モジュール、サラウンドモジュールも展開されており、テレビとの連携やサラウンドシステムの構築も可能。詳しくは専門店またはリンジャパンへお問い合わせを。
ちなみに型名末尾のEはEdition Hubの略で、Mはモノラル、OはORGANIKの意味だ。モノラル構成のORGANIKはKLIMAX DSMのORGANIKに比べると回路構成が若干簡略化されているようだが、ディスクリート回路の基本設計は共通で、SELEKT用DACモジュールのなかでは最高峰の位置付けだ。
同じORGANIKでもステレオ仕様のモジュールを組み込むと価格が変わり、ステレオDACモジュール(O)+スピーカー出力モジュール(A:パワーアンプ内蔵)を組み合わせたSELEKT DSM-EOAが2,640,000円になる。ライン出力モジュールとスピーカー出力モジュールの差額は11万円なので、パワーアンプ追加時の価格上昇分は意外に少ない。
今回はSELEKT DSMシリーズ最上位でモノラル仕様のORGANIKを積む(1)SELEKT DSM-EMOと、ORGANIKステレオ仕様+パワーアンプ内蔵の(3)SELEKT DSM-EOAの2機種を試聴した。正面から見た外見は2機種まったく同じだが、リアパネル右側のモジュール増設部に違いがあり、EMOは3スロット中2スロットを使用、EOAは1スロットで完結するので2つのスロットが空いている。ここに出力モジュールを追加すればSELEKT DSMを5.1chサラウンドアンプに拡張することも視野に入る。
まさに用途に応じて最適な構成を選べるSELEKTシリーズの醍醐味だ。なお、ツインモノ仕様のEMOはモジュールの増設に制約があるので注意したい。ステレオ再生の音をきわめるためのピュアオーディオグレードという位置付けなのだ。
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