PR普段親しみのある楽曲を高音質で
Polk Audioのスピーカーはロックやポップスと相性抜群!「R700」「R200」で名盤を聴き倒す
アナログと相性抜群!「R700」で名盤を試聴
今回試したR700とR200は、いずれも50kHzまでのハイレゾ帯域をカバーする2.5cmピナクル・リングラジエーター・トゥイーターに加え、ポリプロピレン素材を射出成型して軽量ながらも剛性を高めた16.5cmタービンコーンユニットを採用。R700ではこの16.5cmユニットをミッドレンジとして用いつつ、2発の20cmアルミ/ポリプロピレンウーファーを搭載している。
まずはR700から試聴スタート。まず聴いたのは普段から試聴用に使うハードロックの『MENIKETTI』だ。これは80年代にメタルバンドY&T(Yesterday&Today)のメインギターおよびボーカルとして活躍した、デイヴ・メニケッティのセカンド・ソロアルバム。バンド時代よりジャジーな作風で、渋みのあるレスポール・サウンドが堪能できる名盤だ。リズム隊とベーシックギターはアナログ録音されており、最終的にデジタル環境でミックスが行われている。
1曲目の「Messin’With Mr.Big」は、密度良くコシのあるリズム隊の押し出しと、高域にブライトなエッジを残しつつ、中低域にかけての厚みを持たせたディストーションギターの粘りをどう再現できるかがポイントだ。R700ではリズム隊の低域はぐっと沈み込み、どっしりとした安定感を演出。ギターの粘り良いリフも小気味良く、前へ押し出しよく迫ってくる。ボーカルも重心が低く、ハスキーながら厚みのある描写だ。特にドラムセットのニュアンスは細かく、バスドラムのエアー感やスネアドラムの自然な厚み、シンバルワークの涼やかさも心地よく響く。音場は広大で、オルガンの深みやコーラスワークの粒立ちもほぐれ良く描いている。
続いて聴いたのはビリー・ジョエルから、93年発表の『River of Dreams』だ。現状最後のオリジナルアルバムであるが、シングルカットされた「All About Soul」を聴く。分離良く厚みを持つリズム隊に支えられ、ボーカルはハリ良く浮き立つ。口元の動きもフォーカス良く明瞭で、コーラスワークも前後感がはっきりと掴める。ストリングスもナチュラルに聴こえ、ほんのりと感じるリヴァーブのニュアンスも克明に聴き取れた。また「Two Thousand Years」のダイナミックなドラムと軽快なギター、ブライトで澄んだ響きを見せるピアノの絶妙なバランスも見事。しっかりとした鮮度感とコシのあるボディの太さによって、各々のパートが安定的かつスムーズに楽曲を引き立てている。
ビリー・ジョエルといえば、旧ヤンキー・スタジアムで初開催したロックコンサートの模様を収めたCD+BD『Live At Yankee Stadium』も発売されたばかり。その当時のコンサートツアーに先駆けて発売された『Storm Front』もハイレゾ版で聴いてみたが、「We Didn't Start the Fire」は力強いリズムを刻むキックドラムやベースの密度も濃く、奥行き深く響く。シンセサイザーの明るさやエレキギターの軽快さも心地よく、ボーカルのメリハリ良い際立ち感、口元のスムーズさも印象的である。
ここで『Storm Front』のアナログ盤(英・オリジナル)も聴いてみたが、リズム隊の存在感が増し、よりどっしりとした重厚さを実感。シンセサイザーも厚みが出ているが、それぞれのパートが滑らかに描かれ、有機的に融合していく。コーラスの重心も低くまとまり、ボーカルを含めて声の艶感がより豊かに描かれており、浸透力が増したように感じられた。
またCDではエイジアの『ASIA』(AUDIO FIDELITY/24Kゴールドディスク・リマスター盤)も聴いてみた。エレキギターの音色は太く滑らかで、荒げたところがない。リズム隊の厚み、音運びのスムーズさも印象的で、しっとりとして伸びやかなボーカルの滑らかな描写も含め、立体的に音像が定位する。特にボーカルのリヴァーブはとても深く豊かにかけられていることがわかる。音場のクリアさ、SN感も高い。
Polk Audioはアメリカ東海岸のボルチモアで創業したということで、同じく東海岸のバンドであるエアロスミス『GET A GRIP』を93年発売当時のレコード(EU盤)とハイレゾ版で比較。「Eat the Rich」ではレコードの圧倒的な中低域の厚み、ベースやギターのリッチさ、豊かな倍音の伸びが心地よく、ボーカルもナチュラルな際立ちを見せ、質感も滑らかに描き出す。イントロ直前のカウントも鮮明であり、臨場感溢れるサウンドが展開される。
R700の余裕のある中低域の押し出し感は、レコード再生ともマッチする。ハイレゾ版は全体的にフォーカス良く明晰なサウンド傾向であるが、生々しい躍動感はアナログには及ばない。一方で音圧感が高い音源ではあるが、エネルギッシュなエレキギターも整然と定位し、リズム隊も分離良く描き出す。耳に痛くないハードロックサウンドはなかなかに新鮮だ。
続いてボストンの4作目『WALK ON』をレコード(アメリカ盤・オリジナル)で再生する。重厚に重なったギターのパートごとの粒立ちも細かく引き出し、リッチなステージが目前に展開。ベースも伸び良くふくよかで、エレキギターのクリーントーンも実に爽快だ。肉付き良く滑らかなボーカルとコーラスワークの存在感も高く、しっとりとした質感はアナログならではの表現である。