PR従来の美点を継承しつつ音質向上を実現
Astell&Kernの進化が止まらない!大飛躍したサウンド、DAP「A&norma SR35」&イヤホン「AK ZERO2」レビュー
ZERO1の構成をベースに、そのうちのダイナミック型に一体化する形で超高域再生用のピエゾトランスデューサーも搭載。ピエゾトランスデューサーはダイナミックドライバーに連動し、スーパートゥイーターとして機能するとのことだ。ドライバー数は6基で、帯域分けは以下の通り。
・超高域:ピエゾトランスデューサー(※ダイナミックドライバーに連動)
・高域 :マイクロ・レクタンギュラー・プラナー×1
・中域 :BA×2
・中低域:BA×2
・低域 :DD×1
BAドライバーの搭載数もZERO1から倍増している。またダイナミックドライバーも、5.6mmから10mmに大口径化。再生帯域の拡大も各帯域の充実も期待できる構成と言える。
あとは綿密な設計のクロスオーバーネットワーク回路と、3Dプリントによるアコースティックチャンバーによってこれらを調和させること、そして日本国内での徹底管理された製造によって、同社が理想とするサウンドが生み出されるというわけだ。
ハウジングはCNC切削によるアルミ製。同社を象徴する三角形とメカニカルな雰囲気を組み合わせたようなフェースプレートのデザインも面白い。
ケーブルは4芯純銀メッキOFC。コネクタ部はMMCX端子で交換可能、3.5mmシングルエンド駆動用と4.4mmバランス駆動用の両タイプが標準付属する。イヤーピースはシリコン5サイズとフォーム1サイズが付属。他にキャリングケースも付属する。
AK ZERO2のサウンドは、先に紹介したSR35と組み合わせて確認。SR35の設定はクアッドDAC/バランス/ハイゲイン。
どの要素においてもハイエンド機の水準を満たしていることを前提に、いちばんの魅力として伝えたいのは、ハイミッドからハイにかけての煌びやかな表現である。
星街すいせい「Stellar Stellar」のエレクトリックサウンドのキラメキ、見事なまでのバーチャル空間的な音の配置を、超高性能デジタルカメラで撮影した星空の如く、パキッとハイコントラストに描き出す。その上で、やりすぎ感や加工感は出さない。派手なのにうるさくない、こういった表現をできるイヤホンは稀有だ。
AK ZERO1も同傾向だったので、両者が共通で搭載するマイクロ・プラナー型ドライバーの持ち味、それを生かしたチューニングのおかげなのだろう。
その上で、その高域の魅力が際立つZERO1に対して、ZERO2は、中低域や超高域の補強によってか、より幅広い帯域、音楽全体の充実もさらにしっかりと味わえる仕上がり。個性も出しつつのオールラウンダーという印象だ。
シリーズのらしさを継承した上に、音質面でこれまでにない大きな飛躍を遂げたA&norma SR35。第1弾と共通の個性も備えつつより幅広い表現力を得たAK ZERO2。どちらも、明確な方向性と止まらない進化を示す、Astell&Kernらしい新製品だ。
(提供:アユート)