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PR従来の美点を継承しつつ音質向上を実現

Astell&Kernの進化が止まらない!大飛躍したサウンド、DAP「A&norma SR35」&イヤホン「AK ZERO2」レビュー

公開日 2023/05/17 06:30 高橋 敦
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ではそのサウンドを、まずは筆者リファレンスのハイエンドイヤホン、qdc「TIGER」と組み合わせて確認してみる。

まずは「A&norma SR35」の実力をqdcイヤホン「TIGER」でチェック

クアッドDAC/シングルエンド/ハイゲインの設定で聴きはじめる。まず驚いたのは、高いS/Nによる静寂感。近年の同社DAPはどれもS/N向上が著しいが、SR系としては今回が過去最大のジャンプアップだ。

その驚きのまま宇多田ヒカル「BADモード」を聴いていくと、変わらぬSRシリーズらしさにも気付かされる。音や声の手触りの滑らかさだ。

エッジの強調がなく、すっと耳に入ってくるのが心地よい。それぞれの音が主張しすぎないおかげで、情報量の多い楽曲でも歌の背景がうるさくなりすぎてしまうこともない。初代SR15はボーカルの魅せ方に優れた「声DAP」とも評されていたが、その美点も見事に受け継がれている。

バランス駆動に切り替えた際にはまず、シンプルに駆動力の向上のおかげか、ベースやドラムスなど低音楽器の沈みや重みに大きな向上を感じられた。

本体上部に接続端子部を配置

ボーカルと楽器の見え方も少し変わってくる。シングルエンドは背景を適度になじませることで、その前に立つボーカルを際立たせる感じ。対してバランスでは楽器の存在感も立ってくる。しかし同時に、音の定位の精度が上がり、声と楽器の前後奥行の配置、立体的な位置関係もよりはっきりする。故に前方中央に定位するボーカルの主役感が薄れることはない。

シングルエンド駆動はこのシリーズらしい魅力が際立つサウンド、対してバランス駆動はより普遍的あるいはハイエンド的な高音質に接近した、そんな印象だ。

■AK ZERO2


「AK ZERO2」はAstell&Kernブランドでの完全オリジナルイヤーモニターの第2弾。2021年の第1弾「AK ZERO1」の開発で得た知見と最新の技術を合わせ、同社のサウンド哲学を具現化したものだという。

「AK ZERO2」

ドライバー構成は、ZERO1がマイクロ・レクタンギュラー・プラナー=超小型平面駆動/BA/ダイナミックの3種類を組み合わせた「トリプルハイブリッド」だったところから、4種類のドライバーを用いる「Quad-brid」設計に進化している。

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