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独自R-2RDAC/FPGA搭載の最先端DAP

3つの技術を巧みに集約!Astell&Kern次世代DAP「A&futura SE300」の“新次元サウンド”を聴く

公開日 2023/06/30 06:30 岩井 喬
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■ポイント2:独自のFPGAで実現したOS/NOSモードの使い分け



そして、2つ目のポイントは、独自FPGAを用いたOSモード/NOSモード切り替えについてである。このFPGAはR-2R方式DACの前段に配置されており、再生される音源のデジタル信号(SE300では最大PCM 384kHz/32bit、DSD 11.2MHzに対応)をR-2R方式で処理しやすいよう、24bit化する行程も担っているようだ。

一般的にオーバーサンプリングが用いられる理由は、サンプリング周波数の半分(ナイキスト周波数)となる値以上の信号が入力されると折り返し歪み(エイリアシングノイズ)が生じることから、サンプリング周波数の値をより高く設定(オーバーサンプリング)することで、折り返し歪みの影響を避けられる点にある。これによりローパスフィルターの負担を軽くできる他、ジッター低減などの効果もあり、積極的にデジタル由来の歪みを抑えるための役割を担う。

DACに入力する前のデジタル信号の処理方法を切り替えることで、サウンドにも影響が出る

SE300の場合、OSモードではPCMの44.1kHz系で352.8kHz、48kHz系で384kHzまでの最大8倍に変換して再生するといい、NOSモードはオーバーサンプリングをバイパスするため、再生音源をそのままダイレクトにDA変換する。そのためR-2R方式DACの素直なDA変換のサウンドとNOSモードの相性は高く、R-2R方式の本質を理解するうえでも積極的にOSモード/NOSモードの切り替えを利用したい。

■ポイント3:異なるアナログサウンドを生む「Class-A/AB Dualアンプ」



最後に3つ目のポイントであるClass-A/AB Dualアンプであるが、先にAstell&Kernではアナログポータブルアンプ「AK PA10」でA級動作を取り入れ、注目された。A級動作は出力段の素子が持つ動作曲線上の直線部分に動作点を置く手法で、低歪で入力波形への追随性も高い、滑らかなサウンドが大きな特徴である。

一般的にA級動作は消費電力が大きいが、AK PA10同様、ノイズを除去しつつ消費電力も抑え、高出力も達成したという。これは効率的な電源管理と電源ノイズの除去、歪みを抑えた増幅を実現するという、主要回路を一体化した独自のサウンドソリューション「TERATON ALPHA」による効能も高いだろう。

アンプの動作も2つのモードを切り替えられる

一方のAB級動作はより一般的に広く用いられている手法であり、音質的なメリットの多いA級動作と、大出力を効率的に実現できるメリットを持つB級動作の中間的な動作となる。つまりA級動作よりも高効率でありながら、出力の高さ、高調波歪みの少ないダイナミックなサウンドが特徴だ。

入力波形への追随性の高さや音質の滑らかさという点では、特にA級動作はR-2R方式のDACと親和性が高いといえるだろう。

OS/NOSモード、アンプモード、およびゲイン切り替えには、メニュー画面から簡単にアクセスできる

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