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演出と撮影の意図を表す描画力

これこそMini LED×量子ドットの最前線!ハイセンスの新旗艦テレビ「UXシリーズ」に感嘆

公開日 2023/07/21 06:30 大橋伸太郎
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ハイセンスの2023年4Kテレビ新モデルにして、新たなフラグシップラインとして登場した「UXシリーズ」。最上位モデルにふさわしい性能を獲得するべく開発された「ダイナミックXディスプレイ」を搭載し、 “有機EL超え” のコントラストをアピールする本機の実力を検証する。

ハイセンス「UX」(テレビ台:朝日木材加工「SP-DLX1600」)

ハイセンスの技術開発力で実現する「OLEDへの挑戦状」



ハイセンスが他と違う点は、OLEDを生産せず、液晶方式に集中することだ。ハイセンスがTVS REGZAと深いつながりがあることは知られている。昨年までREGZAが映像エンジンの技術開発で一年先行していたが、今回のUXシリーズに搭載の「HI-VIEW エンジンX」は、今期の「レグザエンジンZRα」と同時進行の共同開発。使用する液晶パネルもREGZA「Z970M」と同じ。いままで兄弟だったのが双子になったのである。

16BITの大容量信号処理を行う映像エンジン「HI-VIEWエンジンX」を搭載

そのコンセプトからも汲み取れるように、UXシリーズは、OLEDへの挑戦状のようなテレビだ。

使用するMini LEDは75V型において、従来モデル「U9H」の2.5倍。その結果、75V型は150%、65V型は115%明るさが向上した。量子ドットフィルターも一新、U9Hは拡散板と量子ドット層が一体だったが、UXの量子ドット層は別フィルムになり色の純度が高まり、DCI-P3カバー率は98%に到達した。

ハイセンス2023年モデルからは、リモコンのダイレクトボタンにスポーツ配信サービス「DAZN」が追加。コンテンツへのアクセスがより容易になった

ローカルディミングは75V型でU9Hの3.8倍。映像処理は12BITから16BIT処理へ拡張、表示できる階調が4096から65536へ躍進した。

「U9H」(75型の場合)比較で約3.8倍のエリア分割を行う「ローカルディミング アドバンスト」を搭載。有機EL機に迫る高コントラストを実現させた

演出と撮影の意図を表す描画力。全てのテレビの最前線に立ち得るモデル



まばゆいくらい明るい、強大なパワーのテレビだ。パネル単体の明るさは2300nits(75V型)、1600nits(65V型)に達した。明室での視聴を基本に考えているため、暗室や半暗で視聴する場合は、ユーザーは積極的に調整した方がいい。

16bit処理の恩恵はあらたかで、夜景の実写映像で出やすいバンディングノイズがほぼ一掃されている。初見時にはエッジ強調や色彩の過剰感が看取されたが二度目の視聴で修正され、精密感のある清々しい画に変わった。打てば響くのはすぐれた素性の証明。暗部情報の表出はよくできたOLEDに及ばず、ソフトウェアの進化に期待したい。

本モデルを視聴して最も感銘を受けたのは、映画の画質だった。『ノースマン』の主人公が魔剣を奪うシーンは、方式を問わず月明かりと闇の境界線でRGBゲインが揃わない場合が多いが、本機は色むらが発生せず、演出と撮影の意図が正しく伝わる。名作『暗殺の森』のダンスのシーンはさまざまな黒の質感と色味の違いを描き分ける。これができないと官能と頽廃が映像から匂い立ってこない。

映画コンテンツでは、暗部表現、差し込む僅かな光といった繊細な演出も見事に表現

フィルムゲインの扱いが的確で粒子がきめ細かく、見る上で妨害要素にならないのは、映像エンジンの判別と分析が的確であることの証明。海外テレビメーカーの中にあってハイセンスは研究員が多摩市の同社事業部に常駐しているため、視聴機会の最も多い地上デジタルの画質の設定が国産製品に遜色ない。

OLEDとの優劣はソース毎の各論になり一概にいえないが、UXシリーズはMini LEDと量子ドットを現時点で最も使いこなし、全てのテレビの最前線に立つことは間違いない。

(提供:ハイセンスジャパン株式会社)
(協力:朝日木材加工株式会社)

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