PRJVC製USB-Cイヤホンがラインナップを拡充
音楽にもオンライン会議にも活躍! JVCの開放型お手軽USB-Cイヤホン「HA-FR17UC」レビュー
まずはPCのUSB Type-Cポートに接続してみると、USBオーディオ機器としてすぐに認識された。専用のドライバーなどをインストールする必要も無いため、購入してすぐに使いたい時にも便利だ。先述の通り、Zoomなどでのオンライン会議や、Discordでのゲーム中のボイスチャットなどで主に使用してみたところ、相手の声がクリアで聞き取りやすく、こちらの声も問題なく拾ってくれるので、快適に通話することができた。特に開放型ならではの圧迫感の少なさで、より自然な通話が楽しめる。また、軽量ゆえの扱いやすさから、ちょっとした離席時などにも煩わしくなく、まさに普段使いにピッタリという印象だった。
続いてAndroidスマートフォンに接続し、Apple Musicアプリで音楽再生時の音質をテスト。YOASOBI「アイドル」では、クリアで距離感の近いハッキリしたボーカルを中心として、ハイハットなどのリズム隊のシャープめでキレのある描写が目立つ。開放型ならではの抜けの良さも相まって、すっきりとした広がりのあるサウンドだ。開放型という特性上、低域は密閉型と比べると弱く感じる部分は否めないが、全体として聴くとそれなりに存在感があり、バランスは悪くない。やや平面的ながら自然な響きで、アタック感もなかなかのもの。少なくとも低音がスカスカに感じることは無いだろう。
こうした低域の扱い方にはJVCのノウハウが感じられつつも、印象としては以前紹介したHA-FR9UCのふくよかな中低域重視のサウンドとは真逆の傾向にも感じる。一方でボーカルなど声の帯域の聞き取りやすさに関しては共通しているところであり、例えば音楽以外の、Audibleなどのコンテンツにも相性が良さそうだ。
平井堅「ノンフィクション」を再生してみると、特徴的な歌い出しのエッジボイスからしなやかなファルセットまで丁寧に表現されており、やはりボーカルとの親和性は良好。流石に弦楽器周りの厚みには少々物足りなさを覚えるものの、かき鳴らすようなアコースティックギターの響きにはカリッとした粒立ちの良さもある。濃すぎずさっぱりとした優しめなサウンドは、リラックスして聴くのにも合っている。
総じて全体的に軽めな音作りには好みも分かれるところかもしれないが、開放型の手軽な使用感とは相性が良い。普段使いに向いたイヤホンとして、安定して長時間使いやすい音質にまとまっていると感じた。
開放型イヤホンの「ちょっと使いたいときに便利」という特徴に、USB Type-C接続による汎用性が上手く噛み合った、良いとこ取りの性質を持った本製品。今後USB Type-Cを採用した機器がどんどん増えていくことも予想されており、ますます使用シーンが高まっていくであろうUSB Type-C用イヤホンの選択肢として、まずはお手頃な本製品をぜひチェックしてみてほしい。
(提供:JVCケンウッド)