【特別企画】バイワイヤリング接続にもオススメ
高解像度&ハイスピードのゾノトーン・新スピーカーケーブル。新導体PCUHDの採用で音質がさらに飛躍
ゾノトーンが誇る、聴感で独自に編み出したケーブル作りの匠の技。線径および異種素材ハイブリッド技術による最新の成果を導入し、定番のMeisterシリーズ・スピーカーケーブルの2モデルが新しくなった。使いやすく手頃でハイクオリティを実現する新スタンダードモデル、そのポテンシャルを福田雅光氏が試聴レポートする。
手頃な価格のスピーカーケーブルの世界に新しいページを開く「Meister SP-1700」が誕生した。ケーブルデザインとしては最もシンプルな平行構造を採用した製品で、これは現在の「6NSP-1500 Meister」の後継モデルである。
4種類の導体をハイブリッドで構成したところに変化はないが、その一部を高性能導体PCUHDへと変更した点が、新たなページとして注目されるべき大きな特徴である。同時に型名も変更し、そこには新しい思い入れが現れている。
ゾノトーンでは、PCUHD導体をすでにトップエンドならびに上級ミドルクラスのケーブルで採用し、音質的な性能の進化に大きな成果を上げてきた。今回、スタンダードケーブルにも導入したことは、より幅広いユーザーに高性能スピーカーケーブルの価値を楽しんでもらうことを可能とするものだ。
用途としては現在のケーブルからの交換や、5m10mと長く引き回す場合に、接続をバイワイヤリング構成に増強するなどが考えられる。音質的に大幅に強化された内容であり、手頃な価格である点に加え、たいへん使いやすいケーブルである。
PCUHDとは何か。この導体は6N高純度銅ほどには知られていない。しかしその音質性能は6Nを凌ぐSN比の高さと解像力を備えたものであると筆者は考えている。それは数年前のことになるが、PCUHD導体のサンプルを試聴する機会があった。テストすると、圧倒的に高純度で解像度が高い音質であることを確認できた。
古河電気工業(株)が生産する高純度無酸素銅線PCUHDは、ピュア・カッパー・ウルトラ・ハイ・ドローアビリティの略である。結晶内ガス成分が少ない最高グレードのOFCを母材として、不純物の混入しにくいカーボン製の炉で製造されている。一般的なOFCの酸素含有量に対して、5ppm以下と半分以下に高純度化することで、気泡の発生や酸化物の生成が少ない高性能導体である。
ケーブル端末は裸の状態でBowers & Wilkins「800 D3」に接続してテストした。優れたレスポンスで中音に勢いがあるため、マリンバやピアノ曲のインパクトがグンと立ち上がってくる。輪郭を克明に描き、コントラストの高い音像が構成され魅力を出す。透明度はたいへん高い。ゆるみやくもりの発生しない表現で、低音も実に強力でダンピングも高く引き締まる。力感を引き出す低域の様子も特に文句はない。
キャロル・キッドの「ホエン・アイ・ドリーム」は清涼に澄みきり、ヌケのいい声である。高解像度で全体にスピードのあるエネルギーが楽しめる。導体サイズ1.55スケアの断面積のケーブルが、実に多彩な表現力を高度に出してくる。筆者は最近、細手のケーブルの実力に注目している。導体構成がシンプルであることはメリットなのである。
下位モデル「SP-330 Meister」も同時にバージョンアップされ、Meister SP-440に進化している。これは2種類のハイブリッド導体でOFCとPCUHDが使われている。導体断面積は0.75スケア。
このモデルはSP-1700と比較すれば高音のレンジ感やダイナミックレンジ、全体の勢いは負けるが、中間帯域を重視したバランス設計で透明感は高い。また、低音や中低音のエネルギーは強力なパワーがあるため、豊かさのあるサウンドが楽しめる。
透明度の高さはPCUHD導体から得られているようだが、このことは音のクオリティの高さにも関係して濁りは少ない。用途としては低価格な小型スピーカーが向くだろう。
平行構造のMeister SP-1700の進化は、PCUHDの採用が大きく貢献しているだろう。このクラスのケーブルが実力を高めたことが今回の大きな収穫である。同等のケーブルを使っている場合は、是非グレードアップして効果を確認してほしい。バイワイヤリング対応スピーカーでは、高音端子に接続すると高音がきれいに伸び、低域端子に接続すると中低音の厚みや質感にメリットを出す。
(提供:前園サウンドラボ)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.190』からの転載です
新導体PCUHDを起用し新たに設計
手頃な価格のスピーカーケーブルの世界に新しいページを開く「Meister SP-1700」が誕生した。ケーブルデザインとしては最もシンプルな平行構造を採用した製品で、これは現在の「6NSP-1500 Meister」の後継モデルである。
4種類の導体をハイブリッドで構成したところに変化はないが、その一部を高性能導体PCUHDへと変更した点が、新たなページとして注目されるべき大きな特徴である。同時に型名も変更し、そこには新しい思い入れが現れている。
ゾノトーンでは、PCUHD導体をすでにトップエンドならびに上級ミドルクラスのケーブルで採用し、音質的な性能の進化に大きな成果を上げてきた。今回、スタンダードケーブルにも導入したことは、より幅広いユーザーに高性能スピーカーケーブルの価値を楽しんでもらうことを可能とするものだ。
用途としては現在のケーブルからの交換や、5m10mと長く引き回す場合に、接続をバイワイヤリング構成に増強するなどが考えられる。音質的に大幅に強化された内容であり、手頃な価格である点に加え、たいへん使いやすいケーブルである。
PCUHDとは何か。この導体は6N高純度銅ほどには知られていない。しかしその音質性能は6Nを凌ぐSN比の高さと解像力を備えたものであると筆者は考えている。それは数年前のことになるが、PCUHD導体のサンプルを試聴する機会があった。テストすると、圧倒的に高純度で解像度が高い音質であることを確認できた。
古河電気工業(株)が生産する高純度無酸素銅線PCUHDは、ピュア・カッパー・ウルトラ・ハイ・ドローアビリティの略である。結晶内ガス成分が少ない最高グレードのOFCを母材として、不純物の混入しにくいカーボン製の炉で製造されている。一般的なOFCの酸素含有量に対して、5ppm以下と半分以下に高純度化することで、気泡の発生や酸化物の生成が少ない高性能導体である。
Meister SP-1700 -高透明度で低音も引き締まる高度な表現力
ケーブル端末は裸の状態でBowers & Wilkins「800 D3」に接続してテストした。優れたレスポンスで中音に勢いがあるため、マリンバやピアノ曲のインパクトがグンと立ち上がってくる。輪郭を克明に描き、コントラストの高い音像が構成され魅力を出す。透明度はたいへん高い。ゆるみやくもりの発生しない表現で、低音も実に強力でダンピングも高く引き締まる。力感を引き出す低域の様子も特に文句はない。
キャロル・キッドの「ホエン・アイ・ドリーム」は清涼に澄みきり、ヌケのいい声である。高解像度で全体にスピードのあるエネルギーが楽しめる。導体サイズ1.55スケアの断面積のケーブルが、実に多彩な表現力を高度に出してくる。筆者は最近、細手のケーブルの実力に注目している。導体構成がシンプルであることはメリットなのである。
Meister SP-440 -中間帯域を軸にエネルギー豊かな音を再現
下位モデル「SP-330 Meister」も同時にバージョンアップされ、Meister SP-440に進化している。これは2種類のハイブリッド導体でOFCとPCUHDが使われている。導体断面積は0.75スケア。
このモデルはSP-1700と比較すれば高音のレンジ感やダイナミックレンジ、全体の勢いは負けるが、中間帯域を重視したバランス設計で透明感は高い。また、低音や中低音のエネルギーは強力なパワーがあるため、豊かさのあるサウンドが楽しめる。
透明度の高さはPCUHD導体から得られているようだが、このことは音のクオリティの高さにも関係して濁りは少ない。用途としては低価格な小型スピーカーが向くだろう。
平行構造のMeister SP-1700の進化は、PCUHDの採用が大きく貢献しているだろう。このクラスのケーブルが実力を高めたことが今回の大きな収穫である。同等のケーブルを使っている場合は、是非グレードアップして効果を確認してほしい。バイワイヤリング対応スピーカーでは、高音端子に接続すると高音がきれいに伸び、低域端子に接続すると中低音の厚みや質感にメリットを出す。
(提供:前園サウンドラボ)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.190』からの転載です