PR大型筐体ならではのハイパワー&高音質
これがデノン流リビングオーディオ! 「DRA-900H」で音楽もテレビも高音質に楽しもう!
■Hi-Fiコンポと遜色ない再生能力。HDMI入力のクオリティも目を見張るものがある
試聴ではスピーカーにB&W「704 S3」を接続。TVからのHDMI接続を行うとともに、USBメモリーやネットワークを使ったAmazon Music HD再生も試してみた。
まずはUSBメモリー再生のクオリティを確認。キレ良く見通しの深いサウンドで、高域の澄んだ余韻と煌びやかな倍音の粒立ちが音像の輪郭を艶やかに浮かび上がらせている。低域も伸びやかさとアタックの制動の高さを両立し、音場のクリアさが際立つ。音像は重心が低く、芯の太さがくっきりとした存在感のある描写である。
クラシックの飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2013『プロコフィエフ:古典交響曲』〜第一楽章(96kHz/24bit)では管弦楽器のエッジの利いた旋律を爽やかに引き出し、ローエンドも締まり良くまとめ、ハリ良くスッキリしたハーモニーが展開。余韻も丁寧で潤い良い音場が広がる。
イ・ソリスティ・ディ・ペルージャ『ヴィヴァルディ:四季』〜春(192kHz/24bit)においても弦楽器の潤いの良さ、艶やかなディテールを分離良く描写。チェンバロの響きも透き通っている。
ジャズ音源のオスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』〜ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)ではピアノのクリアで澄んだアタックと、ウッドベースの弾力良い胴鳴りの響きがバランス良く融合。弦のたわみ感に加え、スネアドラムのブラシはアタックの硬さを感じさせ、粒の一つ一つが明瞭に浮き立つ。制動良いリズム隊の演奏と、ボディの伸びやかさのバランスについても絶妙だ。
『Pure2-Ultimate Cool Japan Jazz-』〜届かない恋(2.8MHz・DSD)においてはホーンセクションやシンバルのシャキッと鮮やかに立ち上がるさまは躍動的で生き生きとしている。ピアノの響きもほぐれ良く、低域方向にかけての厚みも自然に表現。リズム隊のアタックも厚みがあり弾力豊かな押し出しを見せる。音場のS/Nも良く、シンバルの余韻の丁寧な響きも印象に残った。
ロック音源のデイヴ・メニケッティ『メニケッティ』〜メッシン・ウィズ・ミスター・ビッグ(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)のディストーションギターは、太くコシのあるボディ感と、刻みの細やかさを両立したリフの小気味良さが耳に残る。リズム隊もブンブンと逞しいリードを見せ、スネアのアタックはスッキリと滑らかに決める。ボーカルのハリも良く、質感もスムーズに引き出す。
ハイレゾ音源のシカゴ『17』〜ワンス・イン・ア・ライフタイム(192kHz/24bit)では、ホーンやシンセの透明感、爽やかな余韻が階調細やかに拡散。ボーカルも艶ハリ良く浮き立ち、口元の定位もシャープだ。ベースは力強く伸びやかで、アタックは弾力良い傾向。分解能の高さと耳当たりの良さを兼ね備えたサウンドだ。
Suara「キミガタメ」11.2MHzレコーディング音源(5.6MHzに変換したファイルを再生)は有機的で伸びやかな楽器、声のトーンを艶良くしっとりと描き切り、リヴァーブの階調の細やかさ、清涼さもS/N良く表現。アコースティックギターの弦は太さもあり、胴鳴りのコシの太さ、艶やかなピッキングのアタックもリアルにトレースしてくれる。
続いてソースをAmazon Music HDに切り替えてストリーミングの音質も確認。まずCD品質のHD音源を聴いてみたが、音像の厚みをしっかりと引き出しつつ、ギターのピッキングの粒立ちやリリースの伸びやかさを豊かに聴かせてくれる。輪郭表現は幾分マイルドだが、ボーカルの際立ち、ヌケ感も十分に高く、耳当たりが良い。
ハイレゾ音源の諏訪内晶子『シベリウス&ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲』(96kHz/24bit)は音場の再現性は甘めであるもの、ソロヴァイオリンの弦の艶やハリの滑らかさをスムーズに引き出し、破綻なく描き切る。オーケストラの歯切れの良さ、広がり感もしっかりと表現。ローエンドの堂々とした響きも印象に残った。
Christopher Cross『Another Page』〜Nature Of The Game(192kHz/24bit)ではボーカルをはじめ、ピアノやギターのクリアで爽やかな響きが心地よく感じられる。ベースはぐんと締まり、キックドラムの密度も濃く好対照だ。
最後にHDMI接続でのサウンドもチェック。TVと本機を繋ぎ、Netflixでコンテンツを再生した。『エルヴィス』から「サスピシャス・マインド」のシーンを確認。セリフをスッキリと聴かせ、バンド演奏のストリングスもハリ滑らかに表現。コーラスやホーンセクションの響きもゴージャスで、ボーカルも輪郭をハリ良く明瞭に引き出す。キックドラムやベースの豊かさも音場を覆うようなものではなく、密度良く締めてバランスを整えている。
そして『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』もチェック。SEの細やかさをストレートに拾い上げ、BGMの弦楽器の響きもきめ細かくナチュラルに引き立たせている。セリフはシャキッとシャープなタッチで描き、ヌケ良くクリアに定位。一つ一つの音を丁寧かつ分離良く引き出し、解像感の高いサウンドとしている。
さらに『Hikaru Utada Live Sessions from AIR Studios』から「One Last Kiss」も確認したが、ボーカルのハリ良く滑らかなディテールをリアルに描き出し、定位感もシャープに表現。シンセの音も密度良くしっとりと感じられる。コーラス処理の広がりもスムーズで、リヴァーブ成分も素直に捉えることができた。ベースのグルーヴも粘りよく存在感があり、全体のまとまり、バランス感も巧みである。
USBメモリーからのサウンド確認はアンプの基礎的なクオリティチェックという側面がある。その再生音は明らかにAVアンプよりも重心が低く、低域の制動性に優れたリアルな音を聴くことができ、Hi-Fiモデルと遜色ない品質であることが分かった。
加えてストリーミング再生はマイルドな音調ではあるものの、HDMI入力のクオリティの高さには目を見張るものがある。TVからの音も悪くないと思える解像感、質感の良さを味わえた。HDMIセレクターとしての役割を含め、積極的にTVサイドに置いてリビングでのサウンドを集約して楽しむ、多機能Hi-Fiアンプとして非常に完成度が高い。
DRA-900HはこれまでのHDMI搭載モデルで物足りない思いをしていた方にこそふさわしい、ハイパワーかつ高音質を両立した製品だ。
(協力:ディーアンドエムホールディングス)