PRワイヤレスヘッドホン「UX2000」もチェック
final新フラグシップ「ZE8000 MK2」、進化した8K SOUNDを聴く
■精緻な空間描写に加えてリアルで自然な音色も特徴
論より証拠ということで、実際の製品を装着して新旧の違いを確認してみた。まず、イヤーチップの変更による装着感の向上がハッキリと分かる。旧モデルがダメということではないが、より自然、かつ多くのユーザーが理想的なボジションに装着できるようになった、という印象だ。また、ガイド音声も変更されたようで、同じ女性ながらも声のトーンが高くなり屋外でも聞き取りやすくなっていたりする。こういった細やかな改良も嬉しいポイントだ。
肝心のサウンドはというと、正確な空間描写を余すことなく感じ取ることができる「8K SOUND」らしさは変わらず、さらに左右奥行きともに音場が広くなり、同時に一段と正確な定位を感じられるようになった。finalでは「オーケストラに没入できるイヤホン」としている。また、イヤーチップにより遮音性が向上した恩恵だろう、同じ音量で聴き比べても音圧が高まったように感じられる。
音質面では、クオリティも向上しているが、よりリアルで自然なサウンドになったという表現が妥当だろう。発売前の最終サンプルであるため製品版では多少音色傾向は変わるかもしれないが、今回試聴した印象では、ややドライな音色傾向を持ちつつもリアルの楽器や歌声を思い出させてくれる絶妙なサウンドへと生まれ変わっている。
実際の変化は僅かなのだか、とても効果がある。旧モデルは緻密でリアルなサウンドがとても魅力的だったが、人によっては音色が遠く感じ、慣れるまでに時間のかかる人がいたようにも思う。「ZE8000 MK2」ではそういった部分が払拭されたイメージだ。おかげで、特にボーカルの自然さは特筆もので、肉声をも彷彿とさせてくれるリアルさだった。
もちろん、楽器の音色もリアルだ。特にアコースティック楽器の音色が素晴らしく、バイオリンもチェロも、金管楽器も印象的かつ魅力的なサウンドを聴かせてくれる。音場がより広くなったため、フルオーケストラが抜群にいい。雄大、かつ臨場感溢れるサウンドを楽しませてくれた。
いっぽうでハードロックも悪くない。フォーカスのよいドラムやベースなどのリズムパートによって、エレキギターの音も厚過ぎず薄過ぎず、グルーブのよい演奏を楽しませてくれる。
このように「ZE8000 MK2」は、細部のブラッシュアップによってより良質なサウンドへと進化、finalが唱える「8K SOUND」らしさをより実感できる製品となっていた。実際、TWSでここまでの音質を実現できるのは驚きでもある。ワイヤレスは必須、それでも良音質のサウンドを求めたい人には、是非一度聴いてほしい製品だ。
[SPEC]
●通信方式:Bluetooth® 5.2 ●対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive ●連続再生時間:5時間(ケース込み15時間) ●質量:6.6g(実測値)