PRスピーカースタンドなどアクセサリーも要注目
コンパクトでハイコスパ、そして音が良い! Kanto Audio「YU2」がデスクでのスピーカー再生を楽しくする
■期待以上の表現力! イヤホンでは聴けない音がここにある
スピーカーとしての基本スペックは、ドライバーは3/4インチ シルクドームトゥイーターと3インチ コンポジットウーファーによる2ウェイ構成。アンプ定格出力は50W×左右。再生帯域は80Hz-20kHz。USB入力仕様は最大48kHz/16bit。
ではそこから再生されるサウンドについて、前述のオプションスタンド「S2」も使い、13インチMacBook Airの両サイドにセッティングしてチェックした。まず音楽再生については、インパクト大なMVも話題、星街すいせいさん「ビビデバ」での印象を例に述べていこう。
端的に言って期待以上! 目の前に構築される音響空間の再現性、特に奥行方向の表現力には驚かされた。低音再生もボリュームの出し方と抑制のバランスが優秀。もちろんボーカル表現も不足なしだ。
奥行表現の見事さがわかりやすいのは最初のサビの後の展開部。数小節ごとにドラムス前後定位が音量や響きの付け方で切り替えられており、それが楽曲の表情を豊かにしている。YU2で聴くとその切り替わりの様子が明瞭で、その表現の意図までしっかりと伝わってきた。
音の前後配置はイヤホンやヘッドホンでは表現が難しく、スピーカーリスニングでこそ堪能できる要素。故にせっかくスピーカーを導入するならぜひ重視したいポイントだが、YU2はそこに強みを持っているわけだ。
ベースラインの魅力も素直に再現。弾みと膨らみのあるベースの音色を、ちゃんと膨らませてボリューム感を出しつつも緩い感じはせず、フレーズのキレも損ねていない。低音のボリュームとキレの両立は小型スピーカーにとって難しい課題だが、余裕あるアンプパワーのおかげか、YU2はそれもクリアだ。
歌声の質感表現もよい。サビで堪能できる星街さんの声の伸びやかさは当然、イラつき感を乗せた声色や歪みを乗せたローファイ処理も映え、楽曲に込められた表現がここでもしっかり届いてくる。
そのポテンシャルは映像作品の視聴でも発揮される。例えばNetflix配信作品『葬送のフリーレン』EP10「強い魔法使い」での、フリーレンとフランメの会話の背景のちょっとした物音の届き方や、魔力解放時に壮大に広がった音楽が「自害しろ」ですっと収まるそのコントラストの鮮やかさ。その映えや冴えは空間表現に優れたスピーカーシステムで映像作品を楽しむ醍醐味だ。YU2ならそれも味わえる。
最後に音量。筆者の感覚では「音量30%程度でもマンション隣室への迷惑が少し気になる」ほどだ。もっと音量を上げられる環境の方でも不足を感じる場面は少ないだろう。
ノートPCの隣に収まるサイズでこのクオリティで、価格も完全ワイヤレスイヤホンのハイエンド製品と同程度。そのお値段でスピーカーリスニングという新しい扉を開けられると考えれば趣味的観点からのコスパも高いと言えるのでは?気になった方は検討してみてほしい。
(協力:完実電気)