PRサブスクからCD、テレビ、YouTubeまで全対応
デノン「RCD-N12」は“生活に馴染むオーディオ”だ。使って気づいた、リアルに嬉しい3大ポイント
■リアルに使い勝手が良かった3大ポイント
ここからはいよいよ、筆者宅のテレビと接続したRCD-N12を使った所感をレポートしていこう。筆者の生活スタイルの中で、特に便利に感じたポイントを、大きく3つにまとめた。
なお、スピーカーは本機との組み合わせを想定して開発された純正モデル「SC-N10」(別売)を使用。RCD-N12はデフォルト設定でサウンドをSC-N10に最適化するモードになっている。
まず基本のテレビ放送、そして配信映画やYouTubeなど映像視聴全般で、RCD-N12+SC-N10の組み合わせはしっかり力を発揮してくれた。本機のアンプ出力は定格出力65W+65W(4Ω、1kHz、THD+N 0.7%)で、リビングで鳴らす音量に対して駆動力に不足はない。
音場はちゃんと横に広がり、かつ奥行きもあり、映画・ドラマから、バラエティ、音楽番組まで幅広いジャンルを楽しめた。人物のセリフなど声も聞き取りやすい。2chのスピーカーを置いて音声を鳴らす魅力を改めて感じた次第だ。
特に男子サッカー・U-23アジアカップの放送を視聴した際には、サッカーファンの我が夫が「いつもと音が違って良い!」と満足げな様子で楽しんでいたのが印象的。テレビでのスポーツ観戦は、音環境を整えるとスタジアムの歓声が広がって細かく聞こえ、臨場感が段違いだ。
なお、本機はデノン&マランツの製品に搭載される独自のネットワークオーディオ再生機能「HEOS」に対応している。アプリから選曲や再生などの操作ができてシームレス。我が家では、スマホのHEOSアプリからアカウントを連携させて、Amazon Music HDを聴いて楽しんだ。本アプリはアップデートを繰り返して使いやすくなったようで、筆者宅で使用した限りはスムーズだった。
一応、ここで音質的なことに軽く触れておこう。Amazon Music HDより、宇多田ヒカル初のベストアルバム『SCIENCE FICTION』から、再録されて生まれ変わった「traveling(Re-Recording)」(96kHz/24bit FLAC)を再生すると、まず音場が広くて、高い鮮度感にグッと引き込まれる。
本曲は、原曲と比べ音数が減ってヘルシーながら、BPMが早くなり、ビビッドでツヤのあるダンスチューンに垢抜けた。そんな楽曲の疾走感を支えるのが、弾力のある低域・ビートで、これがRCD-N12+SC-N10で力強く立体的に表現され、我が家のリビングが鮮やかな空間になる。アウトロまでずっとエモい。
山内氏がデノンのハイエンド機器開発で掲げる“Vivid & Spacious”という音のコンセプトが、本機の中にも生きていることを実感した。
そしてもうひとつ、あって良かったと実感した機能が「CD再生」だ。というのも、筆者は昔から男女問わずアイドル楽曲オタク(正確に言うと、アイドル楽曲の構成と歌割りのフェチである)、近年は「なにわ男子」という男性グループがお気に入りである。
……だがこのなにわ男子、2024年5月現在で楽曲の配信が開始されておらず、音源としてはCDしかないのだ。そして実は筆者、CDの再生&リッピング環境を持っておらず、夫のデスクトップPCを拝借してリッピングしなくてはならないという事情がある。リッピングしていないCDをパッと聴きたくなっても、それが夫の不在時だと我慢するしかなかった。
まあ要するに、昔みたいに手軽にCDを再生するコンポ的なものが欲しいなと思っていたところだった。それがRCD-N12をテレビと接続したら、CD再生したいという願いもついでに叶ったというわけだ。CDレシーバーというものの良さを改めて感じた。
次ページ実際に使ってわかった、RCD-N12の便利ポイントその2、その3