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PRVGP審査員・林 正儀氏が音質チェック

トーレンス「TD1500」レビュー。VGP「特別大賞」のアナログプレーヤーを評論家が自宅で聴く!

公開日 2024/09/06 06:30 林 正儀
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THORENS(トーレンス)のアナログプレーヤー「TD1500」が、アワード「VGP2024 SUMMER」でピュアオーディオ部会「特別大賞」を受賞。同アワードの審査員でもある評論家の林 正儀氏が、TD1500をレビュー。その魅力を徹底解剖する。

トーレンス「TD1500」をレビュー

TD1500は「物量投入とはひと味違うつくりのよさが魅力」



トーレンスには格別の思い入れがある。1883年スイスの精密機器会社から始まった世界最古のターンテーブルメーカーであり、銘機「TD124」やリファレンスに憧れたものだ。その名門トーレンス社が様々な経緯を経て現代に蘇った。新CEOのグンター・キュルテン氏のもと完全復活を遂げたのだ。我ら古参のアナログユーザーにとってこれ以上の喜びはないだろう。

その第1弾として登場したのがスタンダードクラスの「TD1500」(税込495,000円)だ。私はVGP2024 SUMMERにて「特別大賞」に推挙した。

VGP2024 SUMMER ピュアオーディオ部会「特別大賞」を獲得

受賞内容は「現代の技術で蘇った、独自のフローティング・サブシャーシー構造を持つ名門ブランドのアナログレコードプレーヤーに対して」というものだ。そんなトーレンスを改めて自宅システムに持ち込みじっくり聴いてみた。

VGP審査員を務める評論家の林 正儀氏がTD1500の実力をチェック

梱包をあけるところから始めよう。パーツがきれいに整理されている。ほとんど組み立て完了で、自社開発のトーンアーム付き。フローティングタイプのサブシャーシーにベルトをかけたターンテーブルをセットするだけ。いたってシンプルなものだ。

ウオールナットのキャビネットにおさまったTD1500はシックで高級感十分。重さは7.9kgだ。コンパクトサイズだし、このウッディなたたずまいがわが家のリスニングルームによく似合う。物量投入とはひと味違うつくりのよさが魅力といえる。

名機のDNAを引き継ぐ音質へのこだわり。「若者やアナログ初心者にこそ使って欲しい」



改めて特徴をピックアップしてみよう。TD1500はフローティングタイプのサブシャーシ&ベルトドライブ方式のターンテーブルだ。トーレンスの技術的な礎となった「TD150」(1965年発売)のDNAを引継ぎ、ターンテーブルとトーンアームが装着されたサブシャーシーを3本のスプリングによって支え、モーターが固定されたメインフレームから切り離す構造である。これにより不要振動の影響を受けず、高いハウリングマージンを獲得している。

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