PRANCや音質カスタマイズ、着け心地までちょうど良く備えた高コスパモデル
1万円ちょっとで “ほしい要素がすべて揃う” 完全ワイヤレス。Baseus「Bowie M2s Pro」をレビュー
聴き疲れさせない、ソフトでしなやかな音色と響き
そして当然、サウンドも上質だ。音の良さを派手にアピールするタイプではなく、ソフトでしなやか音色と響きを持ち味とし、リスナーを聴き疲れさせないタイプ。それでいて音をぼけさせず明瞭感もあり、じっくり聴き込んでも満足感を得られる。
ドライバーユニットには、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)振動板を採用した10mm径ダイナミックドライバーを搭載。日本で発売されるモデルには日本人の聴覚特性に最適化されたチューニングも採用される。
BluetoothはSBC/AAC/LDACコーデックに対応するが、今回はiPhoneと組み合わせてAACでの試聴をメインとした。またイコライザーオフの設定はないため、標準プリセットの「Baseusクラシック」を使用している。
星街すいせい「ビビデバ」は夜の雰囲気の両面、しっとり感とやんちゃさがミックスされた楽曲だ。それをこのイヤホンはしっとり感の方を強め、より大人っぽいサウンドで届けてくれる。ヒップホップ的なリズムも、バキバキにキマッた感じではなく、しなやかなグルーヴといった感触に。ベースやドラムのアタック、シンバルの鋭さ、音の歪み感といった要素はやや控えめになるが、音像の明瞭度は確保されており、リズムの軸が緩むことはない。全体の見晴らしもクリアで、ボーカルの姿も綺麗に浮かび上がる。総じて、楽曲全体の魅力も生かしつつ、「歌ものらしい聴かせ方」に寄せてくれる印象だ。
となればアイザイア・シャーキー「Special Lady」のように、そもそもソウルフルで大人っぽい楽曲との相性は抜群。ソフトな楽曲をソフトなイヤホンで聴くとぼやけた音になってしまう例もあるが、それには当てはまらない。音の感触はソフトだが音像の見せ方はクリアというこのイヤホンの特長は、むしろソフトな楽曲を聴くときにこそ最大限に発揮される。メロウな歌と楽曲の甘い魅力を堪能しつつ、その後ろで繰り広げられている凄腕ミュージシャンの競演も聴き逃したくない。そんなリスナーにおすすめしたくなるサウンドだ。
またその耳当たりの柔らかさから、本機はトークコンテンツの聴きやすさ、聴き疲れにくさにも優れる。長時間に及びがちな雑談配信やゲーム実況の視聴にもフィットするだろう。
と、あれこれ力説したが、そんな力みはこのモデルの紹介としてはふさわしくなかったかもしれない。「値段も機能もちょうど良さげだからこれでいっか」くらい気軽にこのモデルを選んだユーザーに「実際これで良かったな」と思わせてくれるイヤホン。気軽におすすめできるし気軽に選べるイヤホン。Bowie M2s Proとはつまり、そういうイヤホンだ。
(提供:Baseus)