PRテレビとHDMI接続できるモデルまで、多機能モデルが勢揃い!
今こそ「ミニコンポ」が面白い! デノン/マランツ/B&Wの令和ライフにマッチする厳選5モデルレビュー
デノン「RCD-N12」、HDMI搭載でテレビの音まで高音質で楽しめる
デノン「RCD-N12」は、多様なコンテンツを楽しめるCDレシーバーだ。その最大の特徴はARC対応のHDMI端子を搭載していること。テレビ側にもARC対応のHDMI端子が採用されていれば、テレビ放送、映像サブスクサービス、ゲームなどといった映像コンテンツの音声を高音質で楽しめる。
音楽再生機能も充実している。CDプレーヤーに加え、BluetoothやWi-Fiによる接続をサポート。「HEOS」アプリを利用すれば、Amazon MusicやDeezerなど複数の音楽サブスクサービスを横断して検索・再生可能だ。また、MM対応のフォノイコライザーを内蔵しており、アナログプレーヤーの接続も可能である。
定格出力65W+65Wを誇るクラスDアンプを搭載。最新のパワーアンプモジュールを採用し、S/N比を大幅に向上させている。280W×108H×305Dmmというコンパクトな筐体はモダンなデザインで、リビングや寝室などさまざまな場所に調和しやすい。
量感のあるエネルギッシュな音色
RCD-N12のサウンドは、エネルギッシュでありながら洗練されている。オアシスの「Don't Look Back In Anger」をCDで再生すると、ディストーションの効いたエレキギターが分厚く、エッジが明瞭だ。ボーカルも生々しく、声の微妙な変化を捉える。CD『BLUE GIANT × BLUE NOTE』の「チーズ・ケイク」では、ドラムとテナーサックスの立ち上がりが素早く、疾走感が心地良い。
さらに、HEOSアプリを使用してレディー・ガガ & ブルーノ・マーズの「Die With A Smile」をプレイ。イントロのギターが静かな空間に響き、サビでは倍音豊かなハーモニーが美しい。Mrs. GREEN APPLEの「ライラック」ではリードギターの瑞々しいフレーズと艶のあるボーカルが引き立つ。
音楽の楽しさを余すことなく引き出してくれる印象である。今回は試さなかったが、この高音質なら映画やテレビ番組でも、コンテンツの魅力を引き出してくれることは間違いないだろう。まさに「全方位型」の一台である。
マランツ「MODEL M1」、上位機譲りの技術を凝縮した“小さな高級オーディオ”
マランツの「MODEL M1」は、本物のHi-Fiコンポだ。一般的に高級オーディオは、堅牢で大きな筐体や大型パーツが音質に影響を与える“物量重視”の設計が多い。
本機も高級機なみに物量を投入しており、217W×84H×239Dmmという小型筐体ながらも、4mm厚のアルミ製ベースプレートを採用している。さらに、マランツがHi-Fiコンポーネントで長年培ったクラスDパワーアンプの技術を惜しみなく採用しており、最大100W+100Wの高出力を誇る。そのサウンドをマランツは、「フルサイズのプリメインアンプに匹敵する」という。
ネットワーク再生機能も充実している。「HEOS」を中心に、Spotify Connect、AirPlay 2、Bluetoothに対応しているほか、USBメモリー内や同一ネットワーク上のハイレゾ音源も再生可能だ。入力端子も多彩で、光デジタル入力やアナログ入力に加えてHDMI(ARC対応)も搭載。リビングに設置すれば、テレビのDolby Digital+音声を高音質で楽しむことができる。
デザインはコンパクトでミニマルな仕上がり。リビングや書斎、ベッドルームなど、設置場所を選ばず、どんな空間にも自然に馴染むシンプルさが魅力だ。
高精細かつ質感の高いサウンド。これは“小さな高級オーディオ”だ
ストリーミング再生を中心に試聴したが、MODEL M1の音質は一聴してその精細さと高密度なサウンドが印象的だった。目を閉じて聴けば、フルサイズのプリメインアンプで再生しているかのような錯覚を覚える。
オアシス「Don't Look Back In Anger」では、ギター音の分離感が際立っており、弦一本一本が個別に音を出していることが分かる。『BLUE GIANT × BLUE NOTE』の「チーズ・ケイク」では、ドラム音の粒立ちが小気味よく、滑らかな中高域のサックスが演奏者のニュアンスを余すところなく伝えてくる。
また、レディー・ガガ & ブルーノ・マーズの「Die With A Smile」では、低域から高域までバランスが取れており、音に立体感がある。左右の定位はもちろん、奥行きまで感じられるサウンドだ。音量を絞っても質感やバランスが崩れず、小音量でもリスニングを楽しめる点は、高級オーディオならではの特性だろう。ネットワーク再生を高級オーディオの音質で楽しめる、まさに“新世代”のミニコンポだ。
B&W「Zeppelin Pro Edition」、独特の流線型デザインが映えるスピーカー一体型
最後に紹介するのは、B&W「Zeppelin Pro Edition」である。スピーカー一体型という点でミニコンポとは異なるが、ストリーミング再生を高音質で楽しめる製品として取り上げたい。
Zeppelin Pro Editionの名称とフォルムは、ドイツの飛行船「ツェッペリン号」に由来している。本機はシリーズ5世代目で、2022年に登場した4世代目の「Zeppelin」をベースに、B&W独自開発のドライバーを搭載した。特に注目すべきは、2基の25mmチタンドーム・トゥイーターで、同社のHi-Fiスピーカー「600 S3」シリーズと同じユニットを採用している。ミッドレンジには、B&Wのアイコンともいえる「コンティニュアム・コーン」と同じ技術が用いられている。
ネットワーク再生は「Bowers & Wilkins Musicアプリ」を使用し、Amazon MusicやSpotify(Spotify Connect)、Deezer、ハイレゾ対応のQobuz(コバズ)に対応している。BluetoothやAirPlay 2もサポートしており、幅広い音楽体験を提供する。
太い筆致で自然なサウンドを奏でる
B&Wは「原音再生」をポリシーとしており、Zeppelin Pro Editionもその理念に忠実なサウンドを奏でる。Bowers & Wilkins MusicアプリからQobuzの楽曲を再生したが、極めて自然で聴き疲れしない音が印象的だった。
オアシス「Don't Look Back In Anger」では、ギター音が太く力強い筆致で描かれ、繊細なメロディと音色の重厚感が絶妙に融合している。一体型とは思えないステレオ感があり、定位も非常に正確だ。
Mrs. GREEN APPLEの「ライラック」では、ギターやベースの音が小気味よく、中高域は滑らかで音の立ち上がりが素早い。低域は芯があり弾力を感じさせる音で、リズムに乗りやすい。音の浸透力も高く、リスニングポジションを選ばないのも特長だ。
加えて、エアロダイナミックな流線型デザインは視覚的な魅力も大きい。単なるスピーカーではなく、インテリアとしても高い価値を提供する。「音楽を聴く」だけでなく、空間を彩る存在としても優れた一台だ。
(提供:ディーアンドエムホールディングス)