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既存機器は対応不可、PS3はフル対応か − 見えてきた「Blu-ray 3D」の詳細

公開日 2010/02/12 13:12 ファイル・ウェブ編集部:風間雄介
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■後方互換性はどう確保しているのか

ここでBlu-ray 3Dの特徴の一つである後方互換性についても触れておこう。MPEG-4 MVCでは基準となる映像が、左眼/右眼のどちらかに用意されていることは前述の通り。だから、BDAが説明する「既存プレーヤーで2Dとして再生可能」という意味は、その基準映像をそのまま再生すれば、2DのフルHD映像が再生されるということだと推定できる。

と、ここまで書くと、2D映像の再生時には視差の問題が出てくるのでは、と気づく方もいるだろう。左眼と右眼の間は、人にもよるが、おおむね6cm程度離れていると言われている。ステレオベースの調整は被写体との距離や被写体の大きさなどにもよっても変わってくるが、ここでは話を簡単にするために6cmに限定して考えてみると、Blu-ray 3Dソフトを2Dで視聴した場合には、左眼用、右眼用のどちらを基準映像に設定したとしても、両目の中央からは3cmずれた位置から撮影した映像を見ることになる。

まだ記者はBlu-ray 3Dソフトの2D再生映像を見たことがないので、その視聴感については何とも言えないし、オーサリングの仕方によっても見え方は変わってくるだろうが、違和感を感じるという人が出てくる可能性もある。

■HDMIで3D関連パケットを常時送信することも大きなハードルに

Blu-ray 3Dを再生するための2つ目の大きなハードル。それはHDMI 1.4の3D規格で定められている、3D映像を転送している事をテレビ側に伝える為に必要なパケットを吐き出せるか、という問題だ。

Blu-ray 3DのデータをHDMIで伝送するためには、3D映像信号を転送している事を示すパケットを、映像信号と同時に常に送り続けなければならない。このパケットには、3D映像の解像度やフレームレートなどの情報が書き込まれている。

ただし、従来のHDMI 1.3に対応したTX(トランスミッター)-LSIでは、このパケットを2フレーム毎という非常に高い頻度で、自動的に送信する機能は備わっていない。HDMI 1.3のTX-LSIを使って、これらのデータを超高速で吐き出すためには、システムLSI側から常にこれらのデータをTXに送り続ける必要があるが、これにも大変な負荷がかかってくる。

HDMI 1.4で、なおかつ3Dに対応している新しいTX-LSIには、このパケットを送信する機能が備わっている。このため、システムLSIの負荷を抑えながら、テレビ側にBlu-ray 3Dのデータを伝送することが可能になる。

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