防音・調音で音環境を良くする!<第3回> “響き”をコントロールする方法を知ろう!
まず吸音をしっかり行う。それから調音材で整える
調音で最重要なのは、音響障害の排除。その上で、響きの多いライブにするか、響きの少ないデッドにするか調整していく。ホームシアターでは、一般的にはデッド気味に仕上げていくとよいだろう。
音響障害の排除に関しては、定在波対策が重要である。具体的には、どうしても発生してしまう定在波のポイントから視聴位置をずらす。視聴位置として選びがちな部屋の中央は、特に定在波が発生しやすいので、視聴位置を少し後方などにずらしてみるとよい。
次は残響時間を減らす。余分な残響音を吸音していこう。ホームシアターでは吸音材をやや多めに使う。吸音材にもいくつか種類がある。グラスウールやサーモウールなど、多孔質体を素材に採用したものと、共鳴管を使ったものがある。前者は多数のメーカーから様々な特性を持った製品が発売されている。後者の原理を応用した製品は、ダイケンのサウンドデザインウォールのKラウンドチューブや、ヤマハの調音パネルがある。吸音と拡散を同時に行え、しかも吸音特性はフラットだ。
吸音の次に拡散を行う。拡散は音を細かく分散することによって、響きを豊かにする効果がある。
なお、音響障害が発生しづらい、吸音材と拡散材の配置もある(図参照)。また、「ホームシアターファイル」本誌には実際に調音の実験を行った結果も記事にまとめてあるので、そちらもぜひ参考にしてみてほしい。
※本コラムは「ホームシアターファイル 63号」から転載しています。