今年は首都圏にも相次ぎ上陸
これが映画館の新基準? まさに圧倒的体験、米ドルビー本社で “ドルビーシネマ” を観てきた
昨年末、ついに日本にもドルビーシネマがやってきた。このことは、当社の永井が福岡に行って、詳しくレポートした。今後も日本で続々とオープンするはずだが、現在のところ、日本で体験できるのは福岡県のT・ジョイ博多だけだ。
私は残念ながら福岡のドルビーシネマを体験できていなかったのだが、先日、ついにドルビーシネマをこの目で、この耳で確かめることができた。それも、サンフランシスコにあるドルビー本社で!
ちなみに、サンフランシスコのドルビー本社のすぐ近くには、Twitterの本社やtwitchの本社がある。ほかにもYelp、Uber、セールスフォース、Razerなどのテクノロジー企業も、本社をサンフランシスコに構えている。また銀行やアパレル関連の優良企業も多く、勢いのあるスタートアップから歴史のある名門企業まで、バランスの取れた企業群が揃っている。そんな中にドルビーがあることで、様々な交流も生まれ、研究開発も活発化されているはずだ。
ドルビー本社ビルは16階建てなのだが、その中には、なんと100もの研究室が存在するという。研究している様子を見せてもらうことはもちろんできなかったのだが、本社の公共スペースの一部を見せてもらった。
■劇場に入る前の体験からデザインする完璧主義
さて、今回ドルビー本社でドルビーシネマを説明してくれたのは、Dolby Laboratoriers,Inc Dolby Cinema Product Marketing Director の Chris Kukshtel氏だ。
まず感動したのが、劇場内へ入る際のエントランス、アプローチだ。人間の背丈以上ある、巨大な湾曲スクリーンがゆうに10メートル以上は続き、上映される映画の動画が流れている。これは「AVP(Audio Visual Path)」という名称が付いているとのこと。この映像は、天井から超短焦点で投映されているのだが、下から見上げてもプロジェクターの存在は見えない。映像に継ぎ目も感じられない。実に見事なしつらえだ。
ドルビーシネマは「劇場内に入る前」の体験から、すべてが設計されている。これから作品の世界に浸ろうというときに、その作品の動画がアプローチで再生されている。だから、期待が自ずと高まる。そういう体験の最初から最後まで、徹底してデザインする完璧主義は、さすがドルビーだ。
■スピーカーの存在が見えない!映像への没入に徹底的にこだわった
劇場内に入ると、やはり通常の映画館とは明らかに違う。まず、劇場内の壁や天井が暗めのグレーで、凹凸はほぼ無く、すっきりとしている。スピーカーも見えず、存在をまったく感じさせない。もちろんこれは、余計なものが視界に入って映像に没入することを防ぐためだ。
スクリーンサイズも、25m×25mと大きい。そして特筆すべきは、投映用のプロジェクターはクリスティ社のレーザー光源のもので、それを2台使ってさらなる高輝度を実現しているのだ。
「通常の映画館では、プロジェクターは1基です。明るさは48nits程度、コントラスト比は2,000対1程度が標準的かと思います。それに対してドルビーシネマでは108nitsもの明るさ、コントラスト比は100万対1以上を実現しています。つまり、コントラスト比は通常のプロジェクターで投映した場合の500倍以上ということです」(Kiukshtel氏)。
ちなみにこの明るさ108nitsというのは2D映像表示時の数値で、3D映像表示時には48nitsとなる。2台のプロジェクターを使って、1台は左目用、もう1台は右目用の映像を投映するためだ。ただしそれでも、通常の映画館での2D映像表示時とほぼ同じ明るさを確保している。3D映画ファンにも嬉しい仕様と言えるだろう。
また、これも福岡でのレポートで紹介したとおり、シートの並び方も一般的な劇場とは違う。シートの一つ一つがゆったりとした作りで、座ると包み込まれるような心地よさがある。またシートとシートのあいだのスペースも広い。これなら、臨席の人の動きが気になって画面に集中できない、といったことは少ないだろう。
また中央前方あたりの左右のシートは、普通の劇場に比べてさらにシートが斜めを向いており、ほぼ画面中央に向かっている。シートの配列そのものにも徹底的にこだわっているのだ。
「ドルビーシネマでは、座る席によって体験が大きく異なることのないよう、慎重に設計しています。すべての席でベストな体験が得られるようにしているのです」とKukhtel氏は胸を張る。
■これまで映画館で見ていた映像とは次元が異なる
一通りの説明を聞いたあと、早速デモを体験した。時間の関係で、作品を1本丸ごととはいかなかったが、いくつかのトレーラーを再生してもらった。
私は残念ながら福岡のドルビーシネマを体験できていなかったのだが、先日、ついにドルビーシネマをこの目で、この耳で確かめることができた。それも、サンフランシスコにあるドルビー本社で!
ちなみに、サンフランシスコのドルビー本社のすぐ近くには、Twitterの本社やtwitchの本社がある。ほかにもYelp、Uber、セールスフォース、Razerなどのテクノロジー企業も、本社をサンフランシスコに構えている。また銀行やアパレル関連の優良企業も多く、勢いのあるスタートアップから歴史のある名門企業まで、バランスの取れた企業群が揃っている。そんな中にドルビーがあることで、様々な交流も生まれ、研究開発も活発化されているはずだ。
ドルビー本社ビルは16階建てなのだが、その中には、なんと100もの研究室が存在するという。研究している様子を見せてもらうことはもちろんできなかったのだが、本社の公共スペースの一部を見せてもらった。
■劇場に入る前の体験からデザインする完璧主義
さて、今回ドルビー本社でドルビーシネマを説明してくれたのは、Dolby Laboratoriers,Inc Dolby Cinema Product Marketing Director の Chris Kukshtel氏だ。
まず感動したのが、劇場内へ入る際のエントランス、アプローチだ。人間の背丈以上ある、巨大な湾曲スクリーンがゆうに10メートル以上は続き、上映される映画の動画が流れている。これは「AVP(Audio Visual Path)」という名称が付いているとのこと。この映像は、天井から超短焦点で投映されているのだが、下から見上げてもプロジェクターの存在は見えない。映像に継ぎ目も感じられない。実に見事なしつらえだ。
ドルビーシネマは「劇場内に入る前」の体験から、すべてが設計されている。これから作品の世界に浸ろうというときに、その作品の動画がアプローチで再生されている。だから、期待が自ずと高まる。そういう体験の最初から最後まで、徹底してデザインする完璧主義は、さすがドルビーだ。
■スピーカーの存在が見えない!映像への没入に徹底的にこだわった
劇場内に入ると、やはり通常の映画館とは明らかに違う。まず、劇場内の壁や天井が暗めのグレーで、凹凸はほぼ無く、すっきりとしている。スピーカーも見えず、存在をまったく感じさせない。もちろんこれは、余計なものが視界に入って映像に没入することを防ぐためだ。
スクリーンサイズも、25m×25mと大きい。そして特筆すべきは、投映用のプロジェクターはクリスティ社のレーザー光源のもので、それを2台使ってさらなる高輝度を実現しているのだ。
「通常の映画館では、プロジェクターは1基です。明るさは48nits程度、コントラスト比は2,000対1程度が標準的かと思います。それに対してドルビーシネマでは108nitsもの明るさ、コントラスト比は100万対1以上を実現しています。つまり、コントラスト比は通常のプロジェクターで投映した場合の500倍以上ということです」(Kiukshtel氏)。
ちなみにこの明るさ108nitsというのは2D映像表示時の数値で、3D映像表示時には48nitsとなる。2台のプロジェクターを使って、1台は左目用、もう1台は右目用の映像を投映するためだ。ただしそれでも、通常の映画館での2D映像表示時とほぼ同じ明るさを確保している。3D映画ファンにも嬉しい仕様と言えるだろう。
また、これも福岡でのレポートで紹介したとおり、シートの並び方も一般的な劇場とは違う。シートの一つ一つがゆったりとした作りで、座ると包み込まれるような心地よさがある。またシートとシートのあいだのスペースも広い。これなら、臨席の人の動きが気になって画面に集中できない、といったことは少ないだろう。
また中央前方あたりの左右のシートは、普通の劇場に比べてさらにシートが斜めを向いており、ほぼ画面中央に向かっている。シートの配列そのものにも徹底的にこだわっているのだ。
「ドルビーシネマでは、座る席によって体験が大きく異なることのないよう、慎重に設計しています。すべての席でベストな体験が得られるようにしているのです」とKukhtel氏は胸を張る。
■これまで映画館で見ていた映像とは次元が異なる
一通りの説明を聞いたあと、早速デモを体験した。時間の関係で、作品を1本丸ごととはいかなかったが、いくつかのトレーラーを再生してもらった。