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自動車・AV機器両方に明るい評論家、会田肇氏がレポート

トヨタ/ソニー/Amazonらの注目展示に“空飛ぶタクシー”も。CESで見えた「5G時代のオートモーティブ」

公開日 2020/01/21 06:40 会田 肇
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この試作車を完成させるにあたっては大手自動車部品メーカーであるマグナ・インターナショナルが関わっているが、車両デザインなど多くの部分でソニーがAV機器を通して積み上げてきたノウハウが活かされているという。世間からは「ソニーがEVを発売するのか?」との声も多く聞かれたが、ソニーによれば、この試作車を2020年中にも公道で走行実験する予定にしているものの市販する予定はないという。つまり、この試作車はあくまでソニー自身が持つ自動車関連技術を内外にアピールするたショーケースとして展開するために完成したものなのだ。

アマゾンが、自動車メーカーが軒を連ねるノースホールにブースを構えたことも大きな話題を呼んだ。すでにアマゾンが提供するAlexaは、「クルマのためのサービス」としてクルマと家やインフラとつなぐAIプラットフォームにまで大きく育ちつつある。ノースホール入口にはAlexaをインストールしたランボルギーニを展示。ブース内ではキャデラック「CT5」を使ってドライバーがAlexaと対話しながら目的地の検索したり、自宅のスマート家電機器を遠隔操作、さらには給油代金をAmazon Payで支払うデモを行った。

自動車メーカーが軒を連ねるノースホールに初めて本格出展したアマゾン。車載でのAlexa活用を前面に打ち出していた

なかでも人気を呼んでいたのは、ブース内に出展した「Rivian」のEVピックアップトラックだ。4つのモーターで駆動力を高めただけでなく、左右別々にタイヤを回転させることで急ターンも可能にするなど、想像以上のパフォーマンスも発揮するという。アマゾンではこの車両を配送用として約10万台を発注したことも注目点だ。また、ネットで自動車の購入検討や相談、購入までを一貫して行なうシステムも展示。ここは買いたいクルマのカラーリングや仕様を自在にスマホ内で変更し、様々なシチュエーションで走らせて見ることもできる、購買意欲につながるソリューションとして紹介した。

■5Gの商用化は自動運転につながるゲートウェイ

2020年は5Gがいよいよ商用化を本格化させる年でもある。これによって自動運転を目指すオートモーティブでは様々なメリットがもたらされる。5Gでは通信のキャパシティが強化され、大容量のデータが高速かつ遅延なく送受信できるようになるからだ。特に5Gが実現する「多接続」は走行中の数多くの車両に必要な情報を適切に伝えられるようになり、たとえば道路上の障害物やアクシデントの発生をいち早く伝えて安全な走行につなげられる。5Gの商用化は自動運転につながるゲートウェイでもあるわけだ。

そのなかで、米国の大手半導体メーカーであるクアルコムは、これまでスマホやタブレットなどモバイル端末向けに提供してきたSoC「Snapdragon」シリーズを、自動運転をはじめとするADAS(先進運転支援システム)向けのプラットフォームに仕立てた「Qualcomm Snapdragon Ride Platform」を発表。これによって、クアルコムが推進するセルラーV2Xの無線技術や、ドライバーへのインターフェイス(HMI)を支援するデジタルコックピットへの応用も可能となる。Snapdragonを搭載するスマホのようなクルマが街を走るのも間近なのかもしれない。

クアルコムは5Gに備え、自動運転をはじめとするADAS向けのプラットフォームに仕立てた「Qualcomm Snapdragon Ride Platform」を発表

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