【おすすめ】サブスクで見られるファミリームービー6選！家族と過ごすGWに最適

『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ！花の天カス学園』（2021年・日本）
(配信：Netflix)

■あらすじ
国民的人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の劇場版29作目となる青春ナゾ解きおバカ学園ミステリー。エリート校「天下統一カスカベ学園」、通称“天カス学園”の1週間体験入学に参加することになったしんのすけたちカスカベ防衛隊。天カス学園への入学を夢見る風間くんであったが、足を引っ張るしんのすけに腹を立てて、二人は大喧嘩。その矢先、“吸ケツ鬼”による怪事件が発生し、風間くんが被害に遭ってしまう。「カスカベ探偵倶楽部」を結成したしんのすけたちは、事件のナゾを解こうと調査を開始するのだが…。

〜子どもが楽しめて、大人は考えさせられる「クレヨンしんちゃん」〜
「クレヨンしんちゃん」の劇場版といえば、『映画 クレヨンしんちゃん　嵐を呼ぶモーレツ！オトナ帝国の逆襲襲』が真っ先に思い浮かぶ人が多いと思いますが、近年の作品も侮るなかれ。お馴染みのキャラクターたちが放つ魅力、吸ケツ鬼の正体を探るナゾ解き、しんのすけと風間くんの友情など、子どもが目にする上で “楽しめる” 要素がてんこ盛りなのは言うまでもないのだが、大人が目にする上で“考えさせられる”要素もふんだんに盛り込まれている。

AIによる徹底された管理のもと、学園では「エリートポイント」なるシステムが導入されており、点数に応じたクラス分けがなされている。より多くのポイントを有する生徒は優遇され、ポイントの少ない生徒は冷遇される。そのポイントの獲得を巡り、しんのすけと風間くんが衝突したり、システムの是非を巡ってあらゆる意見が飛び交うことになる。そう、この現実社会においても、「エリートポイント」的な評価や判断基準は確かに存在し、それらが格差社会・競争社会を加速させる要因にもなっている。

無論、それらが間違っているという話でもない。子どもの育て方や教育方針というものは家庭によって様々で、そこに明確な正解は存在しない。ただ、人を推し量る物差しは、決してひとつだけではない。そういった問題提起も盛り込まれている本作だからこそ、子どもが観ても大人が観ても楽しめる。たかが子ども向けのアニメーション、されど子ども向けのアニメーション。笑えて泣けて、多くを考えさせられる実りある作品です。

『リメンバー・ミー』（2017年・アメリカ）
(配信：Disney+)

■あらすじ
第90回アカデミー賞にて長編アニメ映画賞と主題歌賞の2部門を受賞したディズニーのアニメーション作品。ミュージシャンを夢見る少年ミゲル。しかし、家族を捨て音楽の道へ走った先祖のせいで、彼の家は代々音楽に触れることが禁じられていた。年に1度、亡くなった先祖が家族に会いに来るという「死者の日」に開催される音楽コンテストへ参加しようとしたミゲルであったが、祖母に見つかり大事なギターを壊されてしまう。諦められないミゲルは、伝説的ミュージシャン、エルネスト・デラクルスの墓に保管されていたギターを手に取るが、ギターを奏でた途端、“死者の国”に迷い込んでしまうのであった…。

〜家族の絆が深まる特別な時間〜
このGW、家族みんなで実家へ帰省される方も多いのではないでしょうか。そんな時にご覧いただきたいのがこの作品。劇中に登場する「死者の日」とは、メキシコにおける「お盆」のようなものであり、死者を迎えるお祭りのこと。 “死者の国” へ迷い込んだことで自らのルーツを知り、家族や先祖との絆を深めていく少年の姿は、実家にいる両親、子どもたちにとっては祖父母と過ごす時間をより有意義なものにさせてくれるのと同時に、家族のつながりというものを強く実感させてくれるに違いない。

また、親として子どもが抱く夢をどのように応援してあげられるのか、年老いた両親にどのように親孝行してあげられるのかなど、さまざまな角度から “家族” について思考を巡らせる機会をも得られることだろう。実家へ辿り着くまでの車・新幹線・飛行機の中で観るもよし、実家でおじいちゃん・おばあちゃんも交えて観るもよし、あたたかな時間をお過ごしください。

『劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』（2019年・日本）
(配信：Netflix / hulu)

■あらすじ
書籍化・ドラマ化もされた累計アクセス数1000万を超える大人気ブログを、坂口健太郎と吉田鋼太郎のW主演で映画化。単身赴任中だった父・暁(吉田鋼太郎)が、突然会社を辞めて家に帰ってきた。何があったのか一切語らない父に困惑する家族であったが、いつからかまともに言葉も交わすことのなくなった父について知りたいと考え始める息子・アキオ(坂口健太郎)。父と遊んだ唯一の思い出であるゲーム｢ファイナルファンタジーIII｣のことを思い出したアキオは、自分がプレイ中のオンラインゲーム「ファイナルファンタジーXIV」をプレゼントし、正体を隠して父と共に冒険へ出ようと考えるのだが…。

〜ゲームを介して深める親子の絆〜
年老いた両親、もしくは思春期真っ盛りの子どもでも構わない。劇中の親子のように、いつからか言葉を交わす回数が減り、気付けばどのようにコミュニケーションを取って良いか分からない。そんな状況に陥っている自覚がある方にこそ、この作品をおすすめしたい。ともすれば、「家族みんなで映画を観る」という状況を築くことすら叶わないのかもしれないが、少なくとも会話の糸口を、新たなコミュニケーションの術を模索することができるはず。

オンラインゲームを通して父の人となりを理解していく息子の姿を目にしていく中で、直接言葉にしないと伝わらないこともあれば、間に何かを介することで円滑なコミュニケーションを図れるケースもあるのだと実感する。そう、伝え方はひとつじゃない。無論、それがゲームである必要性もない。親子にとって共通の趣味や関心を持てるもの。それが思い浮かぶのであれば、自ずとアプローチの手段が見えてくる。ありとあらゆるヒントが本作には詰まっています。

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気になる作品はありましたか？ ご紹介した映画が何かのきっかけに、より充実したゴールデンウィークや家族の時間を生み出してくれることを願います。それでは、良きゴールデンウィークをお過ごしください。

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ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。