PRビクター「HA-FX150T」を例に解説
【集中連載】イヤホン イコライザー基礎知識:第2回「周波数設定の自由度こそパライコの強み」
スマートフォンアプリから音質を細かくイコライジングできることも特徴であるビクターの完全ワイヤレスイヤホン「HA-FX150T」。ただ、イコライザーとは何者なのか? 理解しているようで実は少しあやふやな人もいるのでは? HA-FX150Tを例にとりながら、イコライザーの基礎知識や使いこなすコツを短期集中連載で解説します。
第1回の基礎知識編に続き、今回はいよいよ実践編へ。「周波数」のイコライジングについてポイントを紹介します。
パラメトリックイコライザー、略してパライコの設定項目は、HA-FX150Tではそれぞれ、
●周波数=どの周波数を中心に
●ゲイン=どれほどの増減量
●Q=どれほどの周波数幅
です。今回は「周波数」を説明していきましょう。
「周波数」とは音の「高さ/低さ」のこと。音は空気などを伝わる波のようなもので、人間の耳は大きく遅い波を低い音、細かく速い波を高い音と感じます。ドライヤーや扇風機ってファンの回転が速くなると駆動音が高くなりますよね。そういうことです。
さて、様々な声や楽器が様々な音程を奏でる音楽には、本当に幅広い周波数の音が含まれています。イコライザーの「周波数」は、そのうちのどの周波数を増減させるかの設定です。「高い周波数=高音を強調してシンバルが刻む細かなリズムを際立たせる」などのように使います。
実践的な周波数設定ポイントについては、周波数・ゲイン・Qすべての説明を一通り終えてからの総合編にて説明します。今回は周波数設定の概要やパライコならではの利点を実体験で理解してもらうところまで進めましょう。
というわけで「Victor Headphones」アプリを起動。YOASOBI「アイドル」を例に低域をイコライジングしてみます。
まず「CUSTOM 1」の設定画面を開き、3つある設定ポイントのうち“ポイント(1)”を
●周波数:150Hz
●ゲイン:6.0dB
●Q:0.6
に設定。ゲインを+側の最大値6.0dBにするのは変化をわかりやすくするためです。
その「CUSTOM 1」とイコライジングなしのプリセット「FLAT」を切り替えながら「アイドル」を聴いてみましょう。150HzをグイッとブーストしたCUSTOM 1では、低音楽器であるベースやバスドラムの存在感がグイッと高まるのがわかるはずです。
では続いて「CUSTOM 2」の設定を開き、
●周波数:80Hz
●ゲイン:6.0dB
●Q:0.6
に設定。前述の「CUSTOM 1」での設定と周波数だけを変えた設定です。
CUSTOM 1とCUSTOM 2を切り替えて聴き比べると、低音楽器の存在感が増すことはどちらも同じ。でも150Hzでは低音楽器の「太さ」が強調されるのに対し、80Hzの方では太さよりも「重さ」が強調され、楽曲全体の重心もグッと沈み込むと感じられませんか?
150Hzと80Hzは大まかにはどちらも低域に含まれます。しかし中域寄りの低域である150Hzと超低域寄りの低域である80Hzでは、イコライジング効果に違いが生まれるのです。
ですがグラフィックイコライザーは周波数が固定。低音周りで調整できる周波数が150Hzなどに決め打ちされていたりします。「自分がほしいのは低音の太さじゃなく重みなんだよ!」とわかっているのにそれができないのはもどかしいものです。
逆にそれをできる、150Hzでも80Hzでもどんな周波数でも好きに選んで調整できることこそパライコの強みなわけですね。だからこそ、パライコをパライコらしく使いこなすには周波数の設定が大切になります。
次回は「ゲイン」を説明します。
(提供:JVCケンウッド)
第1回の基礎知識編に続き、今回はいよいよ実践編へ。「周波数」のイコライジングについてポイントを紹介します。
どの周波数を中心にイコライジングするか
パラメトリックイコライザー、略してパライコの設定項目は、HA-FX150Tではそれぞれ、
●周波数=どの周波数を中心に
●ゲイン=どれほどの増減量
●Q=どれほどの周波数幅
です。今回は「周波数」を説明していきましょう。
「周波数」とは音の「高さ/低さ」のこと。音は空気などを伝わる波のようなもので、人間の耳は大きく遅い波を低い音、細かく速い波を高い音と感じます。ドライヤーや扇風機ってファンの回転が速くなると駆動音が高くなりますよね。そういうことです。
さて、様々な声や楽器が様々な音程を奏でる音楽には、本当に幅広い周波数の音が含まれています。イコライザーの「周波数」は、そのうちのどの周波数を増減させるかの設定です。「高い周波数=高音を強調してシンバルが刻む細かなリズムを際立たせる」などのように使います。
パライコなら本当に調整したい周波数を調整できる
実践的な周波数設定ポイントについては、周波数・ゲイン・Qすべての説明を一通り終えてからの総合編にて説明します。今回は周波数設定の概要やパライコならではの利点を実体験で理解してもらうところまで進めましょう。
というわけで「Victor Headphones」アプリを起動。YOASOBI「アイドル」を例に低域をイコライジングしてみます。
まず「CUSTOM 1」の設定画面を開き、3つある設定ポイントのうち“ポイント(1)”を
●周波数:150Hz
●ゲイン:6.0dB
●Q:0.6
に設定。ゲインを+側の最大値6.0dBにするのは変化をわかりやすくするためです。
その「CUSTOM 1」とイコライジングなしのプリセット「FLAT」を切り替えながら「アイドル」を聴いてみましょう。150HzをグイッとブーストしたCUSTOM 1では、低音楽器であるベースやバスドラムの存在感がグイッと高まるのがわかるはずです。
では続いて「CUSTOM 2」の設定を開き、
●周波数:80Hz
●ゲイン:6.0dB
●Q:0.6
に設定。前述の「CUSTOM 1」での設定と周波数だけを変えた設定です。
CUSTOM 1とCUSTOM 2を切り替えて聴き比べると、低音楽器の存在感が増すことはどちらも同じ。でも150Hzでは低音楽器の「太さ」が強調されるのに対し、80Hzの方では太さよりも「重さ」が強調され、楽曲全体の重心もグッと沈み込むと感じられませんか?
150Hzと80Hzは大まかにはどちらも低域に含まれます。しかし中域寄りの低域である150Hzと超低域寄りの低域である80Hzでは、イコライジング効果に違いが生まれるのです。
ですがグラフィックイコライザーは周波数が固定。低音周りで調整できる周波数が150Hzなどに決め打ちされていたりします。「自分がほしいのは低音の太さじゃなく重みなんだよ!」とわかっているのにそれができないのはもどかしいものです。
逆にそれをできる、150Hzでも80Hzでもどんな周波数でも好きに選んで調整できることこそパライコの強みなわけですね。だからこそ、パライコをパライコらしく使いこなすには周波数の設定が大切になります。
次回は「ゲイン」を説明します。
(提供:JVCケンウッド)