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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第275回】

実録! final「学習専用イヤホン」で英語のリスニングテストを受けたら点数は上がるのか?

公開日 2024/07/28 07:00 高橋敦
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■STUDY1は音楽リスニングや映像コンテンツ視聴でも活躍してくれる?



“学習専用イヤホン”は普通のリスニングや動画視聴にも活躍してくれる?

学習用途での有用性についてはよしとして、一般的な音楽や動画コンテンツでのサウンドチェックの印象もお伝えしていこう。他のイヤホンと使い分けず学習もエンタメもぜんぶこれで楽しめるならその方が便利! というニーズにもSTUDY 1は応えてくれるのか?

結論から言うと、前述の「シルキーでソフト」「聴き疲れにくい」などが好みに合うのなら、音楽も動画もSTUDY 1で楽しむ! も十分ありな選択肢だ。

音楽リスニングでは、ボーカルはもちろん全体的にもシルキーでソフトタッチな感触。メロディ重視のメロウな歌ものとの相性は特によい。E1000CとSTUDY 1を比べると、動と静、陽と陰か。前者は快活でキレがよく、ヒップホップ的なリズムや雰囲気の表現が得意。対して後者こちらはそのしっとり感や滑らかさで、ソウルやクラブのリズムや雰囲気をうまく表現してくれる。またこちらの方が低音の重心が低くなり、その点でもソウルやクラブの低音表現にフィット。

シンプルにトーク中心のポッドキャストや動画では、学習リスニングの場合と同じくの聴き取りやすさを発揮。これは当然だろう。

逆に音数の多い配信コンテンツとしては大空スバルさんのスト6実況配信をチェック。E1000Cはスバルさんの声とゲームのBGM&SEを綺麗に分離してくれた上で、声もゲーム音も共にクリアに届けてくれる。打撃SEもキレキレで格ゲーらしい。

対してSTUDY 1はE1000Cと比べると声とゲーム音の分離は少し控えめになり、SEのキレもやや落ち着いた感じに。でありつつ声の聴き取りやすさが損なわれないのはさすが。また音の当たりが柔らかくなり情報量も整理されることで騒がしさは軽減。この手の配信は時として数時間にも及ぶが、それを聴き続けても聴き疲れにくいことを期待できそうだ。スバルさんの配信に限っては「うるさくないスバちゃんなんてスバちゃんじゃない!」という意見もあるかもしれないが。



ということで、本筋の「学習専用イヤホン」としての聴き取りやすさは実際に確保されており、そこに聴き取りやすさと相反しやすい要素である聴き疲れにくさも上乗せされることで、学習効率の向上はたしかに見込めそうだ。さらにそのサウンドの個性はエンタメコンテンツでも発揮される。これで2980円と学生向けとしても無理のない価格設定なのだからお得感も文句なし。

2022年2月の発売から2年超が経過したが、このSTUDY 1もE1000やVR500と並ぶfinal定番ロングセラーになるかもしれない。

高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。


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