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【第135回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

「警察じゃけぇ、何をしてもえぇんじゃ!」役所広司×松坂桃李で贈る、県警vsヤクザの抗争劇

公開日 2024/10/04 06:30 ミヤザキタケル
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サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2018年公開の『孤狼の血』をご紹介します!

『孤狼の血』(2018年・日本)
(配信:Netflix / Amazon Prime Video)

柚月裕子原作のベストセラー同名小説を、『凶悪』『死刑にいたる病』『十一人の賊軍』などで知られる鬼才・白石和彌監督のメガホンで実写映画化。昭和63年、広島。暴力団尾谷組と加古村組の抗争が次第に激化する中、加古村組の関連企業の経理担当者が失踪する。捜査のためなら手段を選ばないマル暴のベテラン刑事・大上(役所広司)とコンビを組むことになった新人刑事・日岡(松坂桃李)は、消えた男の行方を探すことになるのだが……。

冒頭から目にする者の度肝を抜く過激な映像で始まる本作は、「警察小説×仁義なき戦い」と評される原作小説のエッセンスを見事に映像化しており、警察組織やヤクザたちの色濃い人間模様、血みどろの抗争など、近年の日本映画ではあまりお目にかかれないタイプの熱が終始ほとばしっている(ちなみに、本作の配給は『仁義なき戦い』シリーズと同じく東映)。

ヤクザとの癒着が噂される傍若無人な大上と、秘めた使命をその身に宿す真面目で実直な日岡。一見対照的な2人であるが、行動を共にしていく中で徐々に絆をつむぎ変化していく男たちの関係性に胸揺さぶられ、血で血を洗う報復合戦の連続に血湧き肉躍る。そんな昭和の香りがプンプンしてくる本作を楽しめたという方は、映画オリジナルの続編となる『孤狼の血 LEVEL2』も併せてお楽しみください♪

(C) 2018「孤狼の血」製作委員会
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。

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