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山本 敦が「CES 2025」パナソニックプライベートショーの様子をレポート

<CES・パナソニック>テクニクスの新しい最上位TWS「EAH-AZ100」も披露。北米復活のビエラ、4K有機EL・液晶テレビを一斉発表

公開日 2025/01/08 02:30 山本 敦
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CES 2025に出展するパナソニックが、北米・欧州からイベントに参加する記者をラスベガスのリゾートホテルに集めてオーディオ・ビジュアル新製品の発表会を開催した。発表されたのは、2025年に欧米で発売を予定する4Kスマートテレビ“ビエラ”の有機EL・ミニLEDモデルの新しいフラグシップと、テクニクスの左右独立型ワイヤレスイヤホンの最上位モデル「EAH-AZ100」だ。

■根本から画質向上を図った4Kビエラ。全機種がFire TV内蔵


2024年9月から、パナソニックは約10年ぶりに北米のテレビ市場に再参入を果たした。Amazonとの協業によるビエラのFire TV搭載スマートテレビが好評を博したことから、2025年以降さらに勢いをつけるため主力モデルをアップデートする。いずれのモデルもFire TV機能を内蔵する。

4K有機ELテレビ「Z95B」シリーズ


4K液晶テレビ「W95B」シリーズ

発表されたラインナップは4K有機ELテレビのフラグシップ「Z95B」、ミニLEDバックライトを載せた4K液晶テレビのフラグシップ「W95B」と、4K液晶テレビのスタンダード「W70B」だ。W70Bは北米のみの展開となる。ほかの2シリーズは北米と欧州で展開することが決まっている。日本国内の展開については、現時点ではまだ検討を進めている段階。発表時点ではまだ各シリーズの販売価格を明らかにしていない。

Z95Bは77/65/55型の3サイズを展開する。レッドとグリーンのレイヤーを分け、2層のディープブルーのレイヤーを間に挟む全4層構造の「Primary RGB Tandem Panel」を採用。映像の明るさと色鮮やかさが、2024年モデルのZ95Aよりも一段と向上した。


Amazon Fire TV機能を内蔵している。プライムビデオもリモコンのボタンからダイレクトに起動する
自発光する有機ELパネルと映像処理を担うプロセッサー「HCX PRO AI MKII」が、視聴時に発する熱を、効率よく逃がすための冷却構造も改良。本体背面の中心部に鎮座していたウーファーユニットをトップ側にレイアウトし直し、さらに熱を逃がすための空気の通り道を引き直した。このことによりテレビの発熱を下げ、映像制御の安定感を高める効果が一挙に得られるという。

本体背面のトップにウーファーユニットをあえて“むき出し”にするユニークなデザインとした。サウンドシステムはTuned by Technics。正対してリスニングするユーザーを360度包み込む「360 Soundscape Pro」のコンセプトを標榜する。サウンドシステムは重低音再生の力強さも格段に増したという。今回の発表会で新しいビエラのサウンドを聴く機会は、残念ながら得られなかった。もし今後、パナソニックが本機に相当する日本市場向けのモデルを発表することがあればぜひ試聴してみたい。


Z95Bは背面にウーファーユニットをむき出しにしたユニークなデザインを採用する

スピーカーユニットのレイアウト変更には熱処理効率を高める狙いもある
W95Bは55/65/75/85型が揃う4サイズを展開。液晶パネルの分割数をW95Aのほぼ倍のレベルに細分化し、きめ細やかなディミング処理を可能にした。高性能プロセッサーの処理能力を活かして、入力された映像信号を瞬時に解析しながらパネルの画質を最適化する「Real-time Colour Tuning System」も組み込んだ。

さらに、Amazon Primeビデオの映像コンテンツに画質を自動で最適化するキャリブレーションモードや、ゲーミング時に映像の遅延やチラつきを抑えるエヌビディア「G-SYNC」、AMDの「FreeSync」などの技術にも対応した。

W70Bは43型から85型まで全7種類のサイズ展開が揃う4K液晶テレビ。Fire TV搭載のスマートテレビで、Alexaの音声操作にも対応するリモコンが付く。サウンドはサラウンド対応。独自のゲーミングモードも搭載した。

■磁性流体をTWSに初採用。EAH-AZ100が高音質の壁を突き破る


テクニクスのブランドから発売されるワイヤレスイヤホン「EAH-AZ100」は、2019年に同社が発売したテクニクスの有線モニターイヤホン「EAH-TZ700」で初めて挑戦した“磁性流体”を用いるダイナミック型ドライバーを踏襲している。


磁性流体を採用するワイヤレスイヤホンのフラグシップモデル「EAH-AZ100」
10mmの、フリーエッジ形状のダイナミック型ドライバーは、振動板の素材に高剛性の特殊アルミニウムを採用。TZ700によく似たスムーズで鮮やかな中高音域を特徴としているが、透明感あふれる豊かな低音はAZ100の方がむしろ強い印象を残す。

アクティブノイズキャンセリングはFF/FBともにデジタル方式。改良されたイヤーピースによる効果とあいまって、賑やかな発表会場の環境ノイズのレベルをぐっと下げてくれた。

イヤホン本体はさらに小さくなった

本体の構造は、ドライバーの後段に空気の流れを制御するための 「アコースティックコントロールチャンバー」を持たせた点はTZ700と同じだが、ドライバー前方にも音のバランスを整えるためのアコースティックハーモナイザーを設けた。音をより滑らかにする役割を果たしている。

EAH-AZ100の主な仕様

ドルビーアトモスによる空間オーディオ再生、Auracastを含むLE Audioへの対応とLDACによるハイレゾワイヤレス再生、最大3デバイスまで同時に接続できる独自のマルチポイントなど、機能も充実。本体はIPX4相当の防滴対応で、内蔵バッテリーはフル充電からイヤホン単体で約10時間の連続再生が行える。本体がAZ80よりコンパクトになったことで、耳に素直にフィットする。装着感にも大いに好感を持った。

北米では1月7日から販売を開始する。日本国内の展開については続報を待ちたい。

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